第6話 安藤美王香
店の前で二人が今後のことについて考えていると、天河の頭の中で豆電球が灯った。
「友達に相談してみよう、ベガもついてきてほしい」
天河がそう提案すると、ベガは静かに頷いた。
「わかった、私もまだ、チキュウにいたい」
ベガは水面に波紋が広がるような、穏やかな笑みを浮かべて言った。
辺りには花火の音が響き、夜はそのまま二人を包み込んでいた。
ベガの言葉を聞き、天河は嬉しそうに話の続きを口にした。
「それじゃあ行こう。あ、ちなみにその友達の名前は、安藤美王香、いつも色々お世話になってるんだ」
それを聞いたベガは、嬉しさと好奇心をにじませながら言った。
「アンドウミオカ!!チキュウ人のネームってどれもいいね!優しそうなネーム」
♢
さっきの飲食店《ファミレス!!》から少し離れた住宅地。そこにあるマンション《織星レジデンス》の107号室の前に、二人は立っていた。
天河はインターホンのボタンに指を添え、静かに押した。
すると数秒後に、「どなた様?」と落ち着いた声が返ってきた。
天河はすかさず、状況を説明しようと言葉を急いだ。
「天河です!女の子が遭難してて!いや、迷子になってて!」
それを聞いた美王香は、衝撃のあまり「え?!」と声を裏返した。
短い沈黙のあと、107号室の扉が勢いよく開いた。
「天河!!大丈夫か?! ってその子は……」
勢いよく口を開いた美王香は、目の前の光景に息を呑んだ。
この子の服、ここじゃあんまり見ないし、綺麗な白髪──
美王香は驚きながらも我に返り、二人に提案をした。
「一旦中で話そう……、詳しく事情を聞かせてくれ」
マンションの周囲は、眠りに落ちたように静寂に包まれていた。そして、より一層、燈色の街灯の光が騒がしく見えた。
美王香の提案を聞いた天河とベガは頷き、3人ともマンションの中に入っていった。




