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第43話 観測ログ

上昇が止まる。


体が軽く揺れる。


床が戻る。


俺たちは円の中心に立っていた。


塔の上層。


だが。


ここはもう、


普通の建物じゃない。


壁が光っている。


赤い線。


白い線。


無数のログが流れている。


クロウが言う。


「……残ってたか」


俺は周囲を見る。


「何だここは」


エリシアが答える。


「観測室」


少し間。


「この世界の記録」


俺は壁に近づく。


ログが流れている。


読める。


だが。


早すぎる。


一瞬だけ、


文字が止まる。


俺はそれを見る。


WORLD LOOP 1027

STATUS: 継続

ERROR: 異常個体


俺は呟く。


「……俺か」


クロウが笑う。


「有名人だな」


エリシアがログを見る。


少しだけ顔が変わる。


「……更新されてる」


俺は聞く。


「何が」


エリシアが言う。


「観測」


クロウが言う。


「外が見てる」


俺は壁を見る。


ログが流れる。


ループ。


崩壊。


再構成。


全部、


記録されている。


俺は言う。


「……全部」


クロウが頷く。


「全部だ」


エリシアが指をさす。


別のログ。


表示が違う。


白い。


LOOP VARIATION

SUBJECT: A-KA


俺は目を細める。


「……何だ」


エリシアが言う。


「分岐」


クロウが笑う。


「いいね」


ログが切り替わる。


画面の中。


王都。


だが。


違う。


俺がいる。


別の俺。


剣を持っている。


そして。


城門の前で、


死んでいる。


俺は止まる。


クロウが言う。


「別ルートだ」


エリシアが小さく言う。


「……消えた世界」


ログがまた変わる。


別の映像。


俺が、


王都を離れている。


そして。


森の中で、


消えている。


クロウが言う。


「これも失敗」


俺は言う。


「……全部」


クロウが笑う。


「全部じゃない」


エリシアが言う。


「これ」


ログの一つ。


表示が違う。


赤。


ERROR

ERROR

ERROR


俺は聞く。


「何だ」


エリシアが言う。


「観測不能」


クロウが笑う。


「なるほど」


俺は聞く。


「何が」


クロウが言う。


「お前だ」


沈黙。


ログが流れる。


画面の中。


今の俺。


塔の上。


そのまま映っている。


俺は言う。


「……見られてる」


エリシアが頷く。


「ずっと」


クロウが言う。


「外がな」


その瞬間。


ログが止まる。


全部の画面が、


同時に止まる。


エリシアが言う。


「……来る」


俺は剣を握る。


クロウが笑う。


「観測者か」


壁のログが崩れる。


文字が変わる。


NEW ENTRY


俺は呟く。


「……何だ」


画面に、


一行だけ出る。


OBSERVER CONNECTED


沈黙。


クロウが言う。


「ついに来たな」


俺は画面を見る。


そして。


もう一行。


SUBJECT A-KA

DIRECT OBSERVATION


俺は小さく言う。


「……俺か」


エリシアが言う。


「うん」


クロウが笑う。


「いいね」


塔の外。


赤い空が揺れる。


観測が、


始まる。

第43話でした。


これまで断片的に語られてきた「観測」が、

ここで少しだけ具体的になりました。


世界はただ壊れているのではなく、

誰かに観測されています。


そして最後に表示されたログ。


OBSERVER CONNECTED


これは、

物語が次の段階に入る合図になります。


次回、

初めて“観測者”と接触することになります。

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