43話 最初の町
街道ではなく荒野を通って来たため、町の城壁の門の無い所に出てしまいました。
仕方ないので門のあるところまで城壁沿いに移動します。
街道の通っている側まで来ると、ようやく町の門が見えてきました。
魔動馬から降りて、門番の人に冒険者証を見せたら、問題なく町の中に通して貰えました。
二人とも疲労と魔動馬の振動で気分が悪いみたいなのでとりあえず宿屋を探しました。
あまり大きな町ではないので、宿屋は一件しかありませんでした。
魔動馬を宿屋の馬小屋に繋いで中に入ると宿屋の主人が声をかけてきました。
「子供だけみたいだが宿泊かい?」
「あたしたち冒険者よ!部屋を三つお願い」
ボクたちは冒険者証を見せました。
「冒険者なら問題無いな。今日は部屋が埋まっててあと二部屋しかないけどいいかい?」
「二部屋だってどうする?あなた達恋人同士だし、一緒の部屋でいい?」
レィナちゃん、何を言ってるのでしょうか?
ボクとソラ君は、まだそこまでの関係ではありません。
・・・それに、そこまでの関係になるには問題があり過ぎます。
「何言ってんだ?お前ら女どうしで同じ部屋でいいだろ?」
・・・ソラ君はそう言いましたが、それはそれで、問題が・・・
「そうね、それでいいわ」
レィナちゃん、あっさりOKしてますが、いいのでしょうか?
「いいの?レィナちゃん?」
「何言ってんの、今まで何度も一緒に寝てるじゃない?」
それはそうですが、子供の頃の話で、さすがに最近は一緒に寝た事はありません。
「なんだ?ルル、何か問題でもあるのか?」
「別に何もないわよ、あたし達何度も一緒に寝た事あるし、お風呂もよく一緒に入ってるもの」
「そうだよな、なら、それでいいな」
お風呂に一緒に入ったのも子供の時の話で、最近ではありません。
「じゃあ、疲れたからオレは部屋で一休みしてくる」
ソラ君にしては珍しく、ぐったりしています。
「最初から無理しすぎですよ?二人とも」
「ああ・・・反省してる」
ソラ君は早々に自分の部屋に入ってしまいました。
「あたしたちも部屋で休みましょう」
レィナちゃんも、かなり疲れてるみたいです。
ボクはレィナちゃんと一緒に部屋に入りました。
「ふう、疲れた。体中ガタガタよ」
レィナちゃんはいきなり装備を外し始め、あっという間に下着姿になりました。
「ちょっ、レィナちゃん!なにしてるの!」
「何って、着替えるに決まってるじゃない。ルルも装備を外しなさいよ」
レイナちゃんはボクの装備も外し始めました。
「レィナちゃん!ちょっと待って!」
「何恥ずかしがってるのよ、女同士なんだからいいじゃない」
あっという間にボクも下着姿にされてしまいました。
・・・ちなみにボクの下着は、体のラインが出ない様に、少しふわっとした感じの下着です。
一方、レィナちゃんの方は、ボディにぴったりフィットした、ばっちり体のラインがわかる下着です。
かわいらしいけど、ちょっとエッチな感じがします。
そして、また胸が大きくなっていました。
日に日に差をつけられています。
「ふう、体中の関節が痛いわ、ルル、ちょっとマッサージして」
レィナちゃんはベッドにうつぶせに寝そべりました。
「ええと・・・どうすればいいの?」
「あたしの上に跨って背中を押してよ」
「えっ?背中に!」
「そうよ、早くして!」
仕方ありません、ボクはレィナちゃんの肌に触れない様にレイナちゃんを跨いで、腰をかがめてレィナちゃんの背中を親指で押しました。
「何やってるのよ、それじゃ力が入らないでしょ!あたしのおしりの上に座って、腰の背骨のあたりを押してよ」
レィナちゃんはそう言って、後ろ手にボクの腰を掴んで引き寄せました。
「ひゃっ!」
ボクのお尻の下にレィナちゃんのお尻が触れた時に思わず声が出てしまいました。
「どうしたのよ」
「なっ、何でも無いです」
レィナちゃんのお尻があまりにもやわらかくて、感触が気持ちよくて、びっくりしてしまったのです。
レィナちゃんの体はすっかり女性らしくなっています。
一方でボクの体はひょろひょろのがりがりです。
レィナちゃんのふくよかで柔らかい体は本当に羨ましいです。
・・・でもでもそんな魅力的なレィナちゃんの体に触れていると、羨ましいという気持ちと同時に、ちょっと変な気分になりそうです。
・・・余計な事は考えずにマッサージを始める事にしました。
レィナちゃんの背中に親指を当てて体重を乗せます。
「あっ!いい感じ!気持ちいいわ!そのまま続けて」
腰のあたりをぐいっぐいっと繰り返し押します。
「んっ、んっ、気持ちいいい! 今度は肩甲骨のあたりをお願い! あっそうだ、これも外しちゃお!」
レィナちゃんは寝そべったまま、胸に付けているブラも外してしまいました。
豊満な胸が、布団に潰されて横にはみ出して見えます。
「んんっ、楽になったわ!」
うわぁ!レィナちゃんほとんど裸になってしまいました!
