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プランDでいきましょう!! -聖女の涙-  作者: 海
第三章 孤独な人魚
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第45話

 ツバサはリリアに見つからないよう、慎重に尾行する。そして着いた先は想像通り。


 ミスティ湖だった。


 リリアはフードを被ったまま、湖の淵でしゃがみ、水面をただ静かに見つめている。何をする様子もない。


 ツバサは木の影からリリアの様子を窺っていたが、このままでは結局彼女がこの時間にここへ何しに来たのか分からない気がして、彼女に声をかけることにした。リリアに近づき、適当な距離になったところで呼びかける。


「セレティスさん」


 するとリリアは自分以外の人間がいることに気づいていなかったのか、急に声をかけられて驚き、振り向きざま体のバランスを崩してしまった。彼女の体が湖の方へ傾く。


「危ない!」


 ツバサは駆け出し、手を伸ばすリリアの腕を掴む。そして力強く引っ張った。リリアのフードが外れ、美しく煌めく髪が月明かりの前に晒される。


 リリアを引き寄せる反動で、ツバサは彼女を抱きかかえるように後方に倒れ込み、反射で両目を瞑る。そのまま背を強く打った。


「いってぇ……」


 そう言いつつ、ツバサは細く目を開ける。


「セレティスさん大丈……夫――」


 怪我がないかどうかリリアへ問おうとして、ツバサの言葉は途中で失われた。水晶体を通して網膜に結ばれた像に、ツバサの脳が真っ白になる。


 ツバサの上に被さるように乗っかった少女は、一糸纏わぬ姿だった。自分の胸板に柔らかいものが押し当てられている感覚、彼女の背中に触れる両手にほんのりと伝う体温、長く滑らかな髪から香るシャンプーの匂い。


「こっち見ないで……!」


 恥ずかしそうに小さく呟かれ、ツバサは反射的に、ごめん! と謝ってすぐに目を逸らし、彼女の背中にあった両手もすぐに退かす。心臓は未だ嘗て経験したことのない速度で脈打っている。脳は状況理解が全く追いついていない。

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