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ハルカ彼方のchronicle  作者: イサク
2/3

world02

記憶と疑問






ビルや橋の上から

たくさんの人がこっちを見下ろしている

その目には侮蔑の感情がみえる


「……こんな世界どうだっていい…

キョーミもねーし!

消えてなくなれよ!!


思いっきり叫ぶ

本当にどうでもよかった

こんな世界が滅ぼうが無くなろうが

どうでもいい

オレにとって大事なことは『アイツ』を…


「何だと!

お前この戦いを何だと思ってる!

聖戦だぞ!

ふざけやがって!


「こんなのが聖戦だと…

クソ狂ってる…


真ん中に立っている

小太りの男がオレを指さし叫ぶ


「お前たち殺れ!!


その声に反応して両脇の男たちが

オレに向かって腕に装備した機械から

魔法と呼ばれるものを発射する

それを見た周りの者たちも同様に撃ってくる


「オレの願いはただ『アイツ』を…






「オレは一体…

いったー…


目が醒めるとそこには

白く無機質な見知らぬ天井があった

頭がズキズキと痛むがとりあえず起きる

寝る前のことを必死で思い出す

何かなにかあったはずだ


「あー

まっったく思い出せない…

どこだ…ここ…?


思い出せるのは

『アイツ』の顔だけ

『アイツ』の今にも消えそうな顔


「眠い…

もう一度寝るか…


軽く現実逃避をしたくなったが

それをさせてはくれなかった


「おーい

イオリー起きてるー?


その声を聞いたことがあった

いや聞き覚えがあった

その声を忘れてはいなかった

ちゃんと覚えていた


「ユーイチ!?

ユーイチか?!

何でここに?


普通にびっくりして思わず跳ね起きる

何でユーイチがここにいるのかわからなかった

しかし当の本人は

訳が分からないといった風で


「?

何言ってんだ?

俺たち一緒にここに来たじゃん


ユーイチは

不思議そうに俺の顔を覗き込む


「ここにきた?!

いつ?!

何で?!

どうやって?!

ってか

ここどこだよ?!


ユーイチの顔が

不思議そうな顔がみるみる曇る


「イオリ…

本当に何言ってる?

…とりあえず

みんなのところに行こうぜ

ご飯もできてるしさー


また新しい疑問が…

何だ

ご飯だと

そう言われると確かにお腹は空いているが

そう思うと不思議なものでお腹が鳴る

全く体は正直だな

まぁ初めから訳なんてわかんなかったが

まず

ここがどこだかわからないのに

何でここにいるかもわからないのに

何をしているのかもわからないのに


「どうしたー?

イオリ?


こいつのアホみたいな顔見てたら

何だか考えるのが面倒くさくなってきた

緊張感ないしな


「…そうだな

とりあえずこれ脱ぐわ


よく見たらユーイチは

ワイシャツとズボンだけだった

オレも学生服くらいは脱いで行くとする


「じゃあ行くか


そう言って

ユーイチに案内を頼んだ




「いやー

びっくりするよなー

どこかわかんない場所に来てるし

宇宙だし


オレはいま

あの部屋から出て廊下を歩いている

部屋の中とは違い廊下はオシャレで

豪華だ

お城の様だ

まぁ割と勝手なイメージだが


「宇宙なのかここ…

部屋にやたらリアルな宇宙の絵があるな

って思ってたがアレ窓だったんだな

どうりでスゲーリアルだったわけだよ


驚きすぎて逆に冷静だ

てか重力どうなってる


「確かになー

俺も未だに信じてねーもん

絶対嘘だよ


「いや

そこまでして

ここまできてオレたち

騙すメリットないだろ

てかそれどんなドッキリだ


「順応性を高めなさい

あるがままを受け止めるのよ

って言うしな!


「止めてくれない?!

いろんな人に怒られるんだけど!?


キリッと

カッコつけたドヤ顔がウザいな


「ユーイチそれ減点1点

今マイナス3点な


「待て待て!

計算あってないんだけど!!


「100ポイントまで遠いなー

まだまだあるよ!

(^_−)−☆


「ちなみにそれ

貯めたら何がもらえる?


「なんと

名誉と次のステージへの

挑戦権がもらえる!


「つまり何も貰えない?!


「なんだよ!

うるせーな

じゃあタワシやるよ!

タワシ!


「なんでだよ!

なぜ急にキレるんだよ?!

しかも何でタワシ?!

ショボすぎだろ!


「3つな


「しかも中途半端!!


「次のギャグは?

待ってんだけど?


「ムチャぶりだー!!

てゆうか横暴だー!!


やっぱり

ユーイチとの会話は楽しい

まぁオレが一方的にムチャぶって

楽しんでるだけなのだけど

そして

そんなこんなで大きな扉の前に来た

急に豪邸の様な金持ち感が出てきたんだけど何で?


「よし

じゃあユーイチ

面白いドアの開け方期待してるよ


メチャクチャ嫌そうな顔をする

まぁあえて無視するけど


「見とけよ!

はぁー!

開け!塩ゴマ!


