第1話:ナスと挽肉のボロネーゼ風パスタ
始まりは、重厚な「赤」を視界に取り込むことからと決めている。
私はキッチンの定位置に立ち、食材を並べる。
黒光りするナス、鮮度の良い合挽肉、深い真紅の赤ワイン。
まな板を叩く規則正しいリズムが、静かな部屋に心地よく響く。
自作デバイス『PED』のレンズ越しに見える食材は、どれも瑞々しく、命の輝きに満ちている。
ソースが煮込まれるのを待つ時間は、自分と向き合うための大切な儀式だ。やがて、部屋中に芳醇な香りが満ち始め、キッチンは多幸感に包まれる。
茹でたてのパスタに、深いコクを蓄えたソースをたっぷりと絡める。
仕上げに、パルメザンチーズを雪のように散らして。
テーブルの上に、完璧な一皿が完成した。
立ち上る湯気の向こう側で、私は静かにログを更新する。
本日の事故、0件。
記録は、完璧だ。
第1話、読んでいただきありがとうございます。
今日は少し贅沢に、手間をかけたボロネーゼを作りました。
【こだわりレシピ:ナスと挽肉のボロネーゼ】
隠し味に「お味噌」を小さじ1杯だけ入れてみてください。トマトの酸味がマイルドになり、深みのあるコクが出ます。ナスは一度、多めのオイルで表面をカリッと焼いてから別皿に取り、最後にソースと合わせると食感が損なわれず、最高に美味しくなりますよ。
仕事で疲れた夜、自分へのご褒美にいかがでしょうか。
次は、香ばしいパンの匂いに包まれる朝の記録をお届けします。




