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第2話 検索結果

何話か書き溜めしているので、基本的には1日、1、2話投稿しようと思います!

出し切ったらゆっくり1日1話か2日で1話出そうと思うので良ければ見てってください。

 1層に着くと、先ほどの部屋とは違い、壁や床には光る石がまばらに配置されていた。周囲が見えないほどではないが、道の先は薄暗く、奥まで見通すことはできない。


 俺は紙とペンを取り出し、地図を描きながら探索を始めることにした。


 2分ほど歩いた頃、前方からポヨン、ポヨンと何かが跳ねる音が聞こえてきた。


 目を凝らすと、バレーボールほどの大きさをした赤色の生物が、道の真ん中で跳ねていた。


 ……おかしい。


 本来、スライムは青色。赤色のスライムなんて聞いたことがない。


 「何にせよ、前にいるんだから倒すしかないか」


 俺はロングソードを構え、慎重にスライムへ近づいていく。


 すると、一定のリズムで跳ねていた赤色スライムが、突然動きを変えた。


 跳ねるのをやめ、地面を滑るようにして俺の方へ向かってくる。


 「気づかれたか! こいつ、目はどこにあるんだよ!」


 赤色スライムの動きは、ギリギリ目で追える程度の速さだった。攻撃のタイミングさえ見極められれば、回避することはできそうだ。


 だが、こちらから攻撃を当てるのは難しい。


 このままロングソードを振り回しても、まともに当たる気がしなかった。


 俺は一度距離を取り、サバイバルナイフに持ち替える。


 これなら、飛びかかってきた瞬間に反射的に突き刺せるかもしれない。


 赤色スライムは俺の背後に回り込むと、一気に地面から跳び上がり、背中目掛けて突進してきた。


 「あぶねっ! ギリギリ動きは追えてるぞ!」


 俺はサイドステップで攻撃をかわし、すぐさま反撃しようとした。


 しかし、赤色スライムは突進した勢いのまま、俺から大きく離れた場所へ着地してしまう。


 ……くそっ。


 これでは反撃する隙がない。


 最初から盾を用意しておくべきだったのではないか。そんな後悔が頭をよぎったが、今さら考えても仕方がない。


 「まさか、1匹目からこんなに苦労するなんてな……」


 赤色スライムは再び滑るようにして接近してくる。


 今度は脇腹を狙って飛びかかってきた。


 俺は前転して回避する。


 だが、赤色スライムは着地した直後、間髪入れずにこちらへ飛びかかってきた。


 前転したばかりで体勢が低くなっていた俺は、とっさに両腕を顔の前に出してガードするしかなかった。


 「痛てぇ! 野球ボールをぶつけられたくらいの威力だけど、普通に痛てぇわ、これ!」


 衝撃で腕がじんと痺れる。


 しかし、ガードしたことで赤色スライムが俺の射程範囲内に落ちてくるのが見えた。


 「今だ!」


 俺は勢いよく持ち替えたナイフを振り下ろし、赤色スライムを切りつけた。


 ――だが。


 傷ひとつ、つかなかった。


 ダメージを与えられなかったのか。それとも、そもそも痛みを感じない生物なのか。


 どちらにしても、俺の攻撃はまったく通用していない。


 「うっそだろ……。結構本気で切ったつもりなんだけど」


 俺は心の中で「ステータス」と唱え、自分のHPを確認した。


─────────────────────


 萩野 駿 Lv:1 次のLvまでExp:10


 見習い冒険者


 HP:7/8

 MP:9/9

 

 筋力:2

 耐久:2

 魔防:4

 敏捷:6

 器用:5

 知力:3

 魅力:4

 幸運:10


 固有スキル

 【独り言】


 戦闘系スキル

 無し


 魔法系スキル

 無し


 耐性系スキル

 無し


 生産系スキル

 無し


─────────────────────


 相手には傷ひとつつけられなかったのに、俺のHPはしっかり減っていた。


 HPは8。今は7だから、あと7回攻撃を受ければゼロになる。


 ……これ、普通に死ぬやつじゃないか?


