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ヴォルテクス・レルム オンライン  作者: アル治


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第5話  竜との激闘

いつも読んでいただきありがとうございます。

ナビゲーター

「お帰りなさい、クロス様。リスタートはクラグ・バストルでよろしいですか?」


クロス

「うん、お願い!」


白い部屋が消え、クロスはクラグ・バストルの街に姿を現した。


クロス

「やっぱり、いつ見ても綺麗な景色だな!」


思わず景色に見とれてしまうが、すぐに我に返った。


クロス

「いけない! 待ち合わせの時間!」


クロスは急いでギルドへと走り出した。


ギルドに到着したのは、待ち合わせの2分前だった。


クラスメート

「おっ、黒須! こっちだ!」


クラスメートがクロスに手を振る。


クロス

「ごめん、待たせたか?」


クラスメート

「いや、まだ時間前だから大丈夫だ。それにしても、黒須は魔剣士になったんだな。見た目はそのままだな」


クロス

「まあね。みんなは見た目を変えているから、誰が誰か判らないよ」


クラスメート

「そりゃそうだろ。全員がクロスみたいに格好いいわけじゃないからな。この世界では、みんな格好よくなりたいんだよ」


クロス

「そうだな、この世界観に合わせた方がカッコいいな」


クラスメート

「それより、俺たちの職業を説明しておくよ。二刀流、魔法使い、神官、重戦士。この4人でやっているんだ」


クロス

「2人はクラス変えたんだな、賢者にはならなかったのから」


クラスメート

「賢者は色々な魔法が使えて便利だけど、攻撃魔法なら魔法使いのほうが強い。神官も回復だけじゃなく、色々できるからな」


クロス

「なるほどな。俺も魔剣士になって攻撃力が落ちたから、職業ごとの違いはよく分かるよ」


クラスメート

「前回はあと1歩のところまでいったんだけどな。最後は魔力も体力も足りなくなって、全滅したんだ。今回はクロスが加わるから、いけると思う」


クロス

「前回の戦いについて、もう少し詳しく教えてくれないか?」


クラスメート

「まず、竜には状態異常が効かない。攻撃魔法も、この寒い場所では炎属性しか効かなかった。ただし、能力を上げる補助魔法は普通に使える」


クロス

「俺も攻撃しながら、回復魔法を使うよ」


クラスメート

「いや、黒須は攻撃に集中してくれ。魔力はできるだけ温存しておいてほしい。俺たちは全力で魔法を使うから、戦闘が終わったらクロスに頼って帰ることになると思う」


クロス

「分かった。そういうことなら任せてくれ!」


クラスメート

「よし。詳しい作戦は、山を登りながら考えよう」


クロスは竜のことを考えていた。


(この世界で最強の種族と呼ばれる竜。その中でも、こいつは一番弱いらしい。まずはこいつを倒して、その先にいるドラゴン……そして、そいつらより上にいると言われている存在7匹のドラゴンにも挑んでみたいな)


クラスメート

「なあ、黒須。何を考えているんだ?」


クロス

「いや、竜を倒したら、もっと強い奴にも挑んでみたいと思ってさ」


クラスメート

「ははっ! いいな! そのときは俺たちも連れていってくれよ!」


クロス

「もちろん!」


クロスたちはギルドで竜退治のクエストを受注し、山へ向かった。


山は、スイスのマッターホルンを思わせる険しい姿をしていた。


クロス

「なあ、竜って山頂にしか出ないのか?」


クラスメート

「いや、出現する場所はランダムらしい。前回、俺たちがこの時間帯に登ったときは、途中で現れたんだ。今回もそうなるかは運次第だな」


クロス

「なるほど⋯」


山を登りながら、クロスは周囲を見渡した。


クラスメート

「それにしても、竜ってもっと格好いい姿を想像していたんだけどな……」


クロス

「どういうことだ?」


クラスメート

「いや、ほら。もっとこう、威厳のある姿を想像していたんだよ⋯でも大きなトカゲに翼が生えたような姿なんだよ」


クロス

「⋯⋯まあ、見た目がどうであれ、倒すことには変わりないか!」


クロスは気持ちを切り替えた。


クラスメート

「クロス、悪いけど、アイスディアーとサーベルタイガーは任せていいか? 俺たちはスノーマンモスとキラーマンモスの相手をする。俺たちにはその方が戦いやすいんだ」


クロス

「分かった! 任せてくれ!」


クロスたちは山を登りながら魔物を倒し、ついに山の中腹までたどり着いた。


クラスメート「⋯⋯」


クロス

(どうした?)


