16 行動
マリエールは慈善活動を拡大することを考えた。始めは役所から紹介された孤児院を、次にアンドロイドが探した母子家庭を訪問した。
16 行動
愛する人々に幸せをもたらす行動をもっと積極的に幅広く起こって、マリエール商会の辺境伯令嬢のマリエールは取り組んでいますと知らしめるべきだとマリエールは思った。それでは偽善者だという思いが微かにあったがいいことするのに隠すことはない。
先ず思いついたのが孤児院にお菓子を配って子ども達に礼状か感謝の絵を描かせてマリエール商会内に飾ることだことある毎にふれ回った。お菓子を配るのはマリエール自身だ。子どもに声かける。小さな女の子に限る。小さな女の子なら感謝の言葉が聞けるだろう。マリエールはお菓子を持って孤児院にやって来た。子ども達に会いに行く。
「こんにちは、マリエールと申します。みんなに美味しいお菓子を持って来たよ。」
サンタさんじゃないけれど、マリエール商会でも人気の焼き菓子を女の子に配った。
「どうぞ、召し上がれ。美味しい焼き菓子だよ。」
女の子は嬉しそうに受け取った。一口食べて表情が曇った。
「私、このお菓子、嫌いなのよね。」
計画台無しだ。しかし怯んではいられない。
「あらそう。ならこっちのお菓子はどうかしら。」
マリエールはカステラを出した。女の子は、
「まあまあね。」
どうやら合格点は貰えたようだ。マリエールは思った。二度とこの孤児院に差し入れなんかするものか。硬い決心を胸に秘めた。
一度の失敗で諦めるようなマリエールじゃない。今度は困窮している母子家庭を家庭訪問してお菓子を配るイベントだ。今回は予めアンドロイドに家庭訪問させてあるので安心だ。前回は児童福祉施設を管轄している役人の紹介で選んだ。役人の紹介ぐらいあてにならないものはないぐらい13歳になれば判っていることなのに愚かなことをしたものだ。今回は自分のアンドロイドで確認した。間違いはないはずだ。
予め転移陣を設定してある。約束した時間に訪問した。薄幸そうな母親と7歳ぐらいの美少女だ。この親子なら私の訪問を涙して感激して感謝の言葉を述べるだろう。マリエールは、
「こんにちは、マリエールと申します。可愛い娘にプレゼントを持ってきました。ウサギのぬいぐるみです。大事にしてくださいね。」
美少女の顔は夜叉のようになり、
「同情するなら金をくれ。」
と宣うた。こんなことでへこたれるマリエールではない。
「お嬢さんはぬいぐるみよりもお金がいいんだね。」
アイテムボックスより小銭の入った袋を出して少女に渡した。
「ちぇ、小銭じゃないか。ケチくせい。」
マリエールは人選したアンドロイドを睨みつけて解析鑑定した。結果「いい加減」と出た。廃棄処分だな。
2度の失敗があり、考え方を見直す必要性を感じた。信頼できる人間、アンドロイドが必要だ。自分が信頼できるアンドロイドを作り出し育てる。マリエールがこれならと思えるアンドロイドと出会えたのは14歳になってからだ。そのアンドロイドには感情がある。感情のあるアンドロイドだ。優秀であり能力も高い。マリエールとも以心伝心であり、マリエールのことを良く理解する。しかし感情故にマリエールのいうがままに行動するとは限らない。
マリエールは信頼できるアンドロイドの必要性を痛感した。ただ命令に従うだけのアンドロイドでは自分で判断する高性能アンドロイドだ。




