第1話
初投稿です。楽しんでいただければ幸いです。
「おーい起きてー」
ふと聞こえた可愛らしい声に俺は意識を引かれて目を開いた。俺の視界に広がったのは幼げながらも色気を感じるような顔だった。
「……君は誰だ?」
「私は『豊穣の女神』アルテミスだよー」
そう名乗る彼女だったが残念なことに一部分はとても貧相……いや控えめだった。
「何か失礼なこと考えてたでしょー?」
「いえ?そんなことはないですよ?それよりも……ここはどこです?」
「ここは死後の世界だよ。幸か不幸か君は死んでしまったんだよ」
そう言われると確かにそうかもしれなかった。ふと思い出すと、ここに来る直前に暴走していたトラックが自分めがけて突っ込んできたような気がする。
「そそ、それでまぁ……死んじゃったんだよねー」
「そうなんですか……それで俺はこれからどうなるんですか?」
「それについて君に提案があるのだよー」
何故か自信満々に満面の笑みを浮かべてアルテミスは俺に指を指した。
「どっちかを選んでね?『このまま永遠の眠りにつく』か『私の頼み事を聞く』か」
どう考えても釣り合わないだろう選択肢を向けられて俺はすぐ疑問を挟んだ。
「頼み事って何です?」
「まぁそっちに気が向くよねー頼み事っていうのは簡単に言えば世界を破壊してほしいんだよー」
まるでおやつを買ってきてというような感じで世界を破壊しろと言われても。
「勿論ありがちだけど、祝福ぐらいはつけるよ?」
「いわゆるチートってやつか。それぐらいは分かる」
俺はそう言った小説をよく買って読んでいたから憧れもしていた。最もその当人になった途端に困惑はしたが。
「そういうわけでー君に祝福を送りますー」
「まだ了承してないんだが……」
そんな俺の呟きを聞いてか聞かずかアルテミスは空中に何かを浮かべてその中から複数を俺に投げつけた。咄嗟のことで反応できなかった俺に投げつけられた物が当たった。
「それが君に与えられた祝福だよ」
俺はその祝福を認識するために意識を集中させた。すると目の前に簡単なリストが現れた。そこに書いてあったのは
《祝福》
『魔力操作』
『破壊属性付与』
『回復量増加』
の3つだった。
「『破壊属性付与』っていうのは指定した物に属性をつけるものねー破壊属性っていうのは『壊せないものはない』っていことだから♪」
説明を受けてそんな能力をもらって本当にいいのだろうか?
「勿論その祝福を与えた分しっかり勤めは果たしてねー」
なるほどな……俺は女神様の代わりに仕事をするということか。
「分かった。では早速だがお願いしても大丈夫ですか?」
「りょーかいー♪では破壊の旅に行ってらっしゃいー」
そして俺の体が光に包まれ、視界が暗転した。
俺の居なくなる直前にアルテミスが何か言っていたような気がするが……気のせいだろう。




