第6話 報酬
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二刀流とクロスは、突然竜が消えたことで勢い余って前のめりに倒れた。
クロスの剣は根元から折れ、手元にはグリップしか残っていなかった。
二刀流
「いてて……クロス、いきなり倒れるなよ……」
クロス
「すまん……降りてから言ってもらっていいか?」
二刀流はクロスの上に乗っていた。
二刀流
「おー、ごめんごめん」
クロス
「大丈夫だ」
二刀流
「……やったな!」
クロス
「ああ」
重戦士が神官を抱え、魔法使いも2人に合流した。
重戦士
「やったな!!」
魔法使い
「竜、倒したぞー!!」
二刀流
「元気だな……。疲れて元気なんか出ねーよ……」
クロス
「本当だよ……クタクタだ……」
魔法使い
「疲れてるところ悪いが、街まで移動魔法を頼めるか? 神官がまだ目を覚まさない」
クロス
「そうだったな。神官は状態異常なんだよな?」
二刀流
「多分……気絶してるよな? 今まで気絶なんて聞いたことないな……」
クロス
「とりあえず、街に戻るな」
クロスは移動魔法を唱えた。
クロス
「メタバシス!」
5人は街へと戻った。
街に着くと、クロスたちは戦利品を確認した。
クロス
「よしっ! 竜の鱗!」
二刀流
「鱗が欲しかったのか?」
クロス
「噂で、モンスターの素材を使って武具を作ってる人がいるって聞いてさ。俺、使い方が悪いのか、剣がすぐ壊れるんだよね……」
二刀流
「あー、俺も壊れるよ。両方ともアイテム欄に99個入ってるし」
クロス
「そうなるよな」
二刀流
「もう少し耐久力があってもいいのにな……」
魔法使い
「クロス、俺の分の鱗をやるよ」
クロス
「いいのか?」
魔法使い
「俺は杖だからな。魔法を使っても杖は壊れないんだよ。これで殴れば壊れるんだろうけど」
クロス
「ありがとう! 遠慮なくもらって……」
クロスは二刀流の方を見た。
二刀流
「いいよ! クロスのおかげで倒せたんだ。杖が壊れないなら、神官の分ももらうよ! 寝てただけだからな」
クロス
「すまん……ありがとう!」
二刀流
「いいよ! 助かった」
重戦士
「それも重要だけど……ギルドで報酬をもらおうぜ!」
魔法使い
「そうだった! かなりの大金がもらえそうだな!」
二刀流
「行くか!」
5人はギルドへ向かった。神官は、まだ重戦士に抱えられたままだった。
受付
「ようこそ、ギルドへ」
二刀流
「クエストを受けた、エース・オブ・ザ・クラスです!」
クロス
「……俺も同じクラスなんだけど……?」
重戦士
「パーティー名は目標だから……そんなに気にしないでくれ」
クロス
「学生なのがバレバレだけどな」
魔法使い
「あ……そこまで考えてなかった」
3人が笑っていると、重戦士に抱えられていた神官が声を上げた。
神官
「……うっ……うん?」
重戦士
「お! 起きたか? どうなってた? 状態異常だったのか?」
神官
「……俺、どうしてた……?」
「ッ! 竜は?!」
クロス
「倒したよ。みんなボロボロだけどな」
神官
「すまん……記憶がイマイチ……」
クロス
「マジの気絶だったのか?」
神官
「分からない……。とりあえずクロス、傷を治すな」
神官は回復魔法を唱えた。
神官
「エプロー・トラ!」
クロスと重戦士の傷が癒えていく。
クロス
「助かる! ってか、忘れてたよ」
重戦士
「俺もだ!」
二刀流
「お! 神官も起きたか? 体は大丈夫か?」
神官
「とりあえずは……」
二刀流
「それなら良かった! 報酬は山分けだな! 50万入ったから、1人10万だな!」
神官
「俺もいいのか?」
クロス
「何で? 山分けだろ? それとも、いらないのか?」
神官
「いや……役に立たなかったから……」
二刀流
「ふざけるなよ! お前は俺たちのパーティーの一員だろ! 大体、攻撃力と速度を上げたのは誰だ? それがなきゃ勝てなかったよ」
神官
「……ありがとう!」
クロス
「パーティーもいいな!」
二刀流
「うちに入るか?」
クロス
「考えておくよ」
二刀流
「前向きにな! あと、なんかメダルみたいなのを人数分もらったぞ」
クロス
「何だろ?」
クロスがメダルを調べると、アイテム名が表示された。
『竜殺しの証』
重戦士
「俺たち、竜殺しだって!」
魔法使い
「確かにそうだけど、何に使うんだ? それより、金も入ったし打ち上げに行こうぜ!」
このゲームには食事処もあり、食べ物の味も感じられる。ただ、クロスは今まで利用したことがなかった。
二刀流
「だな! 肉食って酒を飲もう!」
クロス
「さ、酒?」
魔法使い
「クロスは飲んでないのか?」
クロス
「未成年だからな……」
神官
「硬いな! ゲームなんだからいいんだよ! 実際に飲んでるわけじゃないんだから!」
クロス
「そうだけど……」
二刀流
「いいから! 行くぞ!」
クロスは4人に連れられ、酒場へ向かった。
酒場に入ると、冒険者のパーティーが何組か、酒を飲んだり食事をしたりしていた。
NPC
「いらっしゃいませ! 何名様ですか?」
二刀流
「5人です」
NPC
「あちらのテーブルへどうぞ」
5人がテーブルに座ると、コンソールが表示された。
二刀流はビールとステーキ、魔法使いはウイスキーとステーキ、神官はビールと唐揚げ、重戦士はワインと鶏の丸焼きを選んだ。
クロス
「どうするかな……」
二刀流
「好きな料理と、飲んでみたい酒を頼めばいいんだよ」
クロス
「分かった……」
クロスはビールと唐揚げを選んだ。
神官
「その選択、正解!」
クロス
「そうなのか? 楽しみだ。こっちで食べたことないから、どうなるんだろ」
NPC
「お待たせしました」
クロスたちの前に、注文した料理と酒が並んだ。
クロス
「流石だな。本物に見える!」
二刀流
「いいから食べよう! いただきます!」
4人
「いただきます!」
4人はそれぞれ酒を手に取った。一気に飲み干す者もいれば、少しずつ味わう者もいる。
クロスは唐揚げを口に運んだ。
クロス
「凄い! 唐揚げだ! 美味い!」
二刀流
「原理は分からないけど、ちゃんと食べてる味何だよ! 酒も」
クロスもビールを口にした。
クロス
「苦っ! マズっ!」
魔法使い
「クロスはお子様だったな」
クロス
「えー、普通にマズいよ……」
こうして、竜退治の打ち上げが始まった。
ナビゲーター
「クロス様、生命危機のため強制ログアウトします」
クロス
「えっ? 金は?」
二刀流
「頼んだ時点で落ちてるから!」
クロス
「ありが……」
言い終わる前に、クロスの姿がその場から消えた。
重戦士
「ってことは、俺たちもそろそろかな?」
魔法使い
「そうだな。個人差はあるけど、大体一緒だからな」
二刀流
「それに、時間も時間だから戻ろう! また明日、学校で!」
神官
「明日は土曜日! 俺は朝から入れるよ!」
二刀流
「オーケー。とりあえず一旦戻ろう。またダイブしてもいいし、寝てもいいし。朝、連絡を入れるな」
3人
「分かった!」
酒場から、4人の姿も消えていった。
今後もよろしくお願い致します。




