俺の初めてのダンジョン攻略五階層目 その4
ひたすら草を切りながら進んでいくが、精神的に辛くなってきた。
「帰りてぇ…」
あれから探索を続け、ひどい目にしか合っていない。頭上からスパイダーという蜘蛛の魔物に襲われ、モスリーバという幼虫には毒を噴射され、マンティスには死角からの襲撃ときたものだ。
「昆虫ばっかりだし、毒やら糸やらでつらいし」
どいつもこいつもサイズが大きい。これがどんどん大きくなり、人間より大きくなったら、もう近づきたくもなくなるだろう。せめてなにか良い事でもあればいいのだが…!?
「うわぁあああああ」
足に何かの感触を感じた瞬間、足に纏わりつき、そのまま宙吊りになる。顔を上げて上を見ると、スパイダーが下りてくるのが見えた。
「罠かよ!?もう嫌だぁ!」
スパイダーは地面に降り立ち、ユウタを狙うようだ。俺のなまくら剣じゃ糸が切れないので、杖に持ち替えて、火球を生み出す。生み出した火球で糸を焼き切り、そのまま火球をぶつけたいが、糸が切れれば落下するのは必然。火球をコントロールする事が出来ず、地面に叩きつけられた。
「くそっ痛いなぁ…」
起き上がりスパイダーを探す。意外に早い動きでユウタと走りながら戦っている。というよりもユウタが牽制しつつも、攻撃を行っていないようだ。もしくは、行えない理由があるのか。剣を抜き、横から叩きつける。やはりというか切れない。
「それなら突いてみるか」
へし折れないと信じて、体と体の間のスキマに向かって、振り下ろす。思った以上に簡単に突き刺さり、スパイダーが暴れ始めた。剣を放したいが、呪われているせいで離せない。火球を生み出して、そのまま炙って倒した。
「いいかげん、次の階層に上がりたい…」
5階層目から、結局変わらず、それどころか、回復アイテムを使い果たしてしまった。残っているのは、水晶2つと餌が4つほどだ。もうリタイアしてしまおうか…。
「そして、行き止まりかよ」
最後の通路を越えた先に魔法陣はなく、部屋の中の茂みを全部取っ払ってみたが、魔法陣はなかった。




