第13話 現実に残る傷
いつも読んでいただきありがとうございます。
悠磨は時計を見た。
時刻は17時。
悠磨
「起きたのが10時……11時にダイブしてるから6時間……。早いな……」
悠磨は一応トイレを済ませ、もう一度VRを装着した。
ナビゲーター
「お帰りなさい、クロス様」
悠磨
「リスタートしたいんだけど」
ナビゲーター
「申し訳ありません、クロス様。本日はもうログインできません」
悠磨
「なんで? まだ6時間しかログインしてないんだけど」
ナビゲーター
「申し訳ありません。本日のログインはできません」
悠磨
「明日はログインできるのか?」
ナビゲーター
「明日のログインは可能です」
悠磨
「何故、今日のログインはできない?」
ナビゲーター
「申し訳ありません。本日のログインはできません」
悠磨
「理由は?」
ナビゲーター
「本日のログインはできません」
悠磨
「……分かった」
ナビゲーター
「申し訳ありません」
悠磨はログアウトした。
悠磨
「1日6時間しかログインできない……」
悠磨はスマホを手に取り、色々と調べ始めた。
アップデート情報、ログイン回数、ログイン時間。さらに、体験したモンスターが消えずに残ることや、血が流れること、コンソールが使えなくなったこと、プレイヤーが自分1人しかいないクエストのこと。
バグについても、思いつく限り調べた。
しかし、自分と同じ状況になっている人は1人もいなかった。
悠磨
「何なんだ……。何が起きてるんだ……。俺だけおかしい……」
調べているうちに、時刻は20時近くになっていた。
明日は学校もある。悠磨は食事を済ませ、風呂に入ることにした。
いつもよりゆっくり湯船に浸かり、今日起きたことを考える。
風呂から上がり、着替えようとした時だった。
悠磨
「なんだ、この左腕の傷……。何かで切られたような……」
悠磨は自分の左腕を見つめた。
悠磨
「……ウエイトレス! ゲームの最中、ウエイトレスに切られた! なんで傷があるんだ……?」
悠磨
「傷が残るはずがない……。こんなことも一度もない……」
悠磨は恐る恐る傷に触れた。
痛みはなかった。
まるで、昔に付けた傷のようになっていた。
悠磨
「魔法で治したからか? ……治したとしても、傷が残るのがおかしい……」
悠磨は湯船に浸かりながら考え続けた。
しかし、いくら考えても答えは出なかった。
悠磨
「次のログインで試すしかない……。もし、その通りなら……」
悠磨は目を閉じた。
悠磨
「ゲームが現実……? モンスターが現代に存在している? いや……魔法も使えてる……。アニメの異世界転移……」
考えれば考えるほど、信じられない可能性ばかりが浮かんでくる。
悠磨
「……何にしても、明日!」
悠磨は風呂から上がり、紅茶を飲みながら考え続けた。
悠磨
「やっぱり一番分かるのは、ログアウト前に少し斬って、ログアウトした時にも傷があるか、出血があるかで確かめることだな……」
悠磨
「異世界転移なんて信じられない。でも、この状況じゃ、それしか考えられない……」
悠磨は明日、何を確かめるべきかを考え続けた。
布団に入ってからも考えていたが、ゲームでの疲れと考え過ぎたせいか、すぐに眠りに落ちた。
今後もよろしくお願いします。




