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ヴォルテクス・レルム オンライン  作者: アル治


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第3話  VRMMORPG

いつも読んでいただきありがとうございます。

VRを装着すると、眠るように目を閉じた。


すると、目の前には白い部屋が広がっていた。


ナビゲーター

(クロス様、お戻りになられましたか?)


クロス

(はい)


ナビゲーター

(クラグ・バストルからのリスタートになります。よろしいでしょうか?)


クロス

(はい、お願いします)


ナビゲーター

(承知いたしました)


ナビゲーターが答えると、白い部屋が消え、街の入り口に立っていた。


悠磨はゲーム内ではクロスと名乗っていた。


クロス

(いつ来ても凄い景色だ。旅行するより、こっちの方がいい気がする)


目の前には、石造りの街が広がっていた。


イタリアやフランスにも負けない、美しい街並み。その左側には、スイスのマッターホルンを思わせる大きな山がそびえ立っていた。


クロス

(流空と樹梨にも見せてやりたいな……。こんな景色、ゲームじゃないと見られないからな)


NPC

(冒険者の方、あの山には登ってはいけません。竜が住んでいます)


クロス

(そいつを倒しに来た!)


NPC

(お1人で?)


クロス

(そうだけど)


NPC

(仲間を集めた方がいいと思います)


クロス

(分かった。ありがとう)


NPCは頭を下げると、街の奥へと歩いていった。


街並みは海外風で、NPCたちも日本人ではない。しかし、その所作には日本人らしさがあった。


ゲームを作ったのが日本人だということが、そんなところからも分かる。


クロス

(仲間か……。ギルドに行ってみよう)


クロスは街を歩き、ギルドへ向かった。


ギルドに入ると、何人ものプレイヤーがいた。すでにパーティーが組まれており、4人から15人ほどの集団が何組か集まっている。


クロスは誰にも話しかけず、受付へと向かった。


受付嬢

(ご用件は?)


クロス

(竜退治のクエストは?)


受付嬢

(ございますが、このクエストは最低4人からの受付となっております。パーティーの皆様全員で受付までお越しください)


クロス

(そっか……。分かった、また来ます)


受付嬢

(承知いたしました。またのお越しをお待ちしております)


クロスはギルドを出た。


クロス

(どうしよう……。竜の鱗が欲しいんだよな……。それでここまで来たのに……)


クロス

(モンスターの素材で武具を作っている人が、どこかにいるらしいんだよな……)


クロスの剣は、武具屋で買ったものだった。


しかし、クロスの使い方が悪いのか、それとも力が強すぎるのか、数回の戦闘で剣が折れたり、ひびが入ったりすることがあった。


このヴォルは、1つのアイテムにつき99個まで持てる仕様になっている。


そのため、クロスは剣も回復薬も魔力回復薬も、常に99個持つようにしていた。


クロス

(仕方ないな……。どこかで仲間を探すか……。とりあえず、今日はレベル上げと金の確保だな!)


クロスは街を離れ、平原を歩き始めた。


しばらく進むと、サーベルタイガーのようなモンスターが姿を現した。


クロス

(ここの場所では、よくお前が出るな!)


クロスはモンスターに話しかけたが、当然、返事はない。


モンスターはクロスを威嚇した。


(ガルルッ!)


サーベルタイガーはクロスを完全に敵と認識し、飛び掛かる体勢を取った。


クロス

(いいね! この緊張感! ゲームのはずなのに、目の前にサーベルタイガーがいるんだからな!)


クロスは黒く細身の剣を手にした。


クロス

(お互い、殺しても恨みっこなしだぞ!)


サーベルタイガーがクロスに飛び掛かった。


現実では絶対に見ることのない、鋭く大きな爪。そして、あり得ないほど巨大な牙が、クロスに向かって迫る。


サーベルタイガーの鋭い爪が、振り下ろされた。


クロスはその爪に合わせ、剣を水平に振るった。


(キィィン!)


金属音が響き渡る。


このゲームでは、モンスターの攻撃に合わせて攻撃することで、相手の攻撃を防ぐことができる。


ただし、タイミングを合わせるには熟練が必要な、高難度の技術だった。


サーベルタイガーはすぐに体勢を整え、再びクロスを威嚇した。


クロス

(流石に強いな。前の場所のモンスターなら、体勢を崩せたのに!)


クロスは剣を構え直し、サーベルタイガーに向けた。


サーベルタイガーは、再び同じ攻撃を仕掛けてきた。


クロスは走り出すと、爪が振り下ろされる位置よりもサーベルタイガーに近い場所へと踏み込んだ。


そして、サーベルタイガーの腹を目掛け、剣を一気に突き出した。


クロス

(相手が悪かったな)


しかし、サーベルタイガーも黙ってはいなかった。


腹に剣が刺さった状態のまま、クロスに噛み付こうとする。


クロス

(流石だ!)


クロスは刺さった剣を地面に向かって振り下ろし、サーベルタイガーの腹を切り裂いた。


サーベルタイガーは一声鳴くと、その場から姿が消した。


クロス

(ふぅ……。ここまで来ると、一撃で倒せるモンスターはいないか)


レベルは上がらなかった。


しかし、クロスはサーベルタイガーの毛皮と、討伐報酬の金を手に入れていた。

今後もよろしくお願い致します。

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