2日目
朝、何気なく点けたテレビを見ながら朝食を食べていると横から賑やかな声が聞こえてくる。どうやら赤ゆっくりが起きたようだ。
【おにーちゃん、まーちゃはおにゃきゃぎゃしゅいちゃのじぇ。ぎょひゃんしゃんちょうだ…ゆぶぶぅ】
「飼い主に向かっての一声がそれか? 昨日、教えたよな。ほらもう1回」
水槽の中を覗き込むと赤ゆっくりが俺に気付いてそう宣ってきた。これは親の影響が強いらしく早めに矯正しないとゲス化すると言われたので近くにあった綿棒で口を塞ぐ様に突く。
昨日、この赤ゆっくりには霊夢とカラスの事を伝えた。何故か嘘つき呼ばわりされたがコイツにはもう親は居ない。(父親の魔理沙は不倫してどっか行ったらしい)
なので俺が変わりに育てると言うと【うわー、きゃいゆっきゅりになっちゃー】と騒ぎたったがこちらからも約束を取り付けた。
飼いゆっくりである以上、決め事には従ってもらう。と…
「それで、まずはなんて言うんだっけ?」
【お、おにーちゃんおひゃよう。ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ】
綿棒を外された口でたどたどしく繰り出される挨拶。やはり挨拶は大事だなと自分自身でも思う。
「おう、おはよう。まずは朝飯だな。…ほれ」
そう言うと俺は赤ゆっくりの前に小さく切った紙皿を置いた。その上には緑色のペーストが乗っている。
【?…にゃにきょれ】
「何って朝飯だが? お前達ゆっくり用の餌(それなりー味)だぞ」
俺の返事に赤ゆっくりは驚きで顔が変に成りながら、【あみぁあみぁは!?】などとほざきやがった。どうやらこれも親の影響らしく飼いゆっくり=あまあまが常時貰えると教えられているらしい。
「そんな事ある訳無いだろ。お前の両親は飼いゆっくりだったって聞いたか?」
【ゆぅ~、きいちぇにゃい】
俺の説得に渋々理解し目の前の餌に舌をつける。
コイツ等の食事風景も何回かは見たことあるがなんとも汚い。特に食いながら喋るのは気に入らないがもう少し大きくなってから直すとしよう。
−−−−
【ゆっ、まーちゃ。うんうんちゅりゅよ】
食べたら出すが生物の本能、ヘンテコだがコイツもそれに倣って排出をするらしい。 まぁ、それはいいのだが…
【くちゃい〜。 うんうんくちゃいのじぇー】
野生動物みたいに所構わず排出するのに呆れてしまう。 何度もトイレの事を説明しても下の世話は親(飼い主)の役目だと主張するばかりで言う事を聞いてくれない。
だからとある事を口にするようにした。
「お前、格好良いゆっくりになりたくないの?」
【ゆぇっ!?】
このゆっくり、魔理沙種は普通の奴らよりプライドが高く格好良い事に憧れを持つらしい。故に出来ない事を侮辱するか誰かと比較されるのが苦手ですぐに反発してくる。だからその性格を利用して育成の改善をする事にした。
【いやにゃにょじぇ。まーちゃはきゃっきょいい、わいりゅどちゃんににゃりゅにょじぇ】
駄々を捏ねながら自分の夢を宣う赤ゆっくり。そんな奴の前にちぎったティッシュを差し出す。
「じゃあ、糞処理の事は自分で出来なきゃ駄目だな。場所は覚えてるだろ?」
無い頭で少し悩んだ結果、赤ゆっくりは嫌そうな顔をしながら自分が出した物をティッシュでくるんで教えた場所へと持っていくのであった。




