第21話 世界を殴る
赤い光の中へ、
俺とクロウは跳んだ。
空気が消える。
重力が消える。
ログの海。
赤い文字。
無数の履歴。
世界の管理者が目の前にある。
巨大。
都市より大きい。
ログの塊。
クロウが笑う。
「近くで見ると」
少し間。
「気持ち悪いな」
俺は言う。
「同感だ」
管理者の声が響く。
「異常個体」
空間が震える。
「削除」
ログが動く。
無数の赤い線。
空中に陣が現れる。
削除ログ。
クロウが言う。
「来るぞ」
光が走る。
空間が削れる。
俺は横へ跳ぶ。
ログが通過する。
その後ろの空間が、
消えた。
完全に。
クロウが指を振る。
「だから言ったろ」
ログが歪む。
一部が消える。
管理者が止まる。
「……干渉」
クロウが笑う。
「ログ外だからな」
俺は剣を握る。
「お前」
クロウを見る。
「何回戦った」
クロウは少し考える。
「覚えてない」
そして言う。
「でも」
管理者を見る。
「一人じゃ勝てない」
俺は言う。
「だろうな」
クロウが笑う。
「だからお前を待ってた」
その瞬間。
管理者が動く。
空間が裂ける。
巨大な腕のようなログ。
俺に向かって落ちる。
俺は剣を振る。
一閃。
ログが裂ける。
だが再生する。
クロウが指を鳴らす。
ログが一瞬止まる。
「今だ」
俺は走る。
管理者の中心。
赤い核。
世界の処理装置。
俺は剣を振り上げる。
管理者が言う。
「無意味」
ログが集まる。
俺を囲む。
削除ログ。
クロウが言う。
「アーカ!」
俺は笑う。
「知ってる」
剣を振る。
赤い核へ。
その瞬間。
世界が止まった。
管理者の声。
「……確認」
少し間。
「二つの異常」
俺とクロウを見る。
そして言う。
「同時存在」
エリシアの声が響く。
遠くから。
「それ」
少し笑う。
「世界のバグだよ」
管理者のログが乱れる。
ERROR
ERROR
ERROR
クロウが笑う。
「見ろ」
俺を見る。
「壊れ始めた」
管理者の体に、
ヒビが入る。
ログが崩れる。
世界の処理が止まる。
俺は言う。
「……いけるな」
クロウが答える。
「やっとだ」
その瞬間。
管理者の中心が、
ゆっくり開いた。
中に、
別の光がある。
クロウが呟く。
「……ああ」
俺は聞く。
「何だ」
クロウは笑う。
「それ」
少し間。
「世界の心臓だ」
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