クラスメート

(⋯来るぞ)


仲間の声に、全員が警戒を強めた。


5人は互いに背中を預けるように立ち、周囲を見渡す。クロスの視線の先に大きな岩に影が見える

クラスメート

(来た!)

大きな岩の上に竜が立つ


クラスメート

「まずは補助魔法だ!」


神官

「イスキュロス!」


神官の魔法によって、クロス、二刀流、重戦士の力が引き上げられた。


クラスメート

「次は速度を頼む!」


神官

「人使いが荒いな、タキース!」


そう言いながらも、神官は続けて魔法を唱える。


仲間たちの動きが速くなった。


クロス

「防御力を上げなくてもいいのか?」


クラスメート

「防御は捨てる! 攻撃を受けないように動くんだ!」


クロス

「分かった!」


竜が岩を蹴り、宙へ飛び上がった、飛んで来ると言うよりは滑空してきた


「グオォー!」


そのまま5人に向かって急降下し、鋭い爪を振り下ろす。


クロスと二刀流は左右に飛び退き、重戦士は盾を構えて攻撃を受け止めた。その後ろでは、魔法使いと神官が素早く身を隠す。


重戦士

「前回より攻撃が強くなっている……!」


神官

「エレンホス!」


竜の能力を調べた神官が、すぐに仲間たちへ伝える。


神官

「力も速さも、前回より上がっている!」


二刀流

「クロスが加わったから、人数に合わせて能力が上がったのか?」


クロス

「面白い! だったら、なおさら倒しがいがある!」


クロスは竜に向かって走り出した。


竜の尻尾が横薙ぎに振るわれる。


クロスはすぐに後ろへ跳び、攻撃をかわした。


その隙に重戦士が竜の足へ斬り込み、二刀流も反対側から攻撃を仕掛けるが、竜が二刀流に噛みつこうとする。二刀流はすぐに身を引き、攻撃をかわした。


二刀流

「3人で攻めれば、誰かの攻撃は当たる! このまま攻め続けるぞ!」


クロス

「分かった!」


竜は足を斬られたことに怒り、標的を重戦士へと変えた。


重戦士

「来いっ! 俺の盾をナメるな!」


魔法使いと神官は、急いで重戦士の後ろから退避する。


二刀流

「重戦士が攻撃を受けた瞬間に斬り込むぞ!」


クロス

「分かった!」


竜が重戦士に向かって突進する。重戦士も盾を構え、迎え撃つ準備を整えた。


しかし、竜は重戦士の盾にぶつかる直前で進路を変え、神官へと向かっていった。


二刀流

「っ! やられた!」


クロス

「コイツっ!」


2人が竜に斬りかかるが、竜の爪は神官の目の前に振り下ろされていた。


神官

「…………!!」


魔法使い

「デスモイ・フロゴス!」


魔法使いがずっと詠唱を続けていた魔法が、ついに発動した。


竜の体に炎の鎖が巻きつき、その体を焼きながら動きを封じる。


二刀流

「そんな魔法、知らないぞ!」


魔法使い

「竜に負けたあと、少しレベルを上げて覚えた、とっておきだ!」


クロス

「凄いな!」


重戦士

「止まるな!」


重戦士が竜へ斬り込む。その言葉を合図に、二刀流とクロスも続いた。


竜は身動きが取れず、3人の剣が足、胸、背中を次々と切り裂く。


攻撃は効いている。しかし、傷はまだ浅い。


この機を逃すわけにはいかない。デスモイ・フロゴスがいつ解けるかも分からないのだ。


3人は一心不乱に斬り込み続けた。


やがて炎の鎖が伸び、切れそうになる。


魔法使い

「離れろ! 鎖が切れる!」


「グオォォー!」


3人が離れようとした瞬間、炎の鎖が弾けた。


重戦士は盾で防いだが、二刀流は太ももに、クロスは左腕に炎の鎖が当たった。


二刀流

「しくじった!」


クロス

「利き腕じゃない!」


神官

「今、回復を!」


「エプロー・トラ!」


二刀流の足の傷と火傷が、回復魔法によって治っていく。


「グギャー!」


しかし、竜は神官を目掛けて跳び上がった。


重戦士が神官の前に立ち、盾を構える。


竜の爪が盾に振り下ろされた。


何とか攻撃を受け止めたものの、竜の狙いはそれだけではなかった。


