14 壁はぶち破るもの
洞窟の奥、鉄格子で仕切られた狭い空間でリタは目を覚ました。
「う……」
ここ、どこ……?
確か……助けを呼んできたって、みんなに伝えようとして……。
周りを見渡すと、暗闇の中にほかの人たちが眠っていた。
「お父さん?お父さん起きて!みんな、起きて!」
いくら起こそうとしても意識は戻らない。
周りをもう一度見渡し、起こそうとした手を、ゆっくりと引く。
ごめんなさい、お兄ちゃん……
その時、洞窟の奥で微かな光が揺れた。
……ん?
恐る恐る足を進めると、大きく開けた空間だった。
その中心、幾重にも重なった魔法陣の中に、村の女性たちが折り重なるように倒れ込んでいて誰ひとりとして意識がない。そして、細い光の流れが一人一人から立ち上がり魔法陣の中心へと吸い寄せられている。
なにこれ……早く助けないと。
魔法陣を見つめたまま、短く息を吸った。最も近くに倒れている女性の腕に、そっと手を伸ばす。
触れた瞬間、光がわずかに脈打った。
一瞬ためらったが、歯を食いしばり力を込めた。
身体を魔法陣の外へと引きずり出す。
境界を越えた途端、その人から立ち上がっていた細い光がすっと消えた。
よし……
息を整える合間もなく、次へ向かう。
そして、次に触れた時リタは動きを止めた。
この人……
「お前なにしてる」
背後から低い声が響いた。
「なぜ動ける?」
リタは後ずさる。
「知らない」
「お前は本当に余計なことばかり……生かしておいた俺が馬鹿だった」
婆さんは掌を突き出し、集まった魔力が低く唸る。
「じゃあな、小便くせぇガキ」
放たれるその瞬間。洞窟の壁が轟音とともに砕け散った。
「な……!」
舞い上がる土煙の中から、ゆっくりと人影が歩み出てくる。
「誰がおしっこくさいだって?陰口言うぐらいならお風呂ぐらい用意しろ」
「は⁉」
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次回、TS模写魔法発動!




