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学園タロットカード  作者: チンピラゲーマー
32/50

32.僕と俺

そして時は戻り、現在。


校舎の中では、法皇が着実に教皇を追い込んでいた。

しかし、現時点で教皇はそれに気付く余地すらない。


(私の気付いた事が本当に正しいならば、教皇に攻め込むチャンスはいくらでも作ることが出来る)


法皇は、右手に持っていた七支刀の先端を教皇の方へと向ける。


「そろそろ勝負をつけるとしよう」


法皇が話を切り出す。

教皇の顔には再び笑みが戻っていた。


「今の君には、僕を攻略する手段があるという事かい?」


「…………さあな」


法皇は、教皇目掛けて斬撃を飛ばす。

教皇はそれを、縄張り(テリトリー)でブロック。


そして、教皇は右足を勢いよく地面に叩きつける。

目に見えない空間が法皇を襲う。



だが、法皇はそれを切り裂いた。



「…………!?」


状況が読めない教皇。

もはやその顔に笑みは無かった。


「なぜ、という顔をしているな。………それもその筈だ」


法皇の気付き。

それは、教皇の弱点ともいえるものだった。


教皇の『縄張り』は、あくまで魔術を『無効化』する為のもの。

つまり、防御に特化したものなのだ。


法皇は、教皇からの攻撃を受けた時に感じた。


『この能力は、私の能力に相性が悪い』と。


所が、法皇の霊装には()()()()()がある。

だが、それに教皇が気づいた所で、最早教皇に勝ち目は無いようにも思われた。


なぜならば。


「…………そもそもお前は、私との勝負を選んだ時点で詰んでいるのだから」


法皇が突撃する。

絶体絶命のピンチにも関わらず、教皇は何もしようとしなかった。

正確に言えば、何も出来なかった。

彼はただ、唖然と立ち尽くしているだけだった。


(何故……何故だ?僕の縄張りに対抗する手段があの七支刀だと言うのならば……あれは一体何なんだ?学園の外のもの……まさか…………?)


時既に遅し。

教皇が正気を取り戻した時には、法皇は目の前に迫っていた。


「しまっ………!!」


「これで終わりだ」


七支刀が光に包まれる。

法皇はそれを握り締め、一気に教皇目掛けて振り下ろす。


「『聖なる十字架(グランド・クロス)』!!」


教皇の胸に、十字の大きな傷が入る。

血潮を避けるようにして、法皇は教皇の横を通り過ぎた。


「相手が悪かったな、教皇」


教皇は、血を吹き出しながらその場に倒れ込む。

薄れる意識の中で、彼は思った。


(………このまま……負け……ていいの……か?僕……が…負ける………?)


その時、教皇の頭の中に奇怪な情景が浮かび上がる。


真っ白な部屋に彼は居た。

そこには、自分以外にも二人の子供が立っている。


二人を、自分はどこかで見た事がある。

彼はそんな気がしてならなかった。


(何だ………これ……?)


教皇は、最初は走馬灯のようなものだと思っていた。

死を間近にした彼には、最早恐怖の二文字すら無かった。


だが、すぐに異変に気がつく。

突然辺りが真っ赤に染まり、前が見えなくなる。

それはまるで、教皇の血潮のような鮮血の色。


突如聞こえてくる、見知らぬ誰かが苦しみ、叫ぶ声。

少女の喚き、少年の雄叫びに近い声。


それを嘲笑うかのような、男の高笑い。


そして最後に現れたのは、他でもない自分。


……そう、彼は自らの記憶を見ていた。


(そ……そうだ……全部…思い出した………!)


途端に、教皇を急激な頭痛が襲う。


「………ァァァ…ァァ…ァッ!!」


声にならない叫びは、法皇の耳には届いていなかった。

瀕死の状態の中、教皇の意識は薄れて行く。



やがて、視界は暗転してしまった。



―――――――――――――



次に気が付くと彼は、真っ白な空間に一人立っていた。


「まさか…死んだのか」


教皇の呟きには、誰からの返事も無い。

辺りを見回し、歩き出そうとしたその時だった。


「無様に負けてんなァ…?あァ!?」


そこに居る、『誰か』からの声。


その姿こそ見えないが、教皇はその男を知っていた。


「やめろ……出てくるな!!」


「このまま負けちまってもいいのかァ!?甘ェ事言ってンじゃねェぞ!」


「お前の力は借りない!お前の力だけは…ッ!!」


「悪い様にはしねェ、俺に委ねてみろよォ…。あんなクソザコ、俺がぶっ飛ばしてやらァ!!」



教皇という男。


彼が思い出した全ての記憶の中に、『この男』も確かに存在していた。


そう……この男は。



教皇がかつて、『魂を分けた男』なのだから。




「オイお前、待ちやがれ」



「 ………!?」


再び立ち上がった教皇の姿に、法皇は動揺を隠しきれなかった。


もう少しいい描写が書けなかったものかと、自分の文章力の無さを反省しております。

読者の皆様にきちんと伝わればいいのですが…

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