表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園タロットカード  作者: チンピラゲーマー
45/50

45.始まる作戦

翌朝、理事長室。


「お呼びでしょうか、理事長」


剣術の教師、六王子 水斗と須賀 龍之介は理事長からの呼び出しを受けていた。


「私の耳に入ってきた情報だが、今日この学園で大きな戦いが始まるようなんだ」


「アルカナ戦争という事ですか?審判からは何も聞かされてませんが」


「いいや、アルカナ戦争ではない」


「つまり……個人間の争いって事ですか」


水斗は眉をひそめて答える。

理事長は席から立ち上がり、水斗達の方へと歩み寄る。


「そこで、だ。君達二人の力が必要になる時があるかもしれん。何せその戦いがいつ、どのようにして始まるかも分かっていない。……頼めるね?」


「分かりました。いつ来ても良いよう、警戒しておきます」



戦いの渦にまた二人、巻き込まれる事となる。

この学園内で、それぞれが準備を進めていた。


「パーシヴァルはまだ怪我で無理みたいだなァ」


「そのようだね、仕方が無いよ」


「よし行くぞ、お前ら」


愚者、天使、悪魔の3人が歩き出す。

彼らの向かう先は『教皇の間』だった。



窓の傍で仮眠していたクラウドが目を覚ます。

ムクロは既に起きていて、学園内の地図を眺めていた。


「オイ、お前寝てねえンじゃねェのか」


「大丈夫さ、心配には及ばん」


ゆっくりと立ち上がり、地図を持ってムクロは部屋を出た。

その表情は、決意を固めたものだった。


――――――――――――――――


学園のとある場所。

審判は静かにコーヒーを口にする。


「ところで月子。『彼』の準備は出来ているのかい?」


「ええ。六王寺と須賀の師匠にあたる男……『久家 久功(くげ ひさのり)』。随分と苦労したわ」


月子は指をぱちん、と鳴らす。

すると、その部屋が静かに開いた。

そこに居たのは、腰に二本剣を据えた男だった。


「月子、すまないね。君には負担が重すぎたかな?」


「…………誰に向かって言ってるのかしら」


月子は審判に鋭い視線を送る。


「……ははは」


――――――――――――――――


午前八時前。


「さて、これから局はどうなるだろうね」


黒崎はチェスの碁盤を眺めながら言う。

両隣に座っているのは北条、そして戦宮司。


キング(教皇)は動かない。それはクイーン(女教皇)も同じ事。…………ただ、ナイト(愚者)は動き出している」


黒崎は、黒色のナイトの駒を一つ前に出す。


「言っとくけど、今回だけよ。力を貸すのは」


「まあそう堅いこと言うなよ、いいじゃないか~戒斗に力を貸すぐらい」


「本当に不覚だわ」


不機嫌そうなアヤノを横目に、黒崎はゆっくりと立ち上がる。

そして壁に立てかかっている『武器』武器を手に取った。


「……さあ、『皇帝(エンペラー)』の初陣だ」


続いて北条と戦宮司も立ち上がる。

彼らもまた、愚者と目的は同じであった。


『この男を節制から守ること』


――――――――――――――――


「女教皇。現在の時点でどれくらいの勢力がいるんだろう?」


教皇は白い紙を広げ、左手にペンを持つ。


「まずは愚者派。彼らは今朝、シルヴァが動きを確認しているわ。次に、仮にだけれども黒崎の『皇帝』派。今回のメインターゲットよ」


教皇は紙の上に、愚者、皇帝という言葉を並べて書く。


(まさか彼が大アルカナに選ばれてしまうとは……本当にこちらの嫌な予感が当たりすぎて嫌になる)


「続いて、反対勢力は節制派。恐らく、外部勢力と合わせて百人は超えていると予想できるわ」


「百人……か。随分と厄介だねえ」


停学処分になるような、あの節制が選んだ百人。気は抜けない。

これは教皇も女教皇も同じ事だった。


「そうだ、」


教皇は何か言いかけて、そこで言葉を止める。

女教皇は不思議そうな顔をしたが、何かを察したかのように紅茶を口に含む。


「すまない。忘れてくれ」


教皇の頭の中にあったのは、隠者の事だった。

彼の姿を見かけていない事。

そして、彼が複数の人物と共に居た事。


彼の中には、一つの結論が導き出されていた。



(君はどんな形で()()()()()()()をしてくれるのかな?隠者)


その時、教皇の間のドアのノックが鳴った。


――――――――――――――――


「さぁ……ついに来たなァ!?この時がよォ!!」


屋上に、節制を含む四人の人間が居た。

緑髪の女、『魔術師』。


一度、愚者の前に現れた偽物の愚者。


そして、顔にピエロのようなメイクを施した男。


「行くぞお前ら……始まりだ!!」


四人はそれぞれ、別の場所へと歩み出す。

中でも魔術師は、グラウンドの方へと飛び降りてゆく。


節制は黒崎を探しに、偽愚者は愚者を、ピエロの男はヘイトコントロールを。




こうして、彼らの作戦は始まる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