勇者は王城に
「お初にお目にかかります。勇者イリス様。私はフレイア聖光教会の教皇をしております、エリオットと申します。」
マルクスさんが話していたとおり、2日後の午後、教皇様が面会できた。私が応接室に案内されて、しばらくしてたら部屋に入ってきた。
思ったより若い教皇様で30代前後の男の人。金髪にエメラルドの眼を優しげに細めて私を見つめてきた。この人、人タラシな感じがする。誘惑に負けたら好き勝手決められそうで気が抜けない。そんな予感がある。
「初めまして。イリスです。勇者になりました。これからどうするか教えてくれるってマルクスさんから聞いてます。教えてください。」
教皇様だから敬語で言った。マルクスさんみたいなタメ口したくないし、気を抜きたくないし。
