<ゴンベの見た夢とジェムの憂鬱>
今日のお話に出てくる夢は、実際に私が有る明け方に見た夢です。最後の落ちが非常に印象的で、しっかりと覚えていました。w
9月のある日。まだ残暑と言うには暑過ぎる日々が続いていた。
今日もジェムはゴンベのリビングに来ていた。
だが、いつもと比べると、妙に憂鬱そうな表情で、あまり喋ろうともしない。
ところがゴンベの方も、今日は何やら考え込んでおり、寡黙にコーヒーを飲んでいるだけであった。
何となく気まずい雰囲気の中、先に口を開いたのはゴンベであった。
「なあジェム。ちょっと良いかな?」
ジェムが気鬱な感じに見えたので、遠慮がちに声をかけたようだ。
『ん? なんニャ?』
「あのな、今朝方変な夢を見たんだよ。それが気になってさ……」
『夢ニャ? どんな夢だったんニャ?』
「聞いてくれるかい?」
そう言ってゴンベは、今朝見た夢の話を始めた。
ゴンベの家は角から2軒目なのだが、お隣さんは当然家が建っている。だが、何故か夢の中では隣は空き地になっていた。
そして空き地越しに住宅街の道路を見ると、そこへ白い箱型の宇宙船が降りてきたのだった。
宇宙船の中からは、フード付きの白い全身タイツにサングラスをかけた、怪しい奴らがワラワラ降りてきて、お隣の空き地にドラム缶みたいなものを下ろし始めた。
その様子をゴンベは2階の窓から見ていたのだが、全身タイツの宇宙人が数名、ゴンベの家の方へと路地を入ってきた。
「マズイ!」と思って、急いで玄関へ行くと、何故か既に亡くなっているはずの母が、「絶対に入れないからね!」と必死にドアを押さえていた。
それを見て、ゴンベは「危ないから下がって!」と声をかけて、母を室内に下がらせると、毅然としてドアを開けた。
すると、そこには白い全身タイツにサングラス姿の宇宙人が立っていた。
すかさずゴンベは叫んだ。
「お前らは何者だ! 何しに来た!」
と一喝した。
すると一番前のリーダーらしき男が、「我々はドラゴン・パンダ星人だ」と名乗った。
そこでゴンベの目が覚めてしまったらしい。
『ウハッ! なんニャ、その夢は……ドラゴン・パンダ星人って、滅茶苦茶だニャン!』
そう言うとジェムは笑いだしてしまった。
「いや、笑い事じゃなくてさ。変な夢だろう? もしかしたら、先日来た黒服さん達の印象から、変な宇宙人の夢になったのかも知れないね」
『まあ、変と言えば変な夢ニャン。でも、妙にゴンベらしいニャン。ドラゴン・パンダって……』
ドラゴン・パンダはジェムのツボだったようだ。終いには腹を抱えて笑いだしてしまった。
「ジェムも酷いな……でも、ジェムも元気が出たようで良かったけどな」
そう言うとゴンベも愉快そうに笑いだしてしまった。
『すまんニャ。今日はちょっとゴンベに言い難い事があってニャン。それで気が乗らなかったニャンよ』
「なんだい? 何か有ったのかい?」
今度はゴンベが心配そうにジェムの顔を覗き込んだ。
ジェムは何か決心したように話しだした。
ジェムが言うには、ずっと続けてきた、「人類への対応案」に関して、先日一応の結論が出たと言うのであった。
「そうか……ついに対応を決めたのだね」
『そうニャン。結論を聞きたいニャンか?』
ジェムはジッとゴンベの顔を覗き込んできた。
「そうだね。ここまで来たら、やはり聞いておきたいかな?」




