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双国ノ巫女 〜九尾の力を持つ雪女の姫は、戦場でその力を解き放つ〜  作者: Su
出会いと誓い――護衛テュエルとレイラの軌跡
33/64

そして誰も覚えていない混浴事件


馬に乗り、城へと戻るレイラとテュエル。


 


テュエルがふと視線を向けると、

レイラの腰には――

ダインからの贈り物、

【愛娘】と刻まれたあの刀が、しっかりと装着されていた。


 


――――――――――――――――――――――――


 


テュエル

「レイラ様……レイラ様……

 そろそろリュウコですよ^^」


 

「……って、また寝てるー♡」


 


レイラ

「……ん……?

 ……ぅん……」


 


(泣き疲れた……)


 


テュエル

「まだお昼前ですし……

 彼らの所へ行きますか?」


(リア達、とは言わない)


 


レイラ

「……そうだな」


 


テュエルは、

ほっとしたようにニコッと微笑む。


 


レイラ

「……テュエル」


 


テュエル

「? はい。」


 


レイラ

「一緒に来てくれて……ありがとう」


 


後ろに座るテュエルへ、

ほんの少し体重を預け、甘えるように。


 


テュエル

「…………♡

 ご、ご護衛として、

 レイラ様のお側を離れないのは当然ですから!!!」


 


少し慌てた声。


 


レイラ

「…………………………」


 


じとーっとした視線。


 


テュエル

「な、なにか……?!」


 


レイラ

「……別に」


 


(……なんとなく、

 そんな言葉が欲しかったわけじゃないんだけどな)


 


――――――――――――――――――――――――


 


リア

「あ!!

 レイラーーー!!!

 おかえりーーー!!!」


 


遠くから気づき、

大きく手を振りながら駆け寄ってくるリア。


 


レイラも馬から軽く飛び降り、

嬉しそうに笑う。


 


レイラ

「ただいま」


 


リア

「おかえり!!」


 


二人の空気感を、

少し離れた場所から見て――


 


テュエル

(……また始まった……)


 


静かに、しかし確実に、嫉妬。


 


シュン

「レイラ!おかえり!

 ちょうど今、炊き出しだよ!」


 


「一緒に食べていかない??」


 


レイラ

「ぜひ、頂こう」


(お腹すいた……)


 


ロイロ

「おっ、帰ってきたな……!」


「……なぁレイラ、

 その腰の刀、どうしたんだ?」


「白くて……かっけーな」


 


ナイル

「ほんとだ。

 白くて、綺麗だね、レイラちゃんにぴったり♡」


 


レイラ

「あぁ……

 父からの贈り物だ」


 


シュン

「……え?」


「……どゆこと?」


 


その場にいる全員の頭の上に、

「?」が浮かぶ。


 


――――――――――――――――


 


(事情説明後)


 


シュン

「ぐすっ……

 ふぇぇぇえええ……ひぐっ……」


 


リア

「ぇぇぇぇええん……」


 


シュン

「そんなの……

 泣いちゃうじゃぁぁぁん……」


 


シュシャ

「父君からの愛……

 泣けますぅぅぅう……」


 


墓参りの際、

【愛娘】を手に入れた経緯を聞き――

完全に情緒崩壊。


 


ロイロ

「しかしな……

 刀を学ぶなって言ってた本人が、

 刀を贈るとはなぁ…………」


 


ナイル

「ロイロ、それが……愛だよ……」


 


ちょっと、感動が伝染。


 


ロイロ

「……そんなもんかねぇ」


「親になったことねぇから、

 わかんねーや」


 


リア

「それにしても……

 そんなに綺麗な場所なんでしょう?」



「私も、見てみたかったなーーー」


 


テュエル

「ダメです!!」


くわっ――と振り返る

 


「そこは禁足地!!

 あなた方が立ち入れるわけ、

 ないでしょう…!」


 


(ちょっとドヤる)



リア

「えええ……」


「……残念……


しゅん、と肩を落とす。



そこへ、恐る恐る近づく村人たち



村人

「ひ、姫さま……!

