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ヴォルテクス・レルム オンライン  作者: アル治


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第10話  泥棒扱い

いつも読んでいただきありがとうございます。

クロス

「ど、泥棒??」


ウエイトレス

「昨日の大金! それに、開いてもいない店の中にいる! 泥棒で間違いないでしょ?」


クロス

「ち! 違います! 俺はログインしただけで、ここでログアウトしたから、ここからリスタートなんですよ!」


ウエイトレス

「訳の判らないことを言って誤魔化しますか!」


ウエイトレスは太ももから短剣を2本抜き、構えた。


クロス

「ッ! マジで待って! 話せば判ります!」


ウエイトレス

「泥棒と話すことはない!」


ウエイトレスはクロスに斬り掛かった。


クロス

「待ってくれ!」


水平に振られた短剣をかわす。


しかし、間髪入れずに突きが飛んできた。


クロスはそれもかわそうとしたが、刃先が脇腹の鎧をかすめた。


「キィーーン!」


小さな金属音が店内に響く。


クロス

【マジかよ⋯⋯このウエイトレス⋯⋯強すぎる⋯⋯】


クロス

「どうすれば話を聞いてくれる?」


ウエイトレス

「⋯⋯⋯」


ウエイトレスは再び同じ構えを取った。


クロスは剣に手を伸ばしたが、握ることなく両手を上げた。


ウエイトレス

「それは降参か?」


クロス

「降参だ! 話を聞いてくれ!」


ウエイトレス

「それは死ぬか、牢屋行きしかないんだけどね!」


クロス

「マジか⋯⋯」


ウエイトレスは短剣を下から斜めに斬り上げた。


クロスはバックステップでかわす。


だが、すぐに突きが飛んできた。


今度は読んでいた。


クロスは鎧にかすめられることなく、突きもかわした。


しかし、ウエイトレスもそれを読んでいた。


最初に斬り上げた短剣が、斜めに振り下ろされる。


そこまでは読めていなかった。


クロスはとっさに左腕で受けたが、鎧のない場所に短剣が突き刺さった。


クロス

「うっ! いったぁー!」


ウエイトレス

「⋯⋯」


クロス

「⋯⋯痛いっ! 痛すぎるっ!」


ウエイトレス

「お前⋯⋯死ぬ気か?」


クロス

「死にたくない! 痛すぎるっ!」


クロスの左腕から、血が勢いよく流れ出す。


クロス

「話を聞いてもらえませんか?」


ウエイトレス

「⋯⋯⋯」


ウエイトレスは短剣を太ももにしまった。


ウエイトレス

「血を止めなさい」


クロス

「エプロー・トラ!」


クロスは回復魔法を使い、傷を塞いだ。


ウエイトレス

「私、格闘も少し出来るので、変な気は起こさないことですね」


クロス

【凄いな! どんどん痛みが引いてく。回復魔法ってこんな感じなんだろうな⋯⋯本当、アップデート様々だな】


ウエイトレス

「⋯⋯⋯聞いてるのか!? 泥棒!!」


クロス

「ッ! すいません! 泥棒じゃないんです!」


ウエイトレス

「なら、なんで今! ここに居るんだ!」


クロス

「ログアウトした場所からリスタートするので、昨日ここでログアウトしたんですよ!」


ウエイトレス

「ログアウト、リスタート⋯⋯さっきも言ってたな。何なんだそれは!」


クロス

「ゲームですよ! ってか、貴女もログイン中でしょ? この強さ、NPCとは思えないんですが?」


ウエイトレス

「NPC?? なんだそれは?」


クロス

「え? ログイン、リスタート、NPCが判らない??」


ウエイトレス

「全く判らんな!」


クロス

【このウエイトレスNPCなのか? あの強さでNPCとか訳判らないぞ⋯⋯】


クロス

「えーと⋯⋯泥棒ではないのですが、どうすれば許してもらえますか? 何も取ってないのですが⋯⋯」


ウエイトレス

「取る前に私に見つかったからだろ?」


クロス

「本当に違うんです⋯⋯どうすれば信用してもらえるかな⋯⋯」


ウエイトレス

「⋯⋯⋯⋯」


クロス

「ちょっと待ってくださいね⋯⋯アイテムボックスから何か信用してもらえる物を出しますから」


ウエイトレスは太ももの短剣に手を掛けた。


ウエイトレス

「判ってるよな? 次は外さない!」


クロス

「判ってます」


クロスは、ウエイトレスの本気とその強さを理解していた。


冷や汗が止まらない。


そんな状況で、クロスはアイテムボックスを探る。


頭の中では、どうすれば信用してもらえるのかを必死に考えていた。


そのとき、手に何かが触れた。


クロスはそれを握りしめ、アイテムボックスから引き抜いた。

今後もよろしくお願いします。

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