 よし、逃げよう。これ以上は無理だ。


 (固有スキルには頼りたいところだけど、多分、思考加速とか並列思考とか、そっち系の能力だろうし……。普通にレア個体だから倒せないだけだと願って、今回は退散しよう)


 そう考えた俺は立ち上がり、元来た道へと走り出した。


 幸い、赤色スライムの動きは目で追えている。攻撃を仕掛けてくるタイミングさえ見逃さなければ、逃げ切ることはできるはずだ。


 時折、背後を確認しながら、転移ゲートまで走り抜ける。


 極彩色の光、ゲートへと触れる。


─────────────────────


 ・ダンジョン入口に転移しますか?


─────────────────────


 迷わず「ダンジョン入口」を選択した。


 再びあの浮遊感に襲われ、光が収まる頃には池袋のダンジョン入口へ戻っていた。


 「はぁ……。やっぱり、才能がないんだろうか。せめて固有スキルがまともな攻撃手段なら……いや、もっと初期ステータスさえ高ければなぁ」


 『か、、、しま、た。のぞ、、せ、、を、、、く、、します』


 「……え?」


 人が入り乱れるダンジョン入口で、何かが聞こえた気がした。


 だが、周囲を見回しても、誰かが話しかけてきた様子はない。


 気のせいだろうか。


 とりあえず、今日のところは様子見だけの予定だった。次回は盾を買って、赤色スライムにはなるべく遭遇しないようにしよう。


 ……いや、そもそも、あんなのが1層にいるのはおかしくないか?


 そんな疑問も浮かんだが、今は考えても仕方がない。俺は帰宅することにした。


 家は江戸川にあるので、帰るまでにだいたい1時間ほどかかる。平日の16時頃ということもあり、電車で普通に座れたのは嬉しい限りだ。


 (はぁ……帰るの憂鬱だな)


 冒険者になると両親に伝えたとき、父さんには猛反対された。


 父さんは中学校の教師をしている。頑固というほどではないが、自分と同じように公務員を目指してほしいと、以前からずっと言っていた。


 一方、母さんはかなりおっとりした人で、俺の好きなようにすればいいと、応援してくれている。


 母さんに助けられる形で、なんとかダンジョンに入る許可をもらったのだ。


 それなのに、今日、危ない目に遭ったからといって帰ってきたことが知られたら、父さんの反対がさらに強くなってしまうだろう。


 ひとまず、今日は様子見だけで帰ってきた、と言い訳してやり過ごすしかない。


 家に着くと、揚げ物だろうか。食欲をそそるいい匂いが漂ってきた。


 「おかえりぃ、駿ちゃん。ダンジョン、どうだったぁ?」


 俺に声をかけてきたのは母さんだった。


 母、萩野由美(はぎの ゆみ)は39歳。身長は155cmほどで、小柄な体格に暗い茶色のセミロングという髪型をしている。実年齢よりもかなり幼く見える容姿で、初対面の人には驚かれることも多い。


 父さんは中学校の教師なのに、ロリコンなんじゃないか。いつか女生徒に手を出すんじゃないか。


 ……などと、息子の俺ですら余計な心配をしてしまうくらいだ。


 ちなみに父さんは、萩野陽介(はぎの ようすけ)。


 身長は175cmほど。白髪の混じった短髪に四角いレンズの眼鏡をかけた、いかにも真面目な教師といった見た目の人だ。


 「今日は様子見だけだから、モンスターをちょっと観察して終わったよ」


 「あー、嘘ついたでしょー。駿は嘘つくと左耳の上あたりを触るんだから」


 「え、そうなの? 初耳なんだけど」


 「その癖は、今のうちに意識して直した方がいいねー。お父さんも知ってるから、今日の夜は触らないようにして、バレないようにしないとねー」


 そう言うと、母さんはいたずらっ子のような笑みを浮かべ、口元に人差し指を当てて「しーっ」とポーズを取った。


 「ありがと、母さん」


 (母さん、すごく優しいしいい人なんだけど……もうアラフォーにもなって、ぶりっ子みたいな仕草はやめてくれ、とは口が裂けても言えないな)