 お身体は、もう大丈夫でございますか?」


 

レイラ

「……あぁ。もう、ほとんど治った」


(ええと……もう少し言葉を足さないと……)


「……そなた達のおかげだ。

 城の復興作業、誠に感謝する……」


(……これでいいだろうか?)



村人達

「!!!

 ありがたきお言葉……!」



「我々にできることがあれば、

 すぐにご指示くださいませ!!」



言葉選びが成功したらしく、

レイラは内心ほっと胸を撫で下ろす。



村人

「あっ……!

 陛下と、ミコト様のお墓を……!」


「造っていただき、誠に……!

 ありがとうございます!!!」


「しかも、リュウコの関門の近くに……

 とても訪ねやすく、感激いたしました!!」


 


ヤヒロ

「復興作業が終わったら、

 なかなか中へ入れなくなるからな……」


 


レイラ

「父と母の墓を、と提案してくれたのは……

 この煌龍国の、リア姫だ」


「感謝するなら……リアへ」


 


――空気が止まる。


 


村人達

「……え?」


 


ヤヒロ

「あ、あんた……姫だったの?!?」



リア

「ごめんなさい……

 騙してたつもりじゃないの……」



ロイロ

「まぁ、名乗ってねぇしな。」



ヤヒロ

「ま、まじか……」



(今までの失礼行為を思い出して絶望)



一同

「……くすくす」



レイラ

「……近々、

 騒ぎのせいで延期になっていた

 追悼祭りを開こうと思う」



村人

「な、なんと……!

 祭りを……!」



レイラ

「……あぁ」


「場所は……

 北の……神域で行う」



ヤヒロ

「神域??」



イブキ

「そ、そんな所でお祭り騒ぎなど……

 バチが当たるのでは…………」



村人達がざわつく。



レイラ

「……大丈夫だ」


「かつて、狐と龍が

 踊り明かしたと伝えられているのが神域だ」


「盛大に行おう。

 国の皆に、伝えておくれ」



驚きつつも、

年に一度の華やかな祭りに、

村人達はどこか嬉しそうだ。


 


ヤヒロ

「国民全員連れて行くつもりで、

 声かけます!!」


 


イブキ

「では、休暇中の兵士にも

 準備を呼びかけます!」


 


レイラ

「……ありがとう」


「では、七日後だ。

 死者を偲ぶために……」


「皆の者、よろしくな」


 


――にこり。


 


村人達

「は……はい…………♡」


(完全に射抜かれた)


 


テュエル

(……っ♡)


(しれっと射抜かれている)


 


――――――――――――――――


 


昼食を終えた後。


 


レイラとテュエルは兵士達を動かし、

リュウコの入り口から北の神域まで続く道に、

松明を配置させる。


 


リア達は、そのまま復興作業へ。


 


――――――

そして夕方。

――――――




大浴場にて――――――




シュン

「っぷはーーーーー!! 今日も働いたー!!!」


(大浴場で飲む瓶牛乳、最高……)


 


ロイロ

「そろそろこっちも大詰めだな」


(もうすぐ復興作業も終わるな)


 


ナイル

「ほんと、ボクたち頑張ったよねー」

「疲れちゃった♡」


 


シアン

「お墓……喜んでもらえてよかった……」


 


シュシャ

「そうだ!!シアン!

 お前の石を削る技術も素晴らしい!」

「皆、喜んでいたぞ!さすが私の幼馴染だ!!」


レオ

「幼馴染関係ねぇーw」



ナイル

「レイラちゃんも、村人の人といい感じだったよね」


 


シュシャ

「うむ! なかなか自然に打ち解けていたと思うぞ!」


 


ロイロ

「結構、言葉選び頑張ってたっぽいよな」w


 


シュン

「やめなよ!

 レイラなりに頑張ってるんだから、茶化すのは――」


 



その時――――




ガラガラッ――――


 

 


!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 


湯に浸かっていた男組全員、

一斉に目が飛び出す


 



レイラ

「……みんな、湯加減はどうだ?」

「私も、邪魔させてもらうぞ……」


 


湯けむりの中から、

布一枚のレイラが現れる。


 


 


男共

(……あれ……?

