表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園タロットカード  作者: チンピラゲーマー
25/50

25.審判 『ジャッジ』

パーシヴァルと合流した俺達は、教皇の間を目指した。

既に、校舎内には人気(ひとけ)が無かった。

静まり返った校舎内に、俺達の足音だけが静かに響いていた。


――――


「さあ、それじゃあ最終確認といこうか。エリアは学園内全体。とても広いから気を付けてくれ」


東京ドーム〇個分、という比較の方法をよく聞く。

俺個人の意見ではこの学園は1.5個分ぐらいはある気がする。


「それぞれが相手をする人物は分かっているね?」


教皇の最終確認に全員が頷いたり、返事をしたりする。

この様子を見る限り、特別緊張しているなんて訳ではなさそうだ。


「なら構わない。もうすぐで目的地だよ」


俺達は今、屋上へと向かっている。

そこは法皇が指定した場所だった。


「教皇、あとの二人はどうした?」


「彼らなら、もう既に向かっているさ」



俺達は一歩一歩、確実に歩みを進めている。

ゴールはどこだ。

勝利か、それとも敗北か。

俺の前を歩くこの男の眼には、一体どんなビジョンが写っている?


様々な思惑が交差する中、屋上への扉が開かれる。

そしてそれは、俺にとってとても大きな扉を開いてしまうのだった。



――――――――


屋上には、既に三人の人物がいた。

騎士団長(ナイトリーダー)隠者(ハーミット)、そしてあともう一人の男。

金色の髪に、紅の瞳。

背丈は平均男子の平均より小さいだろうか。


「紹介しておこうか。彼は『審判(ジャッジ)』、この戦争の審判だ」


「初にお目にかかります、愚者派様御一行。私が審判でございます」


やっぱり礼儀正しいのな。

堅そうな男だ…。


「公平なジャッジをよろしく頼む」


「大丈夫だよ、愚者。彼の目は誰にも誤魔化せやしない」


教皇がここまで言う事もあるんだな。

こいつの前でイカサマなんてしたらとんでもない事になりそうだ。


「騎士団長、隠者。法皇派はまだ到着していないのかい?」


教皇が問いかける。


「ええ。どうやら未到着の様ですね」



「イヤ……何人かは潜んでいるゾ」


……!!


その瞬間、全員に緊張が走ったのが分かった。

開戦まではあと数分。

既に、法皇派の何人かはこの学園内のどこかにいる。


「どうやら、そうみたいだねえ。ボスのお出ましみたいだよ」


次の瞬間、屋上のドアがゆっくりと開いた。

扉の奥には、一人の人影が見える。


言わずもがな、その人影は開戦の合図だった。


「やあ、法皇」


――――――――


「彼が法皇…凄まじいオーラだね」


「アイツとも戦ってみたかったが……まァいい」


「さっさとカラスってヤツ倒して、アイツの首取りに行くぞ」


三人とも、特別法皇に怯えている様子もない。

まあ流石といった所か。

…………それに、今回急遽参戦になったパーシヴァル。

真剣な眼差しで法皇を睨んでいる。


これは……やる気だな。


「どうやら揃ったみたいですね。………それでは、始めましょうか」


審判の一声が、その場に更に緊張感を走らせた。

教皇派は皆慣れているのだろうか、涼しい顔をしている。


「最終確認です。互いの派閥が勝利した後の事をお話しておきましょう」


「僕は法皇派の解体だ」


「私も同じだ。教皇派の解体を要求する」


教皇と法皇が言葉もなく睨み合う。

それぞれの眼には、静かに、しかし激しく闘志が燃え上がっていた。


「双方の要求確認は終了しました。それでは開戦致します……よろしいですね?」


「異論はない」


「分かったよ。それじゃあ始めよう」


教皇と法皇は、それぞれ反対方向へと歩き出した。

教皇はこちらに目配せをする。

それを合図だと判断した俺は、四人へ指示を出す。


「天使、悪魔、死神。お前たちはカラスを探せ。パーシヴァル、お前は俺と来い」


「健闘を祈るよ、愚者」


「あァ、任せとけ」


「死ぬんじゃねえぞ」



「それはこっちのセリフだ。生きて帰ってこい」


それぞれの意志を胸にして、三人は一気に飛び立つ。

辺りを見回してみると、既に教皇も法皇もいなかった。

………というか、意外とあっさりとした開戦だな。


「俺達も行くぞ、パーシヴァル」


「はい!参りましょう」


こうして、教皇派と法皇派のアルカナ戦争は幕を開けた。

学園の敷地内に潜む法皇派。

それを探す教皇派。

個人的な意見では、どうも法皇派の作戦に上手く乗せられているような気もする。

だがしかし、それも本当かどうかなんて事は分からない。

分からない以上、俺達から探し出すしかない。



――――運命の『時』まであと20分



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