俺が試練を受けるらしい5
「ツんだか…ん?」
部屋を見ていると違和感を感じる。
しばらく周りを見渡して気づく。右の入口は先ほど土砂で封鎖されていたのにそれがない。
俺がとったはずの松明も元に戻っていて、ボロボロの机の上には杖を含む全ての武器が存在する。
最初の部屋を鏡写しにして作られた部屋のようだ…見事に騙された。
最初に気づくべき点として台座に青い珠が置いてある所だ。
最初に気づけとは言わないで欲しい、てっきり同じ場所に辿り着いているかと思っていたのだ。
「目に見えるものが真実ではないか…難しいな…」
頭をかきながら台座に近づいて珠に手を伸ばす。しかし、珠を手に取ろうとしてふと手を止める。
目に見えるものが全てではない…つまりこれも罠ではないか?
どうせ時間はある試す価値はあるな…と思い火球を出してみる。
火球の対象を珠に向けて発射する。
見事に青い珠が無くなっている。
「偽物だったんだよな…罠だよな…?」
試しておいて不安に駆られる。まさか破壊可能のイベントアイテムがあるとは思いたくない。
その不安を拭うかのように台座の前にある魔法陣が光を発してそのまま消え去った。
すると魔法陣の中にいたミノタウロスの茶色の体が水色へと変わっていき、肉体も液体のようにドロッと溶けていく。最終的に丸い水の塊みたいなモンスターへと変貌した。
「スライムって所か…」
スライムが現れた!!
体の真ん中に丸い玉みたいな物が存在する。
あれは弱点の核として認識してもいいのだろうか?
「物理は効かなさそうだな…魔法あるからいいけど」
呪文を詠唱して火球を出すために距離をとる。
相手の移動速度は液体のはずだが思った以上に遅い。
距離をとった後、火球を生み出して相手に向かって放つ。
水に火が当たれば蒸発するのが普通なのだが…!
効いているようだ相手の体の一部が蒸発している。
これなら一方的に攻撃し続けて倒せると確信する。
しかし、現実はそう甘くないようだ。スライムの体が発光した。
「目がぁ…目がぁ…」
あまりの眩しさに目の前が真っ白になった。
少しして目の前が見えるようになった頃、俺の姿をした青い人が目の前に立っていた。
同じ液体の体のはずだが足ができたためか移動速度が俺と同じ…。
「むしろ速い…!」
相手は近づいてきて手を振りかぶると手から水の剣が生まれる。
それを見てとっさに杖を盾にして受けようとする。
「なっ!?いつぅ」
水の剣は杖を切り裂かずすり抜けてそのまま俺を切り裂いた。
切られた箇所の痛みに耐えつつ逃げる。
「ずるいだろ!?」
水だからか物体を無視できる上、ある程度凝固もできるのかダメージも与えられる。
物理無効な上、防御無視攻撃とかチートすぎる。
それでも水には火だ…もしくは真ん中の玉に向かっての攻撃…!
詠唱を唱えて火球を生み出そうとするが、相手の水の剣に切り裂かれて詠唱が途中で止まってしまう。
詠唱中に攻撃を受けると詠唱止まるのか…たった今知ったわ!つらい!!
「でも火に弱いならこれでも食らえ!」
左手に持っていた松明を相手に向かって突き出す。
燃え盛る火は水に接触しても蒸発させ、真ん中の玉に突きさす形となった。
効果は抜群らしく、相手のスライムの形が元の丸い液体へと戻った。
距離をとって火球を出しては打ち続けた。
しばらくしてスライムを倒したのか、青い珠がコロンッと地面に落ちた。
青い珠を手に入れた。




