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双国ノ巫女 〜九尾の力を持つ雪女の姫は、戦場でその力を解き放つ〜  作者: Su
出会いと誓い――護衛テュエルとレイラの軌跡
24/66

契約は破られた。山は崩れ、狐は目覚める


リア

「なに……!?」

 


シュン

「なっ……!!」



ロイロ

「何が起こった!!」

 


ヤヒロ

「……な!!壁が……!!

 大岩……!?凱帝国のやつらかッ!!」


 


そう叫ぶと、ヤヒロは門の中へ全力で駆け戻る。


 


レイラ

「………………ッ!!!」


 


迷う暇はなかった。

レイラも後を追い、門をくぐり抜ける。


 


レイラ

「!!!!!!」



――その瞬間、足が止まる。



焼け落ちたと聞いていた場所。

瓦礫しか残っていないはずの場所。



そのはず、だった。



視界に広がるのは――

人の手で、繋ぎ直された景色。



え……?



なぜ……?



所々、以前とは違うが……




全焼したはずの城が…………

造られている………………?


 

 


村人

「キャーーーーーー!!!!」


 

はっと、我に返る。



投石の破片で怪我を負った村人たちが、

あちこちに倒れている。



駆け寄ろうとした、その瞬間――


 


レイラ

「!!!!」


 


ゾクッ――!!


 


背筋を、嫌な予感が貫く。


 


……また、来る――


 


ナイル

「まだ来るよ!!」


 


反射的に振り返り、空を仰ぐ。


 


すでに、大岩が二つ――宙を舞っていた。


 


一つは、宮内の倉庫へ。


 


ドォン――――!!


 


村人

「アァァァ!!!

そんな……!!!」


 


村人

「ひどい……なんてことを……!!」



村人

「悪魔め……!!」


 


村人

「せっかく……建て直したのに……!!!」


 


村人

「……ぁぁ……ダインさまぁ……」

「ダイン様……!!」


 


村人

「……九尾様……お助けください……」



 


もう一つの大岩は、庭の池へと落下した。


 


 


ドォン――――!!


 



水しぶきと瓦礫が、無慈悲に弾け飛ぶ。


 

 


その光景を前に、

レイラの身体は――抜け殻のように、動かなくなる。


 


ヤヒロ

「ふざけんなッ!!!」


「父さんの代わりに!!

俺がリュウコを守るって決めたんだ!!」


「壊されてたまるか!!!」


 


七合目へ向かおうとするヤヒロを、おばさんが必死に止める。


 


おばさん

「やめな!!

兵士のいるところへ行かせられるわけないだろ!!」


「上も下も……もう危ないんだよ!!」


 


ヤヒロ

「兵士なんて……!!

全員ぶっ殺してやる!!」


 


――パァン!!


 


乾いた音が、場の空気を裂いた。


 


振り抜かれた手の先で、

ヤヒロの顔が、横へ弾かれる。


 


ヤヒロ

「………………!」


 


おばさん

「……村のみんなは……

あんたを頼りにしてるんだよ……」


 


一歩、にじり寄る。


 


おばさん

「……しっかりしな」

「今、あんたが崩れたら――終わりだ」


 


「みんなを……誘導して……守っておくれ……」


 


震える声で、それでも言い切る。


 


ヤヒロ

「…………………………」


 


握りしめた拳が、わずかに震える。


 


ヤヒロ

「……わかった」


 


グッ――


 


歯を食いしばり、涙を押し殺す。


 


――――


 


その背後で。


 


テュエル

「……レイラ様」


 


そっと、背に手を添える。

震えを確かめるように、指先が静かに背をなぞった。


 


「気を、しっかりなさってください」


 


低く、落ち着いた声。

揺らぎを包み込むように、ほんのわずかに身を寄せる。


 


「……ボクがいます」


 


一瞬だけ、間。


 


「ですから――安心して、任せてください^^」


 


そのまま、静かに手を離す。

視線はすでに、落下地点へと向けられていた。


 


リア

「レイラ!!

