41.革命派 『レジスタンス』
この学園は皆優しい。
たとえそれが表面上のものであったとしても、構わないとさえ思ってしまう。
僕は学園に転校してきて良かったと思うよ。
同時に、僕は少し辛くもあるんだ。
愚者、君は僕に尋ねたね。
『お前の役職は何なんだ?』と。
それはまだ、誰にも言う訳にはいかない。
『あの男』の尻尾を掴むまでは、絶対に。
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女教皇の間。
「……どうやら、節制は停学中に反社会的勢力の一部と繋がりを持ったらしいわ。彼がこの学園にその輩達を送り込んでくる事も、十分に考えられるわ」
女教皇は、真剣な面持ちで話す。
その相手は白髪の好青年、教皇だった。
「そうだねぇ…。困ったことになった、今僕の派閥でも騎士団長しか頼れないからなあ」
「隠者はどうしたの?」
「まあ色々と事情有りでね」
女教皇は何かを察したような表情をする。
いくら友好的な関係を築いているとは言え、他の派閥に言えない内部事情がある事を、彼女は知っているからだ。
「愚者派にもお願いはしてみたのだけれど」
「あの愚者にかい?やるねえ」
「本人はどう受け止めているのか分からないけれど…ね」
教皇はゆっくりと立ち上がる。
「最悪の場合は僕も出るさ。女教皇、君やシルヴァは?」
「もちろん、シルヴァには監視を頼んでいるわ。私も必要ならば戦うかもしれないわね」
「君の戦闘を見るのは久しぶりだよ。楽しみだ」
「まだ決まったわけじゃないわよ」
教皇は扉を開け、女教皇の間を出る。
女教皇は深くため息をついた。
「……さて。彼は一体どう動くかしら?」
彼女もまた、見えない未来を憂うのであった。
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そしてその男、節制は考えていた。
彼を含む四人。
それが今回の作戦の『駒』であった。
加えて、彼が圧倒的な力によって手に入れた数十人の『兵士』。
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翌日、昼休みに俺は屋上でコーヒーを飲んでいた。
この時間が一番落ち着くんだ。
ああ……平和、これが俺の追い求めていた学校生活。
戦いなんて馬鹿らしいじゃないか…。
青い空を見上げて、俺はそんな事を考える。
そして、少し思い返す。
『キミはどうして闘うんだい?』
天使からの言葉。
俺には確かに理由がある。
約束したんだ、あの子と。
特徴的な橙色の髪、優しい声。
忘れるはずがない。
「大きくなったら、こんな世界を変えよう!いっしょにね!」
あの子の声だ。
少し久しぶりに思い出した。
なんだか眠い。
少し…………寝るか。
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旧校舎の中。
そこでは、五人がそれぞれの暇つぶしをしていた。
「あーー!またオイラの負けだーーっ!強いなあ、『ロックベル』は」
ロックベルと呼ばれた屈強な大男は、静かに微笑んだ。
彼は無口であるという事を、緑色の髪の好青年、『フウ』はよく知っていた。
「ところで、リーダーはどこへ行ったんだい?」
フウの疑問に、シスターの恰好をした少女が答える。
「新しいメンバーのスカウトだと言ってましたわ。お忙しい方ですのね………」
「そうなのか~ありがとう『アイシャ』。次はどんな人が来るんだろう?」
その疑問に対しては、他のメンバーが答える。
「ワシは女だと聞いた」
答えたのは、男性ではなく女性だ。
昔の武将のように髪を結い、男勝りな話し方。
そして傍の壁に立てかけている刀。
「そうなのかい?『ノブナガ』。その子のどこを気に入ったのか気になるねえ」
それらは彼女の名前とまさにピッタリであろう。
ノブナガは静かに目を閉じる。
「ありゃ、もう集中モードに入っちゃったや」
「まあ仕方ないだろ。明後日に迫ってるんだからな」
部屋にいた、最後の一人の男が答える。
彼は複雑そうな電子機器を分解している所だった。
「それもそうだね、『オーム』。今回の任務は骨が折れそうだ」
彼らがそんな事を話していると、突如としてドアが開く。
そこに入って来たのは、『隠者の姿をした男』だった。
彼は真っ黒なローブを脱ぎ捨てた。
「お帰り、『リーダー』」
「ああ、ただいま」
後から続いて、桃色の髪をした女子生徒が入って来る。
彼女は他でもない。
かつての戦争で教皇派と対立していた、法皇派の一人。
そう、『執行人』の一人だった。
「紹介する。今日から俺達『革命派』の新メンバーになった」
自己紹介をするように、リーダーの男は促す。
「『イオリア』……です」
「今日からよろしく頼むぞ、イオリア。さて、これで後は二人を待つだけだ。それで俺達の準備は整う」
節制と魔術師。
女教皇と教皇。
そして、新たな第三勢力『革命派』。
それぞれの思惑は、学園の全てをも巻き込みかねない物となっていた。
少し前から登場していた『革命派』のメンバーですが、改めて詳しく説明します。
物語内の表現をもとに補足します。
『隠者の姿をした男』・・・リーダー。名前は明かされていない。
『緑色の髪をした好青年』・・・メンバー。名前は『フウ』。
『屈強な大男』・・・メンバー。名前は『ロックベル』。
『昔の武将のように髪を結っている女(一人称が「ワシ」)』・・・メンバー。名前は『ノブナガ』。
『電子機器を分解していた男』・・・メンバー。名前は『オーム』。
そして新メンバーである元法皇派、『イオリア』。
今回の中にもありましたが、メンバーはあと二人です。
登場をお楽しみに。




