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デウス・エクス・マギア ~模写魔法の発動条件がTS(性別逆転)だったので隠れて使います~  作者: 星乃 緋咲
1章 森の少女と黒い万年筆編

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2 異世界は森に行くと大体美少女が倒れてる


 今、僕より頭一つ分ほど大きな銀髪ツインテールのゴスロリ人形が倒れている。


 びっくりした……。捨てるならせめて見えないところに捨ててくれよ。マジで死体かと思ったじゃん。こういうのって買った店で引き取ってくれたりしないのか?


 それにしても、ずいぶんリアルな人形だな。


 「……ぅ……」


 かすかな声が聞こえ、思わず足を止める。


 「え……?」


 音声ボイス付き……なわけないよな。


 恐る恐る手首に触れると、指先へ一定の鼓動が伝わってきた。


 「生きてる!?」


 僕は慌てて少女の肩を軽く揺すり、耳元で声を張り上げる。


 「大丈夫ですかー! 大丈夫ですかー!」


 返事はない。


 えっと……次は何だっけ。


 そうだ、人を呼ぶんだ。


 「誰か来てくださーい! 誰かー!」


 声が森中へ響き渡る。


 すると、静まり返っていた森が一斉にざわめいた。


 茂みが揺れ、草を踏みしめる音がこちらへ近づいてくる。


 やがて木々の隙間から、犬のような顔をした二足歩行の魔物がひょこっと姿を現した。


 僕と目が合う。


 「すみません、人を呼んできてもらえますか?」


 魔物は一度だけ首を傾げると、森の奥へ駆けていった。


 ……言葉、通じた?


 まあいいや。


 次は確か心臓マッサージだったはず。


 ※脈がある人に心臓マッサージをしてはいけません。


 大きく茂みが揺れる。


 振り向くと、先ほどの魔物が戻ってきていた。


 しかも一匹ではない。


 後ろから次々と同じ魔物が現れ、あっという間に十匹近い集団になる。


 全員が僕を見つめ、低く唸り声を上げた。


 「……いや、誰が仲間を呼べって言ったんだよ! 人を呼べって言ったんだよ!」


 返事の代わりに、コボルトたちは一斉に飛びかかってきた。



 数分後。


 「……はぁ」


 辺りには倒れたコボルトだけが転がっていた。


 とりあえず全部倒した。


 僕は少女へ視線を戻す。


 まあ、こういう時は魔力でも流せば何とかなるだろ。


 異世界だし。


 少女へ大量の魔力を流し込むと、閉じていた瞳がゆっくりと開いた。


 「……ミズ……」


 「水ね」


 水を飲ませると、少女は少しだけ表情を和らげる。


 「君が……助けてくれたの?」


 「ん? うん」


 「ありがとう……」


 「何があったんですか?」


 「…………覚えてない」


 ……これ絶対面倒事に巻き込まれるやつだ。


 帰ろ。


 「大変ですね。それじゃあ、僕はこの辺で」


 「……まって」


 小さな声が背中へ届く。


 「お礼がしたい」


 「いや、お礼はいりません」


 逃げるように歩き出す。


 「じゃあ、さようなら。お大事に」


 「……まって。何でもする」


 その一言で足が止まった。


 「え、何でも?」


 「うん」


 「……何でも?」


 「なんでも」


 何でもしてくれるなら何でもしてもらわないとな。


 「じゃあ、魔導書とか持ってない?」


 「魔導書が欲しいの?」


 「うん」


 「わかった」


 「え、持ってるの?」


 「うん。たくさんある」


 「ほんとに?」


 そういえば、名前を聞いてなかった。


 「君、名前は?」


 「私、マキナ。君は?」


 ロボットみたいな名前だな。


 「僕はニア。よろしく」


 「よろしく」


 こうして僕たちは、翌日の同じ時間にここで会う約束を交わし、それぞれ家へ帰った。




読んでいただきありがとうございます。

なんでもいいので感想、評価をいただけたら嬉しいです!


私は異世界転生をしたいです!

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