しっかりして!!」


 


レオ

「リアっち!

危ない!!」



ロイロ

「あと何個、岩が来るんだ!!

どっから飛ばしてやがる!!」


 


(……でかすぎる)

(あんなもん、投石機で飛ばすサイズじゃねぇ……)


 


隣に、静かに並ぶ。


 


テュエル

「……七合目です……」


 


視線は、山の中腹――一点に固定されている。


 


テュエル

「通常の規格では、ありません」

「……ボクが、そう設計しましたから」


 


ナイル

「いやいや……これ、戦争の道具じゃなくない?♡

 ――災害だよね?」


 


テュエル

「……ええ」


 


一拍、置く。


 


テュエル

「使い捨ての、災害兵器です」


 


ナイル

「うわぁ……」


 


テュエル

「レイラ様も……存在自体はご存知でしょう」


 


わずかに、視線だけを落とす。


 


テュエル

「ですが、この規模と用途までは……

 想定されていなかったはずです」


 


「ボクとの契約が反故になった場合の保険として……

あいつらは、七合目を削り、投石機の陣地を造りました……」


 


「ただの設置ではありません。

上へ撃ち上げるために、角度まで計算された“砲台”です」


 


ギリッ――


 


奥歯を噛み締める音が、わずかに漏れる。


 


テュエル

「まさか……本当に仕掛けてくるとは……」


 


テュエル

「……狙いは、リュウコではない」


 


「八合目より上に岩を乗せ、

そこから“落とす”つもりです」


 


「一度流れれば、岩は他を巻き込み……

山全体が、崩れる」


 


「双国そのものを、潰す気ですよ」


 


一瞬、空気が凍りつく。


 


テュエル

「このまま崖に落ちれば……

下の層に、甚大な被害が出ます……」


 


テュエル

「設置方向は東のみ……

つまり、逃げ場も限定される」


 


「……回避するしかありません」


 


ロイロ

(大岩を止めて……

村人も守って……

しかも、崖に落とさねぇ……?)


「……無理難題、押し付けてくれるじゃねぇですか……!!」


 


シュシャ

「凱帝国め……!!

なんと卑劣な!!」


 


大剣を、ドンッ――と地に突き立てる。


 


シュシャ

「この大岩!!

この剣で――叩き斬ってくれる!!!」


 


ナイル

「中央はシアン君!――ボクとで“芯”を取る!」


 


ナイル

「ロイロ!シュシャ君!テュエル君!」


「外周、三点で受けて!!」


 


ナイル

「レオ君、導線から、みんなを逃がして!!」


 


レオ

「まかせろ!」


 


ナイル

「――行くよ!!」


 


次の瞬間――


 


ナイルとシアンが、中心へ滑り込む。

軸を取るように、一直線。


 


同時に――

ロイロ、シュシャ、テュエルが外へ散開。


 


三方向に展開し、落下地点を抑える。


 


 中央――シアン&ナイル

 外周――ロイロ、シュシャ、テュエル



 言葉を交わすまでもなく――

それぞれが、自分の役割を取る。


 


気づけば、陣形は完成していた。




シュン

「……ッ!!

俺は、怪我人の手当てをする!!」


 


リア

「みんな!!

私たちの方へ集まって!!」


 


村人たちは、一瞬ためらう。


 


互いに顔を見合わせる。

誰も、動けない。


 


そのとき――


 


ヤヒロ

「みんな!!

この姉ちゃんの言う通りにしろ!!」


 


一歩、前へ出る。


 


ヤヒロ

「俺がついてる!!

姉ちゃんに続け!!!」


 


リア

「ヤヒロ……!」


 



その声に――

張り詰めていた空気が、わずかに緩む。


 


村人たちは、顔を見合わせ――

やがて、一斉に動き出した。


 


レオ

「リアっち!

 あいつらの近くが一番安全だ!!」


 

「落石には、気をつけろ!!」


 

 


村人たちを、陣形の中心へ。


 


シアン

「……!!!

