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<宇宙人にとっての人類>

ゴンベの言葉を聞いて、ジェムはペロリと鼻を舐めてから答えた。


『ゴンベはジェム達の目的を理解していないからニャ。そう思うのも当然かも知れないニャン』


ゴンベは怪訝な顔をして聞いた。


「目的ね。そうだね。今までの内容では、理解できないかな」


『我々が人類の調査をしているのは、人類の存在が脅威だと感じているからニャン』


ジェムは妙に冷たい目をして答えた。


「え?人類がジェム達にとって脅威だと?」


ゴンベは不意を突かれたように、唖然とした表情で問い返した。


『そうだニャン。我々は、人類が宇宙に進出した場合、確実に他の惑星を侵略し、そこに住む生命体や種族達を攻撃して、滅亡に追い込む可能性があると思っているニャン』


「……」


ゴンベは言葉を失ってしまった。


『ゴンベも人類の歴史は知っているニャン? 互いに争い、侵略しあい、破壊しあって来たではニャいか。特に未知の大陸へ渡ると、そこの先住民を根絶やしにしたり、狭い領地に追い込んで、自分達が広い豊かな地域を占有したではニャいか。宇宙に出ても、同じ事をしないとは言えないニャン。だから人類が宇宙へ進出しないかと、警戒のために調査しているニャンよ』


しばし呆然と聞いていたが、ゴンベも静かに頷いた。


「そうだね。ジェムの言うとおりだね。人類ほど残虐で野蛮な民族は居ないかも知れないね。映画で宇宙人が、地球を侵略しに飛来して、世界を破壊すると言う物語にするのは、人類の性質をベースに考えているからだね。映画の中の宇宙人こそ、人類が宇宙へ出ていった時の姿だと言う事なのだね」


『ゴンベなら理解してくれると思っていたニャン』


「なるほどね。ジェム達の目的は分かったけどさ、俺に話したいことって、人類が危険生物扱いされていると言うことなのかい?」


『まずは、それが前提の話だニャン』


「前提ね。で、その上で何を俺に聞きたいと言うんだい?」


『その前に、もう一つ知っておいて欲しい事があるニャン』


そう言うと、再びジェムは鼻をペロリと舐めてから続けた。


『ゴンベは人類が何時頃、宇宙へと進出すると思っているニャン?』


「ん?人類が宇宙へ進出する時期かい?」


『そうだニャン』


「そうだな……現時点では、やっと月へ行ける程度の科学力だよね。なんか随分昔に月面着陸を行ったけど、その後は月にも行かなくなったし。でも、最近また月へ行く計画が始まったみたいだね。それと、最終目標は火星へ有人飛行で着陸まですることだったかな? 現状はその程度で、まだまだ宇宙進出は遠い未来と言う感じだけどね」


『概ね正しいニャン。今の人類の科学力では、まだまだ火星までも到達できないニャン』


「だよね。そう考えると、少なくとも火星へ行くのだって、10年以上先の話になるし、更に宇宙の彼方までとなると、何百年も先の話なのでは無いかな?」


そう話しながら、ゴンベは内心(そんなに心配しなくても、宇宙人から敵視されるのは、遠い未来の話だよな)と思いつつ、少し安心した表情に変わってきた。

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