第7話 地球を知るための場所
「まずは名前を教えて欲しいな。どこから来たのかも、わかっていて言えるなら教えてほしい」
マンション《織星レジデンス》の107号室の部屋で、天河、ベガ、美王香が机を囲うように座っている。
美王香はベガを安心させるように、優しく問いかけた。
ベガは少し緊張したように息を整え、言葉を返した。
「私の名前はベガです、宇宙のコスモスクエアという場所から来ました……」
その言葉を聞いた美王香は、ベガが宇宙から来たという事実に驚きながらも、「なるほど」と相槌を打ち、さらに言葉を続けた。
「私の名前は安藤美王香、呼び方は何でもいいよ〜。ベガちゃんか〜!」
ベガは嬉しそうに頷いた。
すると、美王香とベガの会話に割って入るように、天河が口を挟んだ。
「もう家に帰らなくちゃ。怒られちゃう。でもベガどうしようか……?」
苦笑しながらそう言うと、腕を組み、首を傾げた。
美王香の部屋にある水色の時計は、とうに日付が変わったことを示していた。
辺りの建物の明かりは消え、人通りもなくなり、星々が静かに光っていた。
火の花はとうに消えていて、火薬の匂いが開いてる窓から、夜風に乗って漂ってきた。
数秒の沈黙のあと、頭を捻っていた美王香がふと口を開いた。
「それなら私1人暮らしだし、一時的にここにいる?判断はそっちに任せるから、ゆっくり考えな」
その言葉が耳に届くと、天河はベガに、これからどうしたいかを尋ねた。
「ベガはどうしたい?俺の家は家族いて、受け入れづらいけど、美王香のところなら受け入れてくれるよ?」
その質問に、少し寂しそうな表情を浮かべて、天河とベガに聞き返した。
「イザヨイテンガと会えなくなるの?それは嫌……」
天河と美王香は、あまりに可愛いらしい返答に思わず少しはにかんだ。
すると天河が暗い雲を晴らすように明るい声で言った。
「毎日様子見するから大丈夫だよ、これからも地球について教えるよ!ちなみに美王香は国語がとっても得意で地球についてたくさん教えてくれるはずだよ」
その言葉に安心したベガは、うさぎのように喜んだ。
チキュウをもっと知りたい──