来る!!」


 


シュシャ

「うぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 


振り上げた大剣が、空気ごと唸る。


 


落下してくる大岩へ――

真正面から、叩き込む。


 


――ガァンッ!!


 


砕く。だが、止めない。


 


崩れた岩の軌道を見切り、

流すように刃を滑らせ――


 


庭の池側へと、強引に逸らした。


 


 


砕けた大岩が、周囲へ降り注ぐ。


 


鳥居にいくつかが直撃し、

軋む音を立てて、大きく揺れた。


 


 


別の投石が、テュエルの方へ――


 


テュエル

「……あの下衆がッ……」


 


一歩。


 


落下点へ、滑り込む。


 


振り上げるでもなく――

ただ、拳を添えるように構えた。


 


次の瞬間。


 


――ドンッ


 


音が、遅れて響く。


 


接触した一点から、

大岩が内側から弾け飛ぶ。


 


衝撃は逃がされ、

破片は、周囲へ散らない。


 


まるで“壊された”のではなく――

“解体された”かのように。


 


ロイロ

「……チッ」


 


視線だけで、軌道を読む。


 


迫る大岩へ――

踏み込み、一閃。


 


――ドゴッ!!


 


槍の穂先が、芯を穿つ。


 


次の瞬間――

大岩は内側から崩れ、粉砕された。


 


ロイロ

「……余裕だな」


 


すでに次の空を見ている。


 


ナイル

「来るよ、シアン君!」


 


シアンはすでに、大弓を構えている。


 


視線は、岩の一点へ。


 


――放つ。


 


ヒュンッ――!!


 


矢が、正確に“脆い箇所”を射抜く。


 


続けざまに、二射、三射。


 


穿たれた箇所から、亀裂が走り――

大岩が、細かく崩れ始める。


 


だが――


 


崩れた破片の一部が、

城へと流れる軌道に入る。


 


シアン

「……ッ!」


 


わずかに、目を見開く。


 


シアン

「……ロイロ……!」


 


ロイロ

「――見えてる」


 


すでに、構えている。


 


自分の持ち場から動かず――

その軌道だけを、捉える。


 


ロイロ

「任せろ」


 


――ガァンッ!!


 


流れてきた破片を、

正確に弾き飛ばす。


 


城へ向かう軌道だけを、

切り取るように。


 


ロイロ

「……次も来るぞ」




ナイル

「……ほんと、趣味が悪い…」


 


軽く笑うが、目は笑っていない。


 


ナイル

「こんなやり方で――

人を潰すなんてさ」


 


崩れてきた破片を、一瞥。


 


間合いに入った瞬間――動く。


 


釵を翻し、


 


――カンッ、カンッ!!


 


的確に弾き、軌道を逸らす。


 


さらに――


 


指先が、わずかに跳ねる。


 


ヒュッ――!!


 


放たれた暗器が、

死角から落ちる一片を正確に撃ち抜く。


 


ナイル

「……非道だよ」


 


落ちてくる最後の欠片を、蹴りで外へ流す。


 


ナイル

「こういうのは、嫌いだね」


 


――次々に降っていた岩が。




……ふっ、と。


 



ぴたりと、止んだ。


 


 


ついさっきまでの轟音が嘘のように、

空気が――静まり返る。


 


 


ヤヒロ

「………………終わった……のか……?」


 


村人

「……収った……!!」


 


村人

「すげぇ!!

命の恩人だ!!」



張り詰めていた空気が、わずかに緩む。

それぞれが、構えをほんの少しだけ解いた。



だが――

視線だけは、まだ空から外さない。


 


ロイロ

「……なんとか……凌げた、か……」


 


ナイル

「はぁ……心臓に悪いよ……」


 


シュシャ

「全くだ!!凱帝国……

 いや、ソンゴル……絶対に許さん!!」


  


テュエル

(……これで、終わりか……?)


