表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

<既に賽は投げられた?>

だが、ジェムの話はゴンベの予想とは違っていた。


『我々は、随分昔から人類の行いを見続けてきたニャン。ある時は、有志が技術を示したり、知識を提供したりしたニャン。だがその結果は、人類は我々の技術を利用して、戦争の道具に使い始めてしまったニャン。なので以降は一切の干渉を止めることにしたニャン』


そこで一息つくと、ジェムは更に語気を強めながら続けた。


『更に一時は、別の有志がわざわざ警告した事もあったニャン。しかし、あろう事か人類は、自分達に都合の悪い話は秘匿してしまったり、都合の良いように改竄したニャン。このような愚かな行為を続けていると、滅亡の憂き目に遭うとまで忠告したニャンよ』


「それって、まさかファティマの予言の事じゃ無いよね?」


ゴンベは恐る恐ると言う感じで聞いた。


『ゴンベも知っていたニャン?あれは我らの有志が、戦争に明け暮れる人類への警告だったニャン。なのに、最も重要な最後の忠告を、人類は握りつぶしたニャン。正直許せない行為だニャン』


「第三の予言の事だね。確か1960年以降に発表するように言ったのに、バチカンが発表を拒んで今日まで至っていると言う話だよね。あれって、もしかしてジェム達宇宙人との関係が語られていたりしたのかな?」


『そうだニャン。しかし、その内容を公開すると、神の存在自体が覆ると言う事で、握りつぶしたみたいだニャン。そんな事をしても、意味の無いことニャン。むしろ事態を悪化させているだけニャン』


「でもさ、まだまだ人類が宇宙進出するのは先の話だからさ……」


険しい表情で語るジェムを見て、思わずゴンベは人類を擁護するように訴えかけた。


『それは違うニャン。重要なことは、人類が再び月面着陸を目指し、明確に火星まで行き着くことを宣言した事ニャン』


ジェムは力強い言葉で語った。


「そ・それは……」


ゴンベも何か言おうとしたが、うまい言葉が見つからず、また黙ってしまった。


『ゴンベはまだ先の話と言うが、人類の技術の進歩は加速度的に進んでいるニャンよ。ゴンベが思っているよりも、早い段階で月旅行も火星到着も実現するニャンよ。それが我々の出した結論なのだニャン』


「もう、そこまで話は進んでしまっているのだね?」


ゴンベは妙に体の力が抜けていくように感じながら、力なく呟いた。


『そうだニャン。もう正直言って時間が無いニャンよ』


「……」


ゴンベは言葉が見つからなかった。


『そこで、今我々は人類をどう扱うべきか?議論をしている最中ニャン。なのでゴンベの意見も参考にしたいと思ったニャン。俺が見た中では、最もゴンベの魂が純粋だったニャン。できれば俺は人類を可能な限り擁護したいと思っているニャ。だから、少し力を貸して欲しいニャン』


ゴンベはジェムの言葉に、力なく頷いた。


「分かったよ。俺には何もできないと思うけど、何かジェムに役立つことがあるなら、協力させてもらうよ」


『ありがとうニャン。ゴンベなら、そう言ってくれると思っていたニャン』


ジェムの表情が少し柔和になったようである。


「でもさ、具体的に何をすれば良いのだい?俺には見当がつかないのだけど」


戸惑いの表情を浮かべながらゴンベが聞いた。


『うん。基本的には、俺の話し相手になってくれれば良いニャン。俺の話を聞いて、人類として、どう感じるか?等を聞かせてくれれば、それを参考にしたいニャン』


「まあ良いけど。俺の感想なんて役に立つのかな?」


ゴンベの表情は半信半疑と言う感じである。


『大丈夫ニャン。ゴンベの意見は的を射たものが多いし、偏りも少ないように感じるニャン。人類代表の意見として俺は尊重するニャンよ』


「おいおい!人類代表なんて、おこがまし過ぎるよ。そんな風に言われたら、俺は何も言えなくなってしまうよ」


両手の手のひらをヒラヒラ動かしながら、ゴンベは恥ずかしそうに答えた。


『分かったニャン。人類代表は取り消しニャン。単なる一人類の意見と言う事で聞かせてもらうニャン』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