10 秩序
マリエールのもう一つの人格は銀河系の秩序を守る会の会長代理だ。a星人がb星人を誘拐した。マリエールは調査に乗り出した。
10 秩序
マリエールのもう一人の人格は、銀河系の秩序を守る会の会長代理だ。秩序を破る者に制裁を加えることが仕事だ。守る会の規則に反して他星に攻め込んだり、他星の者を支配したり、奴隷にしたりする事を厳しく禁止している。その他守る会が管理している星々をかってに利用しようとする者も秩序を乱す者として制裁を加える。その他様々な規則がある。一々規則を適用していては銀河系に規則に違反していない者がいないくらい厳格だ。その中で特に酷い場合制裁を加えることとしている。
a星人がb星人を誘拐した。厳格に言うとそれだけで守る会の規則違反だが、通常は歴史ある恒星間移動できない星との接触を禁止しているのでb星人が歴史がないなら接触は許されることになる。a星人の行為が許されることかどうか調べるには会長代理権限でb星人に接触しなければならない。
マリエールはb星にやって来た。幾ら権限があってもできるだけ穏便にことを済ませたい。b星人に歴史があるかどうかだけ知りたいのだ。マリエールは集落の長老らしい人物に会った。マリエールは長老に、
「この星には、歴史を伝える伝統はありますか。」
長老はマリエールを見て、
「宇宙からやってみえた方ですね。この星には言い伝えがあります。宇宙から来た方にはその方が望む物を与えよと。」
口伝か。弱いな。
「この星には歴史を記述した物がありますか。」
長老は石版のところにマリエールを案内した。石版を見てマリエールは絵が書かれているだけのようにみえた。絵の横に印がある。
「この印は何の印ですか。」
縦線や横線が書かれている。
「季節が巡る毎に違う線を描きます。こちらが季節です。この印からはこの印を使い出して20回季節が巡った冬に火事があった事が判ります。こちらが今の物です。この印を使い出して50回季節が巡りました。」
春に宇宙人が来て人を連れていった事が描かれていた。
「これは立派な歴史書ですね。」
長老は頷いた。
マリエールはa星に向かった。a星人に守る会の規則に違反している事を伝えなければならない。そして恒星間移動を止めさせなければならない。a星でパソコンのサイトでa星人が守る会の規則に抵触する行為でこれ以上恒星間移動を繰り返すなら制裁処分もじさないと伝えた。
「我々守る会の最後通告だ。これ以上恒星間移動を繰り返すなら制裁をじさない。」
a星人には守る会の存在を知る者がいない。愚かな戯言と聞き流された。
「戯言もいい加減にしろ。サイトでくだらない戯言を流すのはやめろ。」
マリエールの警告は無視された。恒星間移動は止む気配はない。マリエールは、
「最後通告は無視された。攻撃を開始する。」
サイトに掲載された1時間後宇宙船基地などの攻撃が始まった。サイト掲載は知りながら無視し続けた国際機関も対策に乗り出した。
サイトに、
「こちらは国際機関だ。話し合おう。攻撃を止めてくれ。」
攻撃は止んだ。
「我々の要求は今後恒星間移動しないという確約だ。」
マリエールはそう掲載した。
b星人は歴史ある恒星間移動できない星人だ。a星人はそのb星人を誘拐した。明らかな守る会の規則に違反した行為だ。




