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「此処がバークローの街・・・活気があって明るい雰囲気の街だね。」
建ち並ぶ様々な店に、活き活きとした表情で行き交う人々。多くの人々が行き交うバークローの街を訪れ、結稀は目を輝かせ小さな声で呟いた。
「此処は王都へ向かう道の中継地点で、人や物が沢山集まる大きな街らしいよ。」
ウキウキ・ソワソワした様子で街を見廻す結稀に、クロノスが笑顔で説明する。
「へぇ、そうなんだ。・・・あっ、あれ喋るお花だって!!あっちのカーペットは次々模様が変化してる!!不思議・・・わぁっ!?」
店頭に飾られた物珍しい品の数々に気を取られ、通行人と衝突しそうになる結稀。そんな彼女を、隣に並んで歩いていたアーシェが軽く引き寄せ助ける。
「燥ぎ過ぎて余所見してると、怪我をするぞ。気を付けろ。」
「有難う、アーシェ。気を付けるよ・・・って、アーシェ!?フードが外れかかってるよ!大丈夫?」
手を伸ばし後ろにずれたアーシェのフードを被せながら、結稀が心配そうに彼の顔を見上げ問い掛ける。
「大丈夫だ。日光を浴びても、それ程ダメージは受けない。少し肌がヒリヒリする感覚が不快で、フードを被っているだけだ。」
アーシェの言葉を受け、結稀は「そっか、良かった。」とほっと安堵の笑みを浮かべる。そんな彼女に、アーシェも「フード・・・有難う。」と小さく呟きながらはにかんだ笑みを見せる。
暫く3人で歩いていると、建物が並ぶ道の先に大きな広場があるのが目に入った。結稀が目を凝らして広場の方を見てみると、広場には商人と思われる人々が沢山集まっており、何やら深刻な面持ちで話し込んでいる様だった。
・・・どうしたんだろう?何かあったのかな?
気になった結稀はタタッと商人達の方へ駆け寄って行った。
「あの・・・何かあったんですか?」
結稀が声を掛けると、商人達は彼女の方へ向き驚いた様に目を見開いた。
「あんた達、この辺りじゃ見ない顔だな。旅人さんかい?」
「はい。僕達さっきこの街に入って来たばかりなんです。それより、かなり深刻な様子で話し合っているみたいでしたけど・・・何かトラブルでもあったんですか?」
結稀が問い掛けると、商人達は眉尻を下げ重い口調で語り始めた。
「・・・実は王都へ向かう道が今通れなくなっていて、此処で足止めを喰らってるんだよ。」
王都への道が通れない?一体どうして・・・?
「1週間程前に、王都へ向かう道を塞ぐ様に突然ダンジョンが出現したんだ。出現して直ぐにこの街の男達や領主様の兵隊がダンジョンの調査に向かったんだが・・・誰1人帰って来なかったんだよ。」
不思議そうな表情を浮かべる3人に、商人は表情を曇らせ説明する。
「遠回りでも王都へ繋がる他の道は無いんですか?」
クロノスの問い掛けに、商人はふるふると首を横に振る。
「森を通る道もあるにはあるが・・・凶悪な魔物の群れの棲み処になっていて、危険で其方も通れそうにない。」
ふぅ・・・と思い溜め息を吐きながら、商人は暗い表情で答える。
「はぁ・・・このままじゃ、商品を王都に納める事が出来ない。どうすれば良いんだ・・・。」
頭を抱えながら、弱々しく声を絞り出す商人達。その表情と声からは、彼等の困惑と焦燥がひしひしと伝わってくる。
う~ん・・・王都に行けないのは僕達も困る。何とかして、王都へと繋がる道を確保しないと。その為に先ずは・・・
「取り敢えず問題のダンジョンに一度行ってみようと思うんだけど・・・クロノスとアーシェはどうする?」
結稀がちらりと2人の顔を覗きながら問い掛けると、2人は力強くニッと笑みを浮かべた。
「勿論、私も一緒に行くよ。」
「結稀が行くのなら、俺も付いて行く。」
2人の答えを受け、結稀は嬉しそうに笑いながら「有難う、2人共。」と一言語り掛けた。
「お・・・おいっ!今の話を聞いてなかったのか!?ダンジョンはかなり危険なんだぞっ!!近付かない方が良い。止めとけって!!」
不安気な表情で3人を止めようと声を掛ける商人の方に、結稀はくるっと振り向く。
「大丈夫です。無茶はしませんから。それに僕達こう見えて結構タフなんで、心配しないで下さい。」
結稀はそう言って朗らかな笑顔を浮かべると、「行って来ます。」と彼等に手を振りながらクロノス、アーシェと共にダンジョンへ向けて歩き始めた。緊張したり怖がる様子も無くスタスタと歩いて行く3人を、商人達は心配そうな目で唯々静かに見送るのだった。




