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第2話 群青色の瞳

天河《てんが》は、裏山をゆっくりと登っていった。


「砂埃がすごいな、どれだけのスピードで落ちたのか……」


そう言いながら、手で顔周りを何度も払う。


周りは、花火大会のせいか、無数の人の声と爆発音が木々を震わせていた。


「木が多いせいなのか、辺り暗すぎる」


森は、光を飲み込んでしまうほど暗く、スマホのライトで、足元が見えるのがやっとだった。


絡みつく草木を突き進むと、少し前に、煙と砂埃が上がっている、ひとつの大きな鉄球のような物が転がっていた。


辺りの木々が、全てなぎ倒されていて、月光が深淵を貫く白銀の光のごとく、鉄球を照らし、より圧追感が増していた。


「近づいてみるか、あの鉄球の正体ってなんだろう……?危険なものじゃないといいけどなぁ」


眠れる獣に起こされぬような、慎重さで、得体の知れない鉄球に近づく。


近づいてみると、そこに見えたのは、確かな鉄球だが、宇宙船を思わせるハッチがあり、中に誰かいることを思わせる、異様な雰囲気が漂っていた。


「まさか誰かいる……?!そしたらどうしよう……。でもほっとくなんてできない!」


心臓が早鐘のように鳴る中、冷や汗を浮かべた手で、ハッチに手を伸ばし、恐る恐る開けた。


中身は──


開けると、中には、額から血を流した白髪の少女が、座席で倒れていた。


「女の子……?それと、あの……大丈夫ですか?」


心配そうな声で、少女に問いかけたが応答はなく、天河は呆然としてしまった。


天河が、他にもところを怪我してるのかと心配し、さらに近づこうとした瞬間──


少女の目がゆっくり開く。


その瞳は、星の海を宿した群青色で、魂を引かれるような、ほのかな輝きが、天河の瞳に曇りなく映った。


その少女は、天河を見て、口を動かした。


「ここは……、どこ?」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

ブックマークや★で応援していただければ嬉しいです! ぜひ天河とベガの物語を辿ってみてください。

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