俺が奮闘するらしい
詠唱を唱えて、火球を生み出す。
すぐに火球を、腕に噛みついているウルフに向かって放った。
火球を受けたウルフは、噛みついている事が出来ず、はじけ飛ぶ。
それでも、一発の火球で倒せるほど、たやすくはない。
「7匹か…あの時より状況が悪いじゃねぇか」
1匹は火球で弱っているが。残り6匹は無傷。
攻撃したせいか、ウルフ達の視線が、俺へと向けられる。
背筋がぞくぞくして、体が震える。
恐怖を飲み込み、次の詠唱の準備を始める。
「ユウタ、遠吠えだ!」
すぐ傍で威嚇をして、待機していたユウタが声高く吠える。
距離があるためか、4匹しか向かってこなかった。
走ってくる顔が…迫力がやばい。
あちらに残ったのは、3匹だが、1体は手負いだ。
あとは頑張ってもらうしかない…正直、俺も死ぬかも知れないからな。
走ってくるウルフに、火球を放つが避けられる。
「残り2発って所か…」
俺が主人公なら不敵に笑みを浮かべるかも知れない。
実際は、怖い、怖くて、逃げたくて、可笑しくて。
だから、声を出すしかない。気合を入れるしかない。
「くっそぉおおおおおっ!こぇぇぇぇえええええ!」
詠唱を唱えて、火球を準備する。
目と鼻の先にいるウルフに向かって、火球を放つ。
先ほど違い距離がなければ、相手も簡単には避けられない。
1匹が火球を受けて弾き飛んだ、残り3匹はユウタに向かっていく。
起き上がる前に、ナイフで止めを刺した。残り3匹。
ユウタに向かう1匹に、最後の火球を放つ。
弾き飛ばされたウルフを、ユウタが噛みついて止めを刺した。残り2匹。
ユウタも遠吠えをやめて、迎撃をしてくれるようだ。
ウルフの後ろから、ナイフで切りつけるが…浅い。
しかし、これでタイマンの状況を作り上げる事が出来た。
「よし…こぉおおいい!」
まだ俺では、ウルフの速度についてはいけない。
それでも、攻撃方法は噛みつく事だ。隙は出来る。
走り回るウルフを警戒し続ける。
痺れを切らし、飛びかかってきた時、右腕を盾にして噛みつかせる。
地面に倒され、右腕に痛みが走るが、無視して左手のナイフで相手を刺す。
相手が顔を振り、牙が肉に刺さり、痛みが襲ってくる。
それでも刺す、刺して、刺して、刺し続ける。
さすがの相手も怯んで、右腕から口を離すが、隙を見逃さず切りかかる。
肉を切らせて骨を断つ…問題は肉で済まず、命を絶たれた場合か。
体力の減り方が凄まじいが、なんとか死ぬ前に倒す事が出来た。
「ユウタッ!」
互いに似た攻撃しかできないゆえか、膠着状態に入っていた。
お互い傷だらけだが、横からウルフの頭を蹴り飛ばして、参戦する。
他の個体よりも、気のせいか大きい気がする。
ユウタより大きく、噛みついても、ユウタを引きずりながら走る。
それでも、移動速度は落ちる。
近づき、同じく組みついて地面に倒す。
泥臭い戦い方かも知れないが、戦いは生き残った方の勝ちなのだ。
倒れたウルフの上に乗っかり、ナイフで刺し続けた。
力強く暴れて、何度も拘束を解かれそうになったが、なんとか倒すことが出来た。
倒れたウルフを見ても、体が相変わらず震えている。
それでも倒せた事に、少なからず満足感を感じていた。
お腹が空いたので寝ます。
とんこつラーメンを食べたい




