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第2話


光に包まれて意識を失った俺が目を開けるとそこには鬱蒼と繁った森が広がっていた。


「どこだここ……てかその前になんじゃこりゃ!」


俺は自分の服装を見てつい声を荒げてしまった。そこには太ももまで届くような漆黒のマントが見えたからだ。そして足元には1つの手紙が落ちていた。


拾って見てみるとそこにはやけに丸っこい文字で『好きなんでしょ?♪』とかかれていた。問答無用で破り捨てた。


「無性に殴りたくなったぜ……!」


次に会ったときからは敬うのを辞めようと心に誓った。とりあえず、森から出ないと話にならんので適当に歩き始めた。


「折角だし『魔力操作』を使ってみるか……」


俺は祝福の1つである魔力操作を使ってみることにした。使い方は簡単で、自分が好きなように思い浮かべるだけでその形になるという代物だ。


「これ便利だなぁ」


呑気にそんなことを思っていると森の奥から悲鳴が聞こえてきた。何事かと思い声のした方向へ向かう。


するとそこにはボロボロの服を来た女性を囲むように複数人の男たちがいた。そいつらは幸いなことに俺には気づいていないようだ。


「この女……!俺たちから逃げようたってそうはいかねぇぞ!」


リーダー格らしい男がそう言いながら女の人に近づいていく。


「やめて!来ないで……!」

「そんな抵抗したって無駄だよ!この辺りを通る奴なんてそうそう居ねぇしな」


か弱い声で女の人が抵抗するがそんなことはお構いなしに男が近づいていく。その光景を見て俺は無意識に『魔力操作』を発動させて()を握り、流れるようにリーダー格の男に狙いを定めて引き金を引いた。


込められた魔力はイメージした通りに弾丸の形をして飛んでいきその男の頭部を爆発させた。

突然のことで理解の追いつかない彼らを尻目に俺は堂々と声を上げる。


「お前らここで何をしてるんだ?」


さっきまで抵抗をしていた女の人の前に立ってそう言うと男たちは次々と武器を抜いた。リーダー格の男は倒されているもののその動きは手慣れているようだ。


「その女をこっち渡してもらおうか!!」

「お前らとはどういう関係なんだ?」

「そいつは俺らのところから逃げ出した奴隷だよ」


それを聞いて後ろを一瞥したがその女の人の反応は恐怖のあまりに震えているようだった。


「……ほう?嘘はいかんよ」

「ちっ!野郎共やっちまうぞ!」


交渉(あれが交渉かはさておいて)で渡してもらうことを諦めた男たちは俺に攻撃を仕掛けてきた。まず近くにいた奴は手にした剣を振りかざして俺を切りつけてきた。


その攻撃を『魔力操作』で作り上げたナイフで外側に弾く。そしてそのままがら空きの胴体に前蹴りを打ち込んだ。するとそいつは木々を巻き込みながら5メートルぐらい吹き飛んでいった。


「それで次は?」


俺が動き出そうとした男たちに目を向けると一気に後ろを向いて走り出した。すぐさま銃を作り出し逃げる男たちを追撃するが上手く射界がとれないせいで2人ほど逃してしまった。


ひとまず追撃することをやめて襲われていた女の人に近寄った。その女の人をよく見てみると金髪の頭から狐のような耳が生えているのが分かった。


しかもまだ若く美少女と分類されるだろうその子はまさに理想的な体つきで出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいた。


「……助かったの?」

「多分な、大丈夫か?」


声をかけると立ち上がろうとしたが疲労が溜まっていたせいか足取りがおぼつかなくその場に倒れてしまいそうだった。


慌てて駆け寄り体を支えるとその少女は安心したのかそのまま気を失ってしまった。


「……これどうすりゃいいんだ」


そんな俺の呟きは鬱蒼と繁る森に吸い込まれていった。



「……んぅ」

「目が覚めたか?」

「……っ!!」


突然弾かれたように少女は俺から距離を取った。


「……私をどうするつもりですか?」

「別にどうもしない、ただ助けただけだしな」

「本当ですか?」


その少女は疑うような目で俺を見ているが気にすることなく俺は『魔力操作』の練習をしていた。


「助けていただきありがとうございました」


少女は頭を下げてお礼を言った。それと一緒に尻尾も揺れている。


「あーその……出来ればでいいんだけど街まで案内してもらえない?」

「街ですか?別に構いませんけど、どこから来たんですか?」


その質問にどう答えていいか分からず黙っていると何となく事情を察してくれた少女は話題を変えてくれた。


「私の名前は『アリシア』です。あなたの名前はなんですか?」

「俺の名前は……『ゼロ』だ」


一瞬本名を言おうか迷ったが女神様の仕事にちなんで『世界』を『無』にすることから『ゼロ』と名乗ることにした。


「ではゼロ様、街まで一緒に行きましょう」

「ちょっと待て、様付けはよしてくれ」

「そうはいきません。命を助けてくださったお方ですから」


突然のことに俺はただビックリするしかなかった。確かに日本ではそんな展開もいいなと思っていたが実際に言われてみると、どことなく恥ずかしい感じがする。


「……とにかく呼び方を変えてくれ」

「嫌です♪」

「満面の笑みで拒否!?」


つい素が出てしまいツッコミを入れた。


「それに……私はゼロ様に惹かれてしまったのですよ?」

「……ッ」


アリシアから直球ストレートが飛んできて息を飲んだ俺だが何とか動揺を隠せたと思いたい。


「……街まで行くぞ」

「では案内します♪」


言葉尻が弾んだアリシアに頭痛を覚えながらも俺はその後ろをついていくことになった。











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