 


視線は、空から外さない。


 


テュエル

(……いや)


 


わずかに、目を細める。


 


テュエル

(あと一つ……あったはずだ)



 ――――――――――――――――


 


ざわめきが、頭の奥にまとわりつく。


 


……うるさい。


 


頭の奥で、反響する。


 


【……イラ……】


 


……なに……?


 


 


……呼ばれている?


 


 


【ドゴォォン】


 


 


遠くで、何かが壊れる音。


 


……うるさい。


 


 


遠くで、誰かの叫び声。


 


 


【うぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!】


 


 


……うるさい……!!


 


 


雑音が、入り込んでくる。


 


 


……静かにして。


 


今――

それどころじゃない。


 


 


命を。


 


人の想いを。


 


踏みにじって――


 


 


許せない。


 


抑えられない。


 


 


許せない……!!!


 


 


【レイラ……!!】


【レイラーーーー!!】


【レイラ様ぁぁーー!!!!】


 


 ――声が、はっきりと形を持つ。


 

――――――――――

 


歓声が、広がりかける。


 


村人たちの安堵の声が、場を満たす。


 


その中で――


 


ナイル

「……っ」


 


わずかに、眉を寄せる。


 


ナイル

「……今の……」


 


 


一瞬、聞き逃しかけた。


 


 


ナイル

「――待って」


 

 


顔を上げる。


 



シアン

「レイラ!!!!」


 


リア

「レイラーーーー!!!!!」


 


テュエル

「レイラ様ぁぁーー!!!!」


 


その瞬間。


 


今までで、一番大きな大岩が――

レイラを狙って、飛んでいた。



 


テュエルが、全速力で駆ける。


 


――遅い。


 


テュエル

「くっ……!!

レイラ様!!

お逃げください!!」


 


 ――間に合わない。


 



視界が、ゆっくりと流れる。


 


切り取られるように――

一人ずつ、映っていく。


 


 


シュンが、必死に怪我人を手当てしている。


 


レオと、ヤヒロが――

民を庇うように立っている。


 


 


その中で、リアが、こちらを見ている。


 


顔が――青い。


 


 


ロイロ。

ナイル。

シュシャ。

シアン。


 


 


そして――


 


テュエル。


 


 


……どうして。


 


 


そんな顔を、している?


 


 


 


時間が――


 


 


引き延ばされる。


 


 


――ゆっくりと。


 


 


……気持ちいい。


 


 


――ほどける。


 


 


抑え込んでいたものが、


 


内側から、一気に解き放たれていく。




 


ゴォォォォォォォォォォォォォ――――!!!






空気が、裂けた。


 


背後から噴き上がる妖気が、空間そのものを歪ませる。



九本。



光を帯びた尾が、うねる。

――空間を、引き裂く。



 

瞳が、細く裂ける。




縦に。


 


獣のそれへと。


 


青白い光が、静かに――

だが、際限なく溢れ出す。


 


同時に。



 

ひやりとした冷気が、空気に滲む。



 


触れたわけでもないのに、

肌を撫でるような冷たさが、そっと広がる。



 


足元に、白い霧が淡く漂う。


 

 


――レイラの輪郭が、崩れる。



 


人の形を保ったまま、

“別のもの”へと、塗り替えられていく。




 ――九尾。



レオ

「…………ッ」



脳裏に、一瞬だけよぎる。


 

あの時――未来視で見た“白い影”。


 

九つの尾。

冷たい気配。



(……あれは……“これ”だったのか……)


 


視線が、目の前のレイラへ戻る。


 

 


レイラは、迫り来る大岩へ――


 


 


手を、伸ばす。


 


 



――放つ。


 


 


空気を裂きながら、一直線に――

迫り来る大岩へ。


 

 


パキン――――


 


 


音は、小さい。


 


 


だが。


 



その一瞬で、


 



世界が、凍りついた。


 



 


大岩が、空中で停止する。


 


 


凍結。


 


 


レイラは、両手を捻る。


 



ゆっくりと。


 