 今……夢、見てる……?)


 


 


………………………………………………


 


シュン・ロイロ・ナイル・シアン・レオ・シュシャ

「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!!!!!!!!!!!!!!!」

 


 首を横に全力でブンブン振る


シュン

「俺!!まだ死にたくない!!」



ナイル

「すごくラッキー展開だけど!!

 ボクもまだ死ぬのはごめん……」


「……いや……

 ここで死ぬのも、悪くないっ!!!!」


 


――と、振り返った瞬間。


 


背筋を貫く、ただならぬ殺気。


 


視界が――暗転。


 


 


――――――――――――――――――――


 


(寒さで目を覚ます)


 


ロイロ

「…………さみぃ…………」

「おい、ナンパ野郎……風邪引くぞ……」


 


ナイル

「………………うぅん……さむっ」

「あれ? なんで……倒れてたんだっけ?」


 


シュシャ

「……思い出せん………………」


 


ナイル

「なんか……

 幸せで、ショックなことが起こったような……」


 


ロイロ

「……なぁ、さっきのこと、覚えてるか?」


 


ナイル

「……夢だよね?」

「そうだよね?!」


 


シュン

「夢! 夢です!!

 そういうことにしよう!!」


 


シュシャ

「う、うむ!!

 夢である!!

 我らは何も見ておらぬ!!!」


 


レオ

「はははははw」


「夢じゃなかったら

 俺たちこの世にいねぇなwww」


 


シュン

「………………夢か」

「夢で、よかった……」



 


――――――――――――――――――――

※その少し前

――――――――――――――――――――


テュエル

「レイラ様!!!」


「あなた!!

 一体何をしているんですか!!」


「男がいると分かっている浴場に

 入り込むなんて!!!」


「ご自分が、

 どれほど魅力的な女性か、

 理解してください!!」


「ボクがすぐに気づいて

 “伸びてもらった”からよかったものの!!」


「到着が遅れていたら

 どうするおつもりだったんですか!!」


「いい加減、

 こればかりは怒りますよ!!」


 


(※全ての男共、気絶済み)


 


レイラ

「……いけないこと、なのか?」

 

俯き、肩をすくめる



テュエル

「いけません!!」



レイラ

「……もっと、仲良くなろうとしたんだ……」


(裸の付き合い、という言葉もあることだし……)


  

テュエル

「男とこれ以上仲良くならんで結構です!!!」


 


――想像以上のブチギレ。


 


布は羽織っているものの、

正座で説教を受け、足が痺れてくる。


 


テュエル

「もうひとまず結構です!!」


「風邪を引いてしまいます。

 早く【女風呂】へ向かってください」


 


フン、と鼻を鳴らし立ち去ろうとする。


 


レイラ

「テュエル、待っ――」


 


立ち上がった瞬間、

痺れでよろける。


 


ドサッ――



レイラ

「……すまない、足が痺れて……」


 


テュエル

「…………っっっ////////」


 


――両手には、

レイラの柔らかな二つの体温。


 


テュエル

「…………………………っ」

「レ、レイラ様……」

「ど、退いて頂けないでしょうか………………」


(も、もう……理性、限界)


 


レイラ

「ちょっと待ってくれ……

 まだ…痺れて……」


 ビリビリ……



テュエル、理性を取り戻そうと必死に手を離す。


 


レイラ

「うあっ!」


 


テュエル

「…………………………っっっ!!!!!」


 


――結果、さらに密着。


 


レイラ

「……すまない、テュエル」

「さらに怒らせてしまったな…………」


 


痺れが取れ、立ち上がるレイラ。


 


テュエル

「……………………………………」


(明るい場所で、全裸を直視)


 


 


ボコォォォォン!!!!


 


自分自身を殴り、そのまま気絶。


 


テュエル

(…もう……)

(……いっそ……殺してください…………)


 


レイラ

「!!!

 なにを……!

 大丈夫か、テュエル!」


 


揺さぶりながら、

本気で心配するレイラだった。


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