第十四話「処刑部隊(マジシャン)」
「やあ、フレール、双子はどうなった? 話によると、ペルをうまく使う予定だったようだが?」
「ああ、ペルは使ったよ。しかも来たのは双子の片方だけだよ。都合がいいだろう? まあ、そんなところで、兄ちゃんに伝えておいてくれるかな?」
「なぜ俺達が伝えねばならない? 君のほうが関係が近いし、そもそも君の任務だ。俺達がわざわざ伝えに行く必要などないはずだ。それで双子は今ここにいるのだな」
どうやらペルとはマツのことらしい。フレールは同意の代わりに口を噤む。それを合図に、処刑部隊はその場に光をもたらした。あまりの眩しさに僕は目を眩まし、よろけて倒れこんだ。
「そうか、君か。確かに片方だな。」
「あれ、おかしいな。警備員がいたはずなのに」
「おい、その前になんで煙草が足元にあるんだい? フレール」
「あ、落ちてたんだよ、ぼ、僕じゃないよ」
フレールがそう言い終わった時、僕は、やっとの思いで顔を上げた。まだ太陽の中にいるかのように真っ白な光景に、三人――いや三枚というべきか――のトランプが立っていて、そのうちの一枚、フレールの柄は、スペードの2だった。そしてその足元には、吸い終えた煙草が落ちていた。
その時、はっとなった。三人よりも少し右前の位置に、あの少年が倒れていた。
「おっと双子君、起きてきちゃだめじゃないか。さ、そろそろ”ヘヤ”へ行く時間かな」
その”ヘヤ”が何を指すのかすぐに分かった。きっとどこかの檻に入れられてしまう。処刑部隊の一枚が手を伸ばした。そして、何かが放たれそうになった時、目の前に何者かが飛び込んできた。
「だめっ!」
マツは、意識を取り戻していた。途端に、ばさばさっ、と音がして僕たちはたくさんの白い羽に捕えられ、動けなくなった。