まるで――

固く閉ざされた瓶の蓋を、開けるように。


 


 


――ミシッ


 


 


次の瞬間。


 



 


凍りついた巨岩が、


 



 


音もなく――崩壊した。


 


 


 


砕けた破片は、雪のように舞う。


 


 


重さも、質量も、


 


 


すべて失ったかのように。


 



――ふわり


 



地を蹴った。



 


軽やかに、しかし高く――

レイラの身体が宙を舞う。



  


そのまま、


 



壁の上へと、降り立つ。



 


視線の先。


 

 


馬に乗り逃げる三つの影。


 



凱帝国兵。


 


レイラ

「……逃すものか……」


 


声は、低い。


 



――感情は、ない。


 



手のひらが、ゆっくりと上を向く。




――凝る。


 


冷気が、一点に集束する。



 


瞬きの間に――

鋭く尖った氷柱が、形を成した。


 

 


指先が、わずかに動く。


 


ヒュン――


 



放たれた氷柱が、


 

 


空気を、裂く。



 


――速い。



 


認識するより先に、





貫く。


 


 

胸を穿ち、


 



その瞬間、凍結。


 

 


馬は止まらない。


 



主を失ったまま、走り続ける。


 



凍りついた兵士の身体が――


 



振り落とされる。

 


 


崖下へ。




次の瞬間。


 

 


――砕けた。


 


氷も。




肉体も。


  



粉々に。



 


散った。


 

 


「……………………………………」





あまりの光景に、誰一人として言葉を発することができない。


 


村人

「……九尾……様……」


 


 


ヤヒロ

「……本当に……いたんだ……」

「九尾の……狐……」



その瞬間――



レイラ

「…うっ………………!!!!!」



怒りと焦燥が、限界を越える。


抑えていた妖力が、一気に溢れ出した。


九尾の力と、雪女の力――本来、同時に解放してはならない二つが、体内で衝突する。


 


頭の奥が、軋む。


視界が歪み、耳鳴りが心臓の鼓動に重なる。


呼吸が浅くなり、血の巡りが乱れる。


血管が、内側から引き裂かれていくような感覚。


 


レイラ

「………っ…!!」

 


喉が、震えた。



――ごふっ。



喉から血が溢れ、口元を濡らす。


世界が、反転する。


上下の感覚が、失われていく。


 


立っているのか、落ちているのか――

それすら、分からない。


 


テュエル

「レイラ様ッ!!!!」


 


声は、もう遠い。

胸の奥で、鼓動だけが大きく、鈍く響いていた。


 


……やりすぎた。


 


その思考を最後に、

レイラの意識は闇へと沈み、

力を失った身体が、壁からゆっくりと崩れ落ちる。


 


――その落下を、

強い腕が、確かに受け止めた。


 


視界が、わずかに揺れて――

冷たい風の中に、確かな温もりが重なる。


 


テュエル

「レイラ様……!

 レイラ様……!!」





ヤヒロ

「……レイ……ラ……様……」


一瞬、言葉を噛みしめるように止まり――


「…っ…姫さま……!!」


 


次の瞬間、我に返ったように、レイラの元へと駆け出す。


 


そのとき――


 


ギギギギギギ……!!


 


不安定になっていた鳥居が、軋む音を立てる。

先ほどの大岩の衝撃で、支えを失っていた。


 


その鳥居が――ヤヒロへと、倒れ込む。


 


リア

「ヤヒロ!!

危ない!!」


 



リアが、とっさにヤヒロを突き飛ばす。



 


ロイロ

「リア!!!!」


 


――ドシィィン!!!


 


砂埃が、舞い上がる。


 


鳥居の柱が――

勢いのまま、リアを押し潰した。


 


リア

「ッ……!!!!」


 


ロイロ

「リアーーーッ!!!!」


 


ナイル

「リアちゃん!!!」


 


シュシャ

「リア様!!!」


 


シアン

「リア!!!」


 


レオ

「リアっち!!!」


 


 


――――――――――――――――――――――



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