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学園タロットカード  作者: チンピラゲーマー
38/50

38.黒崎 戒斗

その晩、夢を見た。

こちらに手を振る二人の幼い男女。

それに向かって、自然と俺の身体が走り出す。


しかし、一向に彼らの元にたどり着くことが出来ない。

まるで前へ進めば進む程、道が伸びているような感覚だった。


二人は今にも歩き出そうとしていた。

待って!

その声は届くことは無かった。


そこで意識が覚醒する。


「………久しぶりに見たな。何なんだ?この夢は…」



―――――――――――――



女教皇によれば、今日にも転入生がやって来るらしい。

そして、彼女の悩みの種である『節制』の復学。


「また面倒事に巻き込まれたもんだ……」


クラスに居ても特別やる事は無い。

どうやら転入生の話は少しばかり噂になっているようだ。

いつも思うが、どこから情報を仕入れてるんだ?


何もない時間は過ぎていき、やがて教師が教室に入って来た。


「さて、君達も知っているかもしれませんが、転入生を紹介しますね。入って来て下さい」


ドアが開き、一人の男子が入って来る。


「皆さん、こんにちは。『黒崎 戒斗(くろさき かいと)』と言います、よろしくお願いします」


男の俺が言うのもアレはもしれんが、かなりイケメンだと思う。

それぐらいに彼は、クラスの女子の注目を集めていた。

騎士団長ほどの色ではないが、髪は少し赤みを帯びていて、おしゃれな感じだ。


「よろしく。俺はクラスリーダーの北条 悠馬、悠馬でいいよ」


コミュ力の塊、北条はすぐさま黒崎の元へ行く。

黒崎はにこりと微笑んだ。


「よろしくね。ただ、僕は人の名前は名字で呼ばせてもらってるんだ。ごめんね、北条君」


「そうだったのか、好きに呼んでくれていいよ」


「ああ。僕の事は戒斗と呼んでくれて構わない」


「んじゃ、よろしくな。戒斗!」


二人は握手を交わした。

何かのスポーツの試合が終わった後みたいだな。


「黒崎君は、この学校に来るのは今日が初めてなので、皆は案内してあげてくださいね」


ここは小学校か…………?


「それじゃあ黒崎君、あそこの空いている席に座ってください」


「分かりました」


教師が指さしたのは、天使の隣の席だった。


「よろしく、黒崎君」


「ああ、よろしくね」


あの二人は間違いなく、仲良くなれそうだ。

突如として眠気に襲われた俺は、ここで寝させてもらう事にした。


――――――――――――――――


「…………ろ!………!」


誰かの声が聞こえる。

俺は眠いんだがな……。


目を覚ますと、そこには北条と天使、それに黒崎が居た。


「やっと起きたかい?愚者。お疲れのところすまないが、今日の放課後時間はあるかい?」


「放課後?特に用はないが……まさか」


天使がにこりと笑う。

あっ、これ間違いない。


「案内するのに俺も着いて行けと?」


「正解さ、流石の勘の良さだね」


「…………まあいい。着いて行ってやるよ」


「手間を取らせてしまってすまないね」


どんだけいい人間なんだ、何故か罪悪感を感じてしまう。


「いや、いいんだ。気にするな」


俺は女教皇の言葉をふと思い出す。

この男を守れば良いんだったか?


…………いや、それよりも。

黒崎の役職はどうなってるんだ?


この学園にいる以上、何かしらの役職を持っている可能性は高い。


「黒崎、少しいいか?」


「構わないよ。どうしたんだい?」


俺は少し躊躇したが、聞いてみることにする。


「役職はもう貰ったのか?」


黒崎は少し間を置いて答える。


「…………ああ。貰ったね」



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