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335 地球にさようなら6

「おねーちゃん、お昼作って」

ふゆちゃんとはなちゃんが、

朝ご飯の準備の手伝いに台所に入った私に

今はいいからと、にこにこと笑ってそう言った


笑い顔だけど、目尻が少し赤い

みんな泣いて、泣いて、でも、今日は笑ってお別れ

誰も口に出していってないけど、みんな心の中では思ってる


ありがとう・・・、そう心の中でつぶやいて、

私も明るく答えた


「いいよ、何にしよっかな」

そう言って冷蔵庫を開ける

やっぱり、あれかなぁ

うん、卵はたくさんある


「オムライスー」

だよねーっ定番中の定番

でも、冷めちゃうけどいいのかなぁ


「いーの、いーの

 ねーちゃんは、母さんのだし巻き好きで

 オレらは、ねーちゃんのオムライス好きだから」

「冷めてもおいしい」

海人と深徳が、音もなく寄ってきて

おっきな体で可愛いおねだり


「「おむらいすーっ!!」」

ちびちゃんたちの、大合唱で

ぱたりと冷蔵庫を閉じて、笑顔で答えた

おいしいの作ってあげるねって・・・


みんな、オムライス好きだと思ってたけど

私のだし巻き卵レベルで好きだったんだ・・・


卵好き一家なのかなー

そう言うと、さくらは笑った


「オレの場合は、ねーちゃんの初めての料理だったからかな

 最初は、さ、ふわふわでもない卵で

 むしろ、スクランブルエッグがのっかってるオムライスだったけどさ

 はらへったーって言ったオレに

 ねーちゃんが一生懸命つくってくれて

 すごく嬉しかった

 その時、上手にできなくてごめんねぇって涙ぐんでたのもね」

そっか・・・

私の一番最初の料理なのか


「俺らは咲良兄の洗脳かな

 あとは、他で食べるよりなんか美味いんだよ」

「うん、一番美味しい」


「私も、教えて貰ったけど

 やっぱり何かちがうんだよね、

 そうなると、やっぱり特別なんだよね

 おねーちゃんのオムライスは」


そっか・・・・

でも、嬉しいなぁ


朝食を食べながら、昼食の話をしてる

おとーさんもおかーさんも、いつも通り仕事に出かけて行った


昔と変わらないいつもの状況

朝ご飯は、子供たちだけ

親に秘密の時間というより、これが私たちにとって

あたりの前の日常


「あ・・・」

そうだ、マンション


「なにー?」

代わる代わる私の膝にのってた、ちびちゃんが

きらきらしたお目目で私を見る


「んー、おねーちゃんがすんでるお家ね

 おっきくなって、みんなで使ってね

 使わないなら、解約してね」


そう言って、キーホルダー付きの鍵を今のまとめ役である

咲良に渡した


「まだ、使ってくれてたんだ」

そう、このキーホルダー咲良の修学旅行のプレゼント

ご当地キーホルダー、ホントは鈴付きだったけど

一度ひもが切れた時になくなっちゃった

少ないお小遣いの中、おかーさんにでもなく、おとーさんにでも無く

私だけに買ってくれたプレゼント


「そっか・・・」

じわりとにじみそうな涙を堪えて、佐倉は笑う

「ありがとう、ねぇちゃん」


私のルールが弟たちに伝わったように

咲良のルールも他の弟妹たちに伝わった

咲良は、次の弟海人は咲良に買ってと

ある意味一番近くて、そしてお世話になってる人への

普段言えない感謝の気持ちだったんだろう


私は長女だったから、そういうことはしなかったし

今の今まで分からなかった


そう思った瞬間、長女で、不幸だった・・・とか

我慢してた・・・って思ってた自分が

ちょっと馬鹿みたいだった


みんなそれぞれの立場で、それぞれがんばってて

だれかが特別じゃないって

かちんって歯車が回って、音が鳴り響く時計みたいに

目の前が開けた


「ううん、私もみんなにありがとう

 じゃぁ、行くね」


そう、みんなと話をして

オムライスをみんなで作って

食べて、そして、何気ない話をしている内に

もう、暗くなり始めていた

おとーさんもおかーさんも今日は帰られない


夜ご飯も昼の時に一緒に作った


「うん」

誰かが、絞り出すように答えた

こくりと頷く子もいる

涙を堪える、妹とちびちゃん


「いってらっしゃぃ・・・」

かすれながら、そう行ってくれたのは

はなちゃん


「うん、行ってきます」

私は、とびきりの笑顔で答えた


からり、と扉を開ける

そこから見えるのは、白い白い砂の山と

どこまでも美しい水の世界

そして、暖かな笑顔の男性


『そなたらの血族を貰い受ける』

そう言って、優雅にお辞儀をした


そして、私は地球と別れを告げた


こんばんはー、そして、お久しぶりです

そして、おしまいです


地球編 335話となりましたー

4月になるまでに終わってよかったです


よかったら、いろいろ感想やコメントなどくださいませー

やっーーーーっと定時に帰れそうです

これから、また一緒に楽しんでいきましょーね!


次回は、竜の国編の開始です

まだかいてませんが・・・

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