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<日本人が特別?>

「なるほどね。でもさ、人類の大部分が、排除対象の遺伝情報を持っているのじゃ無いかな?だって今の人類は、度重なる戦乱を切り抜けて来た種族だからね。それはある意味危険思想を持った、強い民族が生き残ったと言う事だろう?結局全滅してしまいかねない気もするけどな」


『またまた鋭い意見だニャン。確かにゴンベが言う通り、危険思想に関連した遺伝情報を所持している人間が多いニャン。おそらく全体から見ると、8割以上の人類が対象になると思うニャン』


「8割か……かろうじて人類滅亡は免れると言うところか。いや、世界中で2割以下の人口になるならば、地域によっては生き残っても、すぐに滅亡しかねないね。結果としては1割も生き残れないかも知れないよ」


『それも有り得るニャン。正直言って、この案を採用した場合、確実に生き残れるのは、日本人だけかも知れないニャン』


「え? 日本人は生き残れるの?」


『全員ではニャいけど、多分最低でも4割。最高で7割が生き残れると言う試算が出ているニャン』


「最高で7割……」


『まあ7割は希望的観測に過ぎないニャン。実体としては5割程度と思ったほうが良いニャン。でも、世界的に見たら、稀有な生存率ニャン。他の地域に関しては、多分1割も残らない可能性が高いニャンよ』


「え? 1割……それって」


ゴンベはそこで絶句してしまった。


『日本人は非常に特殊な民族だニャン。特に古代からの遺伝情報を強く残している人間は、非常に温和で攻撃性が極端に低い特徴を示しているニャン。日本でも北海道と沖縄地方に多いニャンよ』


「それって、アイヌ民族と島人達の事かな? 彼らは縄文人の系譜を強く今も受け継いでいると聞いたことが有るぞ」


『多分そうだニャン。ゴンベが言う縄文人と言うのが、我々から見ても、理想に近い民族だと認識しているニャン。そして特異的な遺伝情報も保持していると言われているニャンよ』


「俺も何処かで聞いた気がするな……確かDの系譜とかだったかな?」


『それも該当する一部だニャン。Dの系譜は男性だけが持つDNAタイプだニャン。でも、Dの系譜と同じ様な意味合いの、特定の遺伝情報が男女の差も無く存在しているニャンよ』


「そうなんだ。じゃあ、その遺伝情報を保持していれば、生き残れると言う事になるのだね?」


『まだ、そこまでは言い切れニャいが、可能性は高いと思うニャ』


「でも、その方式への意見は少数派なのだよね? 今のままだと「全人類抹殺」が主となるのかな?」


『その可能性はあるニャン。そうなったらゴンベはどうするニャン?』


「俺かい? まあ俺は、黙っていてもせいぜい後10年程度の寿命だからね。それがちょいと早まったとしても、静かに受け入れるさね。むしろ全人類80億と一緒にあの世へ行けるなら、孤独な老人としては、最高に賑やかで良いかも知れないね。あははは!」


そう言うと、ゴンベは高らかに笑い出した。


『フッ! ゴンベらしいニャ。でも、多分最終的には、先の少数派の意見にまとまる可能性が高いと思うニャンよ。過激派でも「全抹殺」は流石にやり過ぎとの意見が多いからニャン。なので最後は折衷案的に、「部分抹殺」へと落ち着く気がするニャン』


「なるほどね。多数決的な話だと、その可能性が高いかも知れないね。まあ、俺はどの案でも受け入れるけどね。それほど現世に未練も無いからな」


『なるほどニャ。ゴンベがそれで良いと言うなら、俺も腹を括って会議にも臨むことにするニャン。まあ決まるまでには、まだ数ヶ月はかかると思うけどニャン。とりあえずさっきも言った、複合的なパターンも含めて、DNA情報での識別条件を検証させるニャン。その結果次第では、我々穏健派も、中間派に相乗りする方向に進むニャン』


この後ジェムは家に戻っていったが、以降時々ゴンベと情報交換するようになった。

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