俺の初めてのダンジョン攻略五階層目 その3
うぉおおおおおおん!!
主人の行動を察したのか、捕食されつつも、雄叫びを上げ、攻撃を誘導する。そのおかげもあり、詠唱の時間は足りた。捕食中は動けない事は理解している。放った火球は、体に当たり、火に包まれたマンティスは、そのまま倒れた。もう1匹も炎のせいかは分からないが、茂みの中へと入って見えなくなる。
「大丈夫か。ユウタ」
残っているポーションの1つを取り出して飲ませる。警戒は怠らないように、なるべく周りを気にして飲ませた。現状、自分達の周りは、戦闘の結果か、茂みがなくなっている。茂みから襲ってくるにしても対応はできるはずだろう。
「さて…どこからくる…?」
立ち上がり、盾に変えて構える。動く事が出来ず、膠着状態が続いていたが、不意に右足に違和感を感じる。痛みなどはなく、ふと下を見ると先ほどのダンゴムシが足元で動いていた。
「うぉっ!?」
驚いて足を上げる。特になにかされた訳ではないようだ。先ほどと違い丸くなるのをやめたダンゴムシは、触覚を動かしながら、ゆっくりと動いている。少し怖かったが、手を出してみると、触覚を手に向けて、何やら確認しているようだ。
「やっぱり襲ってこないのか」
ユウタにも同じように触覚で何か確認しているが、それが済むとゆっくりと移動していく。まさか襲ってこないというだけで虫に癒される時がこようとは思わなかった。ユウタは戸惑っている様子だったが。
「っていかん!さっきのマンティスはどこいった!?」
ついそちらに気を取られていた。しかし、相変わらず部屋の中からは一切の音がしない。
「逃げたのか…?」
試しに茂みに入った方向に火球を放ってみると、草を燃やしながら、壁に当たり消えた。
「いないと判断してよさそうだな」
やっと一息つけそうだと地面に座り込む。座り込むと、また、ダンゴムシが向かってきた。振動に反応でもしているのだろうか?そういえば、本来なら丸くなる行為は、敵から柔らかい腹を守るためだったよな。
「最初に見つけた時は、丸くかった。
マンティスを倒して、もう1匹が茂みに隠れた後に動き出したよな」
敵がいるかどうか判断に使う事が出来るのではないだろうか。それが分かれば、かなり助かるかも知れない。自分の魔物ではないから、野生ので実験するには不安要素が多そうでもあるが。
「なんかでっかくても可愛い眼をしてるよなぁ」
餌付けでも試してみるか。一つ餌を取り出して置いてみると、触覚が触った後、シャクシャクという音がして餌が無くなった。さらに1個置くと、同じように食べた。
「うまかったか?」
言葉が伝わるとは思わないが、つい語りかけてしまう。頭を撫で、立ち上がり、次の道を探す。
草を刈りながら次の通路を見つけ、進む1人と1匹の後ろをゆっくりと黒い虫がついていった。
今日は死んでました(リアル体調不良)朝から眠り、気がついたら18時になってました。