ボクは、なぜかすごいドキドキしています。
「どうしたの?続けてよ」
「・・・はい」
ボクは少し上に座り直してレィナちゃんの肩甲骨の間を押します。
「んんっ!気持ちいいっ!」
ボクの太腿の内側に触れてるレィナちゃんのウエストは、豊満なお尻と対照的に折れそうなくらい細いです。
それなのに柔らかくってすべすべで、女の子の体って、本当に不思議です。
背なかをぐいっぐいっと押すのに合わせて、胸がふにっふにっと横にはみ出しているのを見ていたら、またしてもちょっと変な気分になってきました。
このやわらかそうな胸に触れてみたいという衝動に駆られてしまいます。
「今度はさっきよりも下の方、腰骨のあたりをおねがい」
「うん、わかりました」
ボクは後ろにずれて、今度はレィナちゃんの太腿の付け根あたりに座りました。
ボクの内腿に当たるレィナちゃん太腿と、下腹部に当たるレィナちゃんの豊満なお尻が、何とも言えない柔らかさです。
「んっ!んっ!んっ!んんん-ーー気持ちいい!!!」
体重を乗せてレィナちゃんの腰骨のあたりをぐいっぐいっと押していくと、レイナちゃんは、これまで以上に気持ちよさそうな声を上げました。
気持ちよさそうな、レィナちゃんの声を聞いてきたら、ボクもなんだかレィナちゃんと触れ合っている部分が気持ちが良くなってきてしまいました。
そして・・・レィナちゃんの柔らかい体に、もっともっと触れたい、このままレィナちゃんにだきついて、このなめらかで柔らかい体を全身で感じたい、という衝動が芽生えてきました。
・・・このまま抱きしめても、レィナちゃんなら受け入れてくれるでしょうか?
「・・・あれっ?もしかしてルルってば、エッチな事考えてる?」
「・・・・・!」
レィナちゃんに言われて気が付きました。
・・・いつのまにか、ボクの体の・・・男の子の部分が大変な事になっていたのです!
そして・・・あろうことか、それをレィナちゃんのお尻に押し当てていました!
ボクは慌ててレィナちゃんから飛び退きました。
「ルルってば・・・もしかして男の子に目覚めちゃった?」
レィナちゃんは起き上がってこちらを向きました。
両手を口元に当てているので、かろうじて胸は隠れています。
ボクは思いっきり首を左右に振りました!
「ちっ!違います!女の子同士でもこういう気分になる事はあります!」
・・・って、聞いた事があります。
ボクは体が男なのでこうなってしまっただけです。
「ふうん、どっちにしてもあたしにエッチな事感じちゃったんだ?」
・・・あれっ?今の言い方だと・・・それを認めた事になってしまいます!
「それはっ!・・・ええと・・・・・」
「そっか、ルルは女の子として、女の子のあたしとエッチな事がしたいって事だよね?」
どう言っても、言い逃れ出来ない気がします。
実際、レィナちゃんに対してやましい気持ちを抱いてしまった事は事実なのです。
「ごっ、ごめんなさい!レィナちゃん!」
ボクは恥ずかしさと罪悪感で涙が滲んできました。
レィナちゃんにどうやって謝ればいいのでしょうか?
そんなボクに・・・レィナちゃんは、顔を赤らめて、潤んだ瞳で上目遣いにこう言ったのです。
「いいよ・・・あたし・・・ルルとだったら・・・」
 




