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第十九話「アリモのポテチ」

 まだぎこちなく部屋の隅に座っている私のところに、実夏はポテチを持ってやってきた。

「このポテチ美味しいんだよね! コタツもどうぞ」

 お腹と背中がくっつきそうだった私は五枚を一気に口に入れた。

「うわ、美味しい」

 お腹が空いていたのもあるが、ポテチは確かにすごく美味しかった。

「でしょでしょ! いつも持ってきてくれるのよ、アリモってトラが」

「アリモってトラが?」

「トラはトランプの略や。アリモは食べ物持ってきてくれるトランプの名前や」

 小竹の質問に、龍が応えた。

「あ、そうそう。ついさっき、アリモが持ってきてくれた時に、人間の子を倉庫で見たとか言ってたのよ」

「倉庫って、食べ物の倉庫?」

「そうらしいよ。行ったことないけど。あたし、あんたのことかと思ったんだけど、男の子だったって言ってたのよね。もしかして、あんたの片方じゃないの?」

「竹秋が……?」

 そうなら、まだ竹秋はあの口の悪いトランプに撤去されていないということになる。実夏はそんなこと気にもしていないかのようにポテチをボリボリと食べている。

 ちょい、新人ちゃん、と龍は小声で私を呼んだ。

「あんな、倉庫に竹秋君がおったのはええねん。やけどな、その後どこに行ったかや。これから言うのん秘密やで。俺らは双子の方っぽだけやろ? もう方っぽは見つからんねん。おかしいと思わん? 噂によると、いや、シャルルによるとその子ら黒トラに捕まっとるらしいで。これ言うたらみんな泣き出すと思うから内緒やで。ほんまか知らんけど」

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