9 博愛
マリエールは守銭奴ではない。博愛主義者だ。貧民のために炊き出しもするし、医療行為もする。辺境伯領への移住相談もする。
9 博愛
マリエールは決して守銭奴などではない。博愛主義者だ。愛する人々に幸せをもたらす博愛精神の持ち主だ。神様に騙されて銀河系の秩序を守る会の会長代理を100年やったから昔通りか判らないけど愛する人々はこの星に住む全ての人々だと思っている。悪い奴らは除くけど。昔は良かった。世の中に悪い奴らいるなんて思ってもみなかったから世界中の人々を愛すればいいと思っていた。でも神様さえも信じられない事を知って誰を愛すればいいのか正直判らなくなっている。個々に愛する事ができるかどうか考えるのではなく世の中の役に立つ事している方が楽だ。そうすれば裏切られる心配をしなくても済む。
マリエールの今やっている活動は王都で貧民向けの炊き出しと子ども向けの教育と辺境伯領への移住希望者の募集だ。移住者はアンドロイドが決める。マリエールはただ呼び掛けるださだ。例えば移住する条件に犯罪者、アルコール依存者、辺境伯領で真面目に働く気がない者は除くとある。テレパスのできるアンドロイドには直ぐに判る。移住希望者は全員移住させる。移住対象にならない者達がどうなるのかマリエールは知らない。
マリエールはいつものように王都の貧民街に炊き出しに向かう。アンドロイドも一緒だ。マリエールは、
「皆さん、食事を持ってきました。並んで下さい。十分にあります。小さな子どもさんには専用に用意してありますからね。おかわりもありますよ。」
貧民達は整然と並ぶ。子ども達からは歓声が上がる。
「マリエールお姉さん、ありがとう。」
別のブースでは医療相談や移住相談も起こっている。そんなブースにもマリエールは回り、
「回復魔法で治しましょう。こちらは風邪ですね。3日分の薬をお出しします。」
患者は口々に、
「マリエール様ありがとうございます。」
と感謝を述べる。移住相談では、マリエールは、
「辺境伯領では人手が足りません。十分な食料や衣類が用意してありますから心配ありませんよ。」
移住の具体的な手続きはマリエール商会で行う。移住が決まった子ども達には教育が施される。マリエールの担当は小さな女の子である。主に読み聞かせだ。ホールで一緒に遊びながら一部の子ども達と読み聞かせする。後の子ども達なアンドロイドが遊び相手になる。読み聞かせが終わると子ども達は必ず言う。
「マリエール様ありがとうございました。」
マリエールは慈善活動を終わると必ず思う。
「今日も良い事をした。」
マリエールは博愛主義者だ。
マリエールの活動範囲は、王都の一部だ。炊き出しも不定期で時間バラバラだ。医療行為も移住相談も極たまだ。しかし気まぐれのようなその行為もマリエールの博愛精神だ。マリエールのその行為は大きく宣伝される。マリエールは博愛主義者なんだと。商会の仕事の暇な時にやる。今日は炊き出しでもやるか。医療行為もあっていいかな。移住相談もやってみよう。そのくらいの意気込みだ。実際炊き出しは月4、5日だ。医療行為は月に1日だ。移住相談は半年に一度だ。人間が農作業をするのは、ただそうゆう事にすればマリエールが博愛主義者と宣伝するためだ。愛する人々に幸せをもたらすためだ。誰をいつ愛するかはマリエールのかってだ。
昔は良かった。全て回りの者を愛せた。神様に騙されて銀河系秩序を守る会の会長代理にされる前は。愛するべき者とそうでない者がいる事を知った。




