第2話 黒須悠磨
いつも読んでいただきありがとうございます。
悠磨
(学校か……サボってゲームするか……)
俺が通っているのは、皇成高校。
名前は凄いけど、普通より少し上の進学校だ。一部の生徒は有名大学にも進学している。
ピンポーン!
家のチャイムが鳴った。
悠磨
(……そうなりますよね)
俺がインターホンに出ると、画面には男女2人の姿が映っていた。
悠磨
「はい……」
神楽流空
「おはよ! 悠磨、学校行くぞ!」
杠樹梨
「悠磨、学校行こうよ!」
悠磨
「今着替えるから待ってくれ」
流空とは小学生の頃からの付き合いで、樹梨とは中学生の頃から一緒だった。
2人とも俺の両親が家にいないことが多いのを知っていて、何かと世話を焼いてくれている。
悠磨
「お待たせ。毎日ありがとうね」
流空
「ありがとうって言ってるけど、顔が迷惑そうなんだけど」
悠磨
「そ、そんなことないよ! 感謝してる」
樹梨
「学校サボってゲームしようと思ってたんでしょ?」
悠磨
「え? いや……今、クエストが面白いところなんだよね」
樹梨
「休みの日もゲームばっかりなんだから……」
流空
「たまには2人で出掛けてみたら?」
悠磨
「流空は?」
流空
「俺は彼女とデート」
悠磨
「なら樹梨も彼氏とデートだろ? そうだろう? 樹梨? あれ?」
樹梨
「早くしないと遅刻だよ!」
流空
「ヤバッ! 悠磨、行くぞ!」
俺たちは走りこそしなかったものの、少し急いで学校へ向かった。
学校に着くと、3人そろって同じ教室に入る。
俺と樹梨は隣同士の席で、流空は少し離れた場所に座った。
樹梨
「悠磨、お昼は?」
悠磨
「パンでも買うよ」
樹梨
「だと思った……はい!」
悠磨
「いつもありがとう! おばさんに伝えて」
樹梨
「最近は私なんだけど!」
悠磨
「そうなの? 樹梨、料理できたんだな」
樹梨
「っ! 酷くない? もうあげない!」
悠磨
「ごめん、ごめん! 謝るから、お弁当ちょうだい」
樹梨
「知らない……!」
流空
(あいつら、いつ付き合ってくれるのかね……)
内容は違うが、いつもの学校の風景だった。
午前中の授業が終わり、昼休みになると、クラスでは仲のいい者同士が集まって昼食をとる。
俺たちも、流空と樹梨と3人で昼食を食べていた。
そんな中、ほかのグループから聞こえてくるのは、ヴォルの話ばかりだった。
クラスメート
「ヴォル、どこまでいった?」
クラスメート
「やっと二刀流になった!」
クラスメート
「あのクエストはクリアしたほうがいいぞ」
クラスメート
「NPCは殺すなよ」
流空
「あのゲーム、凄いな」
樹梨
「私の友達も始めたって」
悠磨
「2人はやらないの?」
流空
「彼女が始めたらやるよ」
樹梨
「私は……悩んでる。高3になったら勉強漬けになるだろうから、遊ぶなら今のうちかなって……」
悠磨
「始めたら声を掛けてよ。そこそこレベルは上がってるから、サポートはできるよ」
樹梨
「悠磨、強いのに、弱い私と組んでメリットあるの?」
悠磨
「樹梨、あのゲームをナメちゃいけない。メリットはあるんだよ」
樹梨
「そうなの?」
悠磨
「ソロ、2人、複数人。それぞれの人数でクエストをクリアすることで、世界が変わる可能性があるんだ。最終的には、1人ひとり違う世界になる可能性だってある!」
流空
「凄いな……本当にゲームなのか?」
悠磨
「そう思うよな。それくらい凄いんだよ。更新がちゃんと続くなら、一生遊べるくらいのスペックだと思う」
樹梨
「悠磨がそう言うなら、そうなんだろうね……」
学校が終わると、俺はすぐに帰宅した。
樹梨
「悠磨!」
悠磨
「ごめん! 先に帰るな!」
流空
「しばらくはダメだな」
樹梨
「もう……。夜ご飯、ちゃんと食べるかな?」
流空
「それは大丈夫だ」
樹梨
「??」
流空
「空腹だとゲームできないらしい」
樹梨
「…………」
流空
「樹梨はこれから勉強か?」
樹梨
「うん……」
「流空はデート?」
流空
「もちろんデートだよ!たまには息抜きしろよ。悠磨を誘ってさ。じゃあ、また明日な、樹梨」
樹梨
「うん、明日」
樹梨
(悠磨を誘っても、ゲームで断られるじゃん……)
悠磨は急いで家に戻ると、家にあるものを食べ、トイレを済ませた。
そして、すぐに自室へ戻り、VRを装着した。
今後もよろしくお願い致します。




