第二十一話「コタツとミカン」
「ね、コタツ?」
「ん?」
「良いこと、思いついたんだ!」
良いこと。出会ってからいつも思ってるけど、実夏の世界ってキラキラしてるなあ。
「あたし、実夏じゃん?」
「うん」
「であんたがコタツ」
「う、うん」
「コタツと実夏」
「……それで?」
「コタツとミカンよ! 相性ピッタリじゃない!」
実夏は目をキラキラさせてそう言った。どうやら実夏の事をミカンと呼べ、と言っているらしい。変わっているけど楽しい子だ。
「じゃあ……ミカンちゃんでいい?」
「ちゃん抜き」
「ミカン」
「コタツ」
「ミカン」
「コタツ」
「ミカン」
「何やっとんねん」
龍のツッコミが入った。ああ、楽しい。友達ができた。ミカンに、龍。ボケに、ツッコミ。ここならしばらくは三人で仲良くやっていけそう。
「リュウ」
私は言った。
「龍は炬燵に潜らへんし、蜜柑も食べへんわ」
冷たい口調ながらも、龍の顔は少しニヤついていた。部屋を出て行った彼の頬は、少し赤く染まっていた。
龍と引き換えに、トランプが部屋に入ってきた。アリモだった。手にはオレンジ色の小さな果物をたくさん抱えている。私を見て、彼は言った。
「冬になると、人間界の子供たちはみんなみかんを食べたがるんですよ。不思議です」
とても好感のあるにっこりとした笑顔は、彼の優しさを映し出していた。部屋の真ん中にある大きな机にみかんを三十個ほど置き、彼はその場を去った。
……現実世界と、季節がちょぉっと違うような……気のせいかな……
ちなみに明日、私の誕生日です。




