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学園タロットカード  作者: チンピラゲーマー
31/50

31.神の力

時は少し遡る。


死神は、決め手に欠けていた。

相手のスピードに合わせる事が出来るようになったのは良いものの、致命傷を与える程の一打を決めることが出来なかった。


その点、悪魔はどうか。

悪魔は四枚になった翼の力を余すことなく使い、相手の逃げ道を着実に潰し、追い込んでいた。


だが、やはりこの二人の猛攻を躱し続け、反撃の隙を狙うカラスが一枚上手(うわて)だった。


「クソッ!俺の攻撃が当たらねェ!」


悪魔も死神も、肉体的に限界が近づいていた。

激しく肩で息をする悪魔と、額の汗を(ぬぐ)う死神。



しかし、そんな二人の限界を吹き飛ばすかのように、天使が二人に声をかけた。


「時は満ちた!!二人共、こっちに来るんだ!!」


天使の頭上には、とてつもない大きさのエネルギー弾がその存在感を出していた。


「この短時間でこんなデケェもんを作ったってのか…」


実際、悪魔や死神が注意を引くことに成功していたのはほんの数分の事。

その間に天使は、全集中力を注ぎ込んで、この一撃を作り上げたのだ。


「で、どうすりゃァいい!?」


「簡単さ!君達の魔力を…ここに全て注ぎ込んでくれ!」


「…そういう事かよ!面白ぇ!!」


この状況下で、死神は笑っていた。

それはこれから起こる出来事に、自らの期待が膨らみ上がるのが彼自身は分かっていたからだ。



戦闘を楽しむ。


こんな事、いつぶりだろうか?


自分の力を出し切る。


こんな事は、()()()以来だ。


高い戦闘能力を有している死神ですら、届かないと思った男。


そんな男の背中が、死神の目には写って見えた。

いつか超えてみせる、いつか勝ってみせる。




『愚者』という男に…!!



死神は足元に赤黒い魔法陣を出現させた。

その中心に、彼の持っている剣を刺す。


すると、彼の周囲を赤黒いオーラが包み、天使の頭上にあるエネルギー弾へと移ってゆく。


真っ白だったエネルギー弾は、あっという間に黒く染まってしまった。



「お前達は何を見せてくれるのだ?その最後の悪あがき…しかと見届けてやろうではないか」


カラスは剣を構え、正面から三人と向き合っていた。


「ヘッ!そんな余裕こいてられんのも今の内だぜェ!?」


悪魔は翼の力を使い、自らの波動をエネルギー弾へと打ち込む。

それを吸収したエネルギー弾は、更に大きくなった。


「いける…これなら!!『神の力』にだって匹敵するハズだ!」


天使、悪魔、死神。


この三人は強い。

愚者もそれは感じていた。


いつか自分を超えるんじゃないか。

この三人が力を合わせる事が出来れば…。


きっとそれは、『神』が持つ力にほぼ等しくなるはずだと。


この学園には、『神』という役職は無い。


だからこそ、だからこそ。


彼ら三人の引き出した力こそが、『神』と呼ぶにふさわしいだらう。


「いっけェェェェェェェェェェェェ!!」


三人で同時に、とてつもない大きさに膨れ上がったエネルギー弾を蹴り飛ばした。

その反動で三人が後方へと吹き飛ばされる。


エネルギー弾は地をえぐり、校舎を破壊し、そして対象の元へと一直線に進んで行った。



「ウォォォァァァァァァァァァ!!」


カラスは正面からそれとぶつかり合った。

そして、彼は悟る。


『今の自分の力では受けきれない』と。



そして最後に彼が選んだ決断は、




降参(にげ)の一手だった。






あと何話かで、この大アルカナ戦争編は完結致します。

この章を第2章と設定し、その次からは第3章へと移ります。

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