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学園タロットカード  作者: チンピラゲーマー
41/50

41.革命派 『レジスタンス』

この学園は皆優しい。

たとえそれが表面上のものであったとしても、構わないとさえ思ってしまう。


僕は学園に転校してきて良かったと思うよ。


同時に、僕は少し辛くもあるんだ。


愚者、君は僕に尋ねたね。


『お前の役職は何なんだ?』と。


それはまだ、誰にも言う訳にはいかない。


()()()』の尻尾を掴むまでは、絶対に。


――――――――――――


女教皇の間。


「……どうやら、節制は停学中に反社会的勢力の一部と繋がりを持ったらしいわ。彼がこの学園にその輩達を送り込んでくる事も、十分に考えられるわ」


女教皇は、真剣な面持ちで話す。

その相手は白髪の好青年、教皇だった。


「そうだねぇ…。困ったことになった、今僕の派閥でも騎士団長しか頼れないからなあ」


「隠者はどうしたの?」


「まあ色々と事情有りでね」


女教皇は何かを察したような表情をする。

いくら友好的な関係を築いているとは言え、他の派閥に言えない内部事情がある事を、彼女は知っているからだ。


「愚者派にもお願いはしてみたのだけれど」


「あの愚者にかい?やるねえ」


「本人はどう受け止めているのか分からないけれど…ね」


教皇はゆっくりと立ち上がる。


「最悪の場合は僕も出るさ。女教皇、君やシルヴァは?」


「もちろん、シルヴァには監視を頼んでいるわ。私も必要ならば戦うかもしれないわね」


「君の戦闘を見るのは久しぶりだよ。楽しみだ」


「まだ決まったわけじゃないわよ」


教皇は扉を開け、女教皇の間を出る。

女教皇は深くため息をついた。


「……さて。彼は一体どう動くかしら?」


彼女もまた、見えない未来を憂うのであった。


――――――――――――――――


そしてその男、節制は考えていた。

彼を含む四人。

それが今回の作戦の『駒』であった。


加えて、彼が圧倒的な力によって手に入れた数十人の『兵士』。


――――――――――――――――




翌日、昼休みに俺は屋上でコーヒーを飲んでいた。

この時間が一番落ち着くんだ。

ああ……平和、これが俺の追い求めていた学校生活。


戦いなんて馬鹿らしいじゃないか…。

青い空を見上げて、俺はそんな事を考える。


そして、少し思い返す。


『キミはどうして闘うんだい?』


天使からの言葉。


俺には確かに理由がある。


約束したんだ、あの子と。


特徴的な橙色の髪、優しい声。


忘れるはずがない。



「大きくなったら、こんな世界を変えよう!いっしょにね!」


あの子の声だ。

少し久しぶりに思い出した。


なんだか眠い。


少し…………寝るか。



――――――――――――――――


旧校舎の中。

そこでは、五人がそれぞれの暇つぶしをしていた。


「あーー!またオイラの負けだーーっ!強いなあ、『ロックベル』は」


ロックベルと呼ばれた屈強な大男は、静かに微笑んだ。

彼は無口であるという事を、緑色の髪の好青年、『フウ』はよく知っていた。


「ところで、()()()()はどこへ行ったんだい?」


フウの疑問に、シスターの恰好をした少女が答える。


「新しいメンバーのスカウトだと言ってましたわ。お忙しい方ですのね………」


「そうなのか~ありがとう『アイシャ』。次はどんな人が来るんだろう?」


その疑問に対しては、他のメンバーが答える。


「ワシは女だと聞いた」


答えたのは、男性ではなく女性だ。

昔の武将のように髪を結い、男勝りな話し方。

そして傍の壁に立てかけている刀。


「そうなのかい?『ノブナガ』。その子のどこを気に入ったのか気になるねえ」


それらは彼女の名前とまさにピッタリであろう。

ノブナガは静かに目を閉じる。


「ありゃ、もう集中モードに入っちゃったや」


「まあ仕方ないだろ。明後日に迫ってるんだからな」


部屋にいた、最後の一人の男が答える。

彼は複雑そうな電子機器を分解している所だった。


「それもそうだね、『オーム』。今回の任務は骨が折れそうだ」


彼らがそんな事を話していると、突如としてドアが開く。


そこに入って来たのは、『隠者の姿をした男』だった。

彼は真っ黒なローブを脱ぎ捨てた。


「お帰り、『()()()()』」


「ああ、ただいま」


後から続いて、桃色の髪をした女子生徒が入って来る。


彼女は他でもない。


かつての戦争で教皇派と対立していた、法皇派の一人。


そう、『執行人』の一人だった。


「紹介する。今日から俺達『革命派(レジスタンス)』の新メンバーになった」


自己紹介をするように、リーダーの男は促す。


「『イオリア』……です」


「今日からよろしく頼むぞ、イオリア。さて、これで後は二人を待つだけだ。それで俺達の準備は整う」


節制と魔術師。


女教皇と教皇。


そして、新たな第三勢力『革命派』。


それぞれの思惑は、学園の全てをも巻き込みかねない物となっていた。


少し前から登場していた『革命派』のメンバーですが、改めて詳しく説明します。


物語内の表現をもとに補足します。


『隠者の姿をした男』・・・リーダー。名前は明かされていない。

『緑色の髪をした好青年』・・・メンバー。名前は『フウ』。

『屈強な大男』・・・メンバー。名前は『ロックベル』。

『昔の武将のように髪を結っている女(一人称が「ワシ」)』・・・メンバー。名前は『ノブナガ』。

『電子機器を分解していた男』・・・メンバー。名前は『オーム』。


そして新メンバーである元法皇派、『イオリア』。


今回の中にもありましたが、メンバーはあと二人です。

登場をお楽しみに。

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