第20話 管理者の本体
空が割れる。
赤い裂け目が、
王都の空を縦に切り裂いた。
光が溢れる。
管理ログが流れる。
DELETE PROCESS
RESTART
管理者が二人、
空を見上げている。
そして同時に言った。
「接続完了」
その瞬間。
裂け目の奥から、
巨大な影が現れた。
人の形ではない。
光の塊。
無数のログが絡みつく。
都市より大きい。
エリシアが呟く。
「……本体」
俺は目を細める。
「でかいな」
クロウが笑う。
「久しぶりだ」
空の存在が動く。
ログが降る。
無数。
赤い文字。
SYSTEM AUTHORITY
CONNECTED
その瞬間。
王都の時間が止まった。
人々が固まる。
瓦礫が空中で止まる。
ログイーターも止まる。
俺は動ける。
クロウも動く。
エリシアも。
管理者も。
俺は言う。
「……権限か」
エリシアが頷く。
「管理層」
空の存在が声を出す。
低い声。
街全体に響く。
「異常ログ」
少し間。
「確認」
赤い光が俺を照らす。
文字が流れる。
ARCHA MEMORIA
LOOP RECORD
1027
声が言う。
「異常」
次に。
クロウを見る。
CROW
LOOP RECORD
UNKNOWN
声が少し止まる。
「……記録なし」
クロウが笑う。
「当然だ」
空の存在が言う。
「削除対象」
俺とクロウを同時に見る。
DELETE TARGET
その瞬間。
王都の空間が歪む。
削除ログ。
エリシアが言う。
「都市ごと消す」
俺は剣を握る。
クロウが笑う。
「派手だな」
俺は聞く。
「どうする」
クロウが空を見る。
巨大な存在。
世界の管理者。
そして言う。
「簡単だ」
指を上げる。
空のログを見上げる。
「壊す」
エリシアが言う。
「無理」
クロウが笑う。
「無理じゃない」
俺を見る。
「二人なら」
俺は聞く。
「なぜ」
クロウが答える。
「お前」
少し間。
「俺だから」
空の存在が言う。
「削除開始」
赤い光が広がる。
王都が消え始める。
建物。
道路。
空気。
ログ削除。
エリシアが叫ぶ。
「あと三十秒!」
クロウが言う。
「十分だ」
俺は剣を構える。
クロウも。
二人で空を見る。
世界の管理者。
巨大な存在。
クロウが笑う。
「やっとだな」
俺は言う。
「何が」
クロウが答える。
「世界を殴れる」
赤い光が爆発する。
削除ログが降る。
王都が消える。
その瞬間。
俺とクロウは、
同時に跳んだ。
世界の管理者へ。
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