着地と同時に、竜は尻尾を重戦士へ向けて振り回した。


重戦士は盾で受け止めたが、盾ごと吹き飛ばされた。


重戦士

「ぐはっ!」


神官も巻き込まれ、2人は大きく吹き飛ばされる。


竜はその後も尻尾を地面に叩きつけ、氷を砕きながら周囲へ氷の破片を飛ばし続けた。


二刀流

「後ろからは無理になったな……」


クロス

「でも、尻尾の攻撃は来ないかもしれない!」


魔法使い

「俺を忘れるな! ストゥロス・フロゴス!」


魔法使いの魔法によって、竜の周囲から炎が吹き上がる。


炎は柱となり、竜の姿を覆い隠した。


「ギャァァァ!!」


魔法使い

「どうだ!」


二刀流

「よくやった! 視界も奪えてる! クロス、ギリギリまで近づいて、炎が消えたら行くぞ!」


クロス

「いつでもOKだ!」


重戦士は立ち上がれるが、神官は気を失っていた。


これでは、回復魔法を期待することはできない。


二刀流

「斬ったらすぐ離れろ!」


「斬り終わったら、また同じ魔法だ!」


魔法使い

「任せろ!」


二刀流が指示を出し、綺麗な連携が続いていく。


二刀流

「もう4回は繰り返しているのに……強すぎないか?」


魔法使い

「前回より全然強い!」


クロス

「諦めるな! ダメージは与えてる! ここで仕留めるぞ!」


二刀流

「炎の鎖はいけるか?」


魔法使い

「あと1回だ!」


二刀流

「それで決める! クロス!」


クロス

「いつでもOKだ!」


「お互い殺しても恨みっこなしだぞ!」


魔法使い

「詠唱があるから、少しだけ時間を稼いでくれよ!」


二刀流・クロス

(分かった!)


炎柱が消えた瞬間、2人は竜へ斬りかかった。


竜は攻撃を避けられず、2人の剣を受ける。


度重なる炎柱と斬撃によって、竜はかなり弱っていた。尻尾で地面を叩きつけることもなくなり、叫ぶこともなく、まるで三すくみのように、三者とも動かなくなった。


二刀流

【このまま時間を稼がせてくれよ……】


二刀流の願いも虚しく、竜はクロスに向かって走り出した。


クロス

「今度は俺か!」


クロスは左腕を負傷し、利き腕しかまともに動かせない。


弱っているところを狙うのは、生きていくうえで当然の判断だった。


クロス

「来い!」


竜の爪がクロスに振り下ろされる。


クロスは何とかかわしたが、回避に全力過ぎて地面を転がった。


クロス

「くっ!」


その隙を突き、二刀流が竜の足に斬り込んで離脱する。


二刀流

「まだか?」


魔法使い

「…………」


二刀流

「クロス、もう少し頼む!」


クロス

「ああ、やってやるよ!」


竜が二刀流へ視線を向ける。


その隙に、クロスは走りながら竜の足を斬りつけた。


竜はダメージが蓄積しているせいか、すぐには反撃してこない。尻尾による攻撃もなかった。


クロス

「いけるぞ!」


そのとき、魔法使いの詠唱が完成した。


魔法使い

「デスモイ・フロゴス!」


炎の鎖が竜の体に絡みつく。


二刀流

「行くぞ!」


クロス

「おぉ!」


2人は炎の鎖が引きちぎられるまで、斬って、斬って、斬りまくった。


魔法使い

「そろそろ離れろ!」


2人には魔法使いの言葉が届いていた。


それでも、2人は斬るのをやめなかった。


クロス

「ラストチャンスだ!」


二刀流

「畳み込め!」


クロスの剣が竜の首に突き刺さる。


しかし、傷は浅かった。


クロス

「片腕じゃ無理か……」


魔法使い

「鎖が砕けるぞ!」


二刀流

「まだだ!」


二刀流はクロスの後ろに回り、クロスが握る剣に自分の手を添えて、力いっぱい押し込んだ。


その瞬間、炎の鎖が弾けたように見えた。


しかし、鎖が砕けるよりも先に、竜の体が消えていった。

今後もよろしくお願い致します。

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