開けられた扉を

何事もなかったかの様に通る


「あー

おなかすいたー

メシ食おうぜ

メシ!


「おい!

やらせたんだから

責任取れよ!触れろよ!


「はいはい

マイナス5点

トータルマイナス10点だな


「だから増えてる!

そして投げるな!


大きめの扉を開いた先

そこは広めのオシャレな部屋だった

真ん中には大きな長いテーブルがあり

イスも結構並んでる

だから金持ちの家かここは


「おそよう

よく眠れたか?


「お・は・よ・う!


って誰だ?

キッチンと思われる場所で

ひとが立っていた

男…だよなぁ?

いや綺麗な人だし

髪も腰くらいまであるし女の人っぽい?

声もきれいな声してるし

どっちだ?


「どうしたの?

具合でも悪いの?


そばにいた可愛い女の子に

フツーに心配された

てかカワイイ

服もフリフリでスゲーカワイイ

単純に

ごくごく単純にそう思った


「大丈夫?

イオくん?


背後から声をかけられる

すごく聞き覚えのある声だ


「モリ?!

おまえもいたのか?!

…もしかして他に誰か一緒に来たとか?


「いや

いないけど

おれたち3人だけだよ


3人だけか…

じゃああとの人たちはどうなったんだ?

次から次にわからないことがどんどん出てくる

頭痛くなってきた

まぁ元から痛かったが


「イサクー

イオリがさー

おかしい


ユーイチのキメ顔がウゼェ


「おい!

別におかしくはねぇ!

ただ寝る前の記憶があやふやだったり

忘れてるだけだわ!

あと頭痛い


「それを

ユーイチくんはおかしいって言ってるんじゃ…


モリが何か言ってるがあえての無視

イサクってカッコ美しい人が心配そうに

オレの顔を覗き込んでくる


「記憶…喪失か?

いや、そこまでではなさそうだな…

どっかで頭打ったか?


まぁそうなるよな

頭打ったとか全然思い出せなけどな


「今すぐ思い出したいだろうが

ムリせずゆっくり思い出すといい

そのうち思い出すさ


「そのうちって……


いつだよ

思わず心の中でツッコむ


「そもそもここはどこだよ!

どうやってここにきた!

オレは一体どこにいる?!


「落ち着けよ

イオリー


のんきにユーイチは

ジュース?を飲んでいる

コイツ順応性高いな


「落ち着けって

これが落ち着いていられるか!


あのカワイイ子も

不思議そうにこっちを見ている

あぁなんか急に割とどうでもよくなってきた

いやだんだん落ち着いてきた

思えばユーイチたちの反応を見るに

オレは自分から来たみたいだしな

それにあまりカワイイ子に

カッコ悪いとこを見られたくないってのもあるし


「順応性を高めなさい

あるがままを受け止めるの


「いや

ちょっと待て


イサクって言ったか

なにを急にブッ込んできたんだ

それにユーイチとカブってるし


「あんたバカ?!


「お前がバカか!?

始まってすぐ終わらせる気か!?

偉い人に怒られるわ!


ユーイチが

すぐそばに置いてあった

卵を片手に3つ持って


「俺も俺も

ミュうっげふっ!


「言わせるか!


顔の前に卵を持ってきたとこで

割ってやったわ

コイツらどんだけ危ないネタやるつもりだ

ツッコむ身にもなれ

本来オレはボケたいのだ

ムチャぶりしたいんだよ


「オレはSなんだよー!


「いやどんなカミングアウトだ

そしておそらく思ってることが声に出てるぞ


イサクが呆れ顔でツッコむ


「落ち着いた?


隣のカワイイ子に心配される


「まぁ

そうだな割と落ち着いたよ

…そういえばまだ君の名前知らない…


「私?

私はアリス

よろしくね


手を差し出されたので

握手をする

なかなか無いなこうやって握手すること


「あぁ

よろしく

アリスさん


「アリスでいいよ

イオリくんも食べるでしょ?


そう言って

皿を持ち上げる


「なぁー

イサクー

腹減ったー

メシ食おうぜー


後ろでユーイチが騒いでいる


「確かにオレも腹が減ったな


イサクが料理を皿に盛り付けながら


「じゃあみんな揃ったし食べるか!

イサク特製カレーライスだぜ!

辛さは甘口にしてあるからな


例の長いテーブルに

カレーを人数分並べて


「あれ?

1つ多くないか?


まぁ

その理由はすぐに分かることになるのだが


「おい!

やっと見つけたぞ!

お前!

ここはどこだ!

城まで戻せ!

大体広すぎなんだよ

この城は!


あの大きな扉が勢いよく開かれる

てゆうか今蹴って開けたな


「ここは城じゃない

船だ

第一連れてきたのはオレじゃない

神様だ

それにおまえじゃない

イサクだ


「そんなことどうだっていい

とっととオレを元の場所まで戻せ


そう言って男は

持っていた刀の柄に手を伸ばす


「ちょうどいい

お前たちの身に起こったことを話そう

だがその前に

ご飯にしましょう!


とびっきりの笑顔でそう言った

勿論

全員が呆気にとられたのは言うまでのない

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