 俺は荷物を2階にある自分の部屋に置いた。


 ダンジョンで転がり回ったせいで服も汚れていたため、風呂場で服をもみ洗いしながら、シャワーで体を流す。


 体には所々擦り傷があり、赤色スライムに体当たりされた箇所には内出血もできていた。


 だが、幸いにも大きな怪我はなさそうだ。


 部屋に戻ると、2時間ほどフリマアプリで盾や籠手を探した。


 ……が、なかなかいいものが見つからない。


 そんなことをしているうちに、母さんが夕飯だと呼ぶ声が聞こえてきた。


 1階のリビングに降りると、父さんも帰ってきていたらしく、すでに食卓についていた。


 入学式などの準備で忙しい時期のはずなのに、今日に限ってどうしてこんなに早いんだ。


 俺が席につくと、父さんは真っ先に話を切り出した。


 「今日はダンジョンに行くと言っていたが、随分と早い帰りだったようだな」


 「今日は様子見ってぐらいだから、スライムを1匹観察して帰ってきたよ」


 母さんに言われた通り、左耳を触らないように意識しながら、できるだけ自然に答えた。


 「そうか。それならいいんだが」


 父さんはそう言ったものの、どこか納得していない様子だった。


 目線を確認すると、俺の顔の左側あたりを気にしているように見える。


 ……まじかよ。


 「今回の卒業生の中にも、高校を卒業したらダンジョンに入ると言っている子が多くてな。保護者からも、ダンジョンについての授業を取り入れてくれないか、と相談されることが増えてきた」


 「そうなんだ……」


 「そこで、まずは私自身がダンジョンについての知識を身につけなければと思って、最近勉強しているんだが」


 食卓に、少し重苦しい空気が流れた。


 「ダンジョンを攻略できる最低ラインのステータスというものがあるらしい。駿のステータスは、どれくらいなんだ?」


 俺にとっては、かなり答えづらい質問だった。


 敏捷と幸運は少し高いものの、筋力も耐久も平均以下。戦闘に必要な能力が足りていないのは、自分でも分かっていた。


 「ステータスはダンジョンの外でも見せられるそうだな。見せてみなさい」


 「実は、まだダンジョンの中に入ってなくてさ」


 苦し紛れの嘘をついた。


 だが、頭が回らなかったせいで、言い終わると同時に左耳の上を触ってしまった。


 「……はぁ。見せられないようなステータスだったんだな?」


 「はいはい、話はそのくらいにして、ご飯食べよー」


 母さんのおかげで、それ以上追及されることはなかった。


 しかし、居心地の悪さには耐えられず、俺はご飯をかき込むように食べて、自分の部屋へと戻った。


 (レベルアップすればステータスは上がるだろうけど……そもそも、あのスライムを倒せるんだろうか)


 赤色スライムに攻撃を当てても、傷ひとつつかなかった。


 対して、こちらは一撃受けただけでHPが減った。回避できるからといって、いつまでも逃げ続けられるわけではない。


 このまま戦っても、いつかは体力が尽きる。


 ……勝ち筋がない。


 (基礎ステータスが低いと、レベルアップしても、あまり強くなれないらしいし……。レベルアップする前に、ステータスを上げる方法はないんだろうか)


 その瞬間だった。


 『確認しました。望む異世界を検索致します』


 「えっ!? 何? 今の……」


 頭の中に、直接声が響いた。


 この感覚は、ダンジョンのチュートリアルで聞いたアナウンスに似ている。


 まさか、固有スキルが反応したのか?


─────────────────────


 検索ワード:基礎ステータスを上げる方法


 検索結果:1件 Y/N


─────────────────────


 「……検索結果?」


 画面に表示された文字を、俺は呆然と見つめていた。

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自分なりに楽しく書いていこうと思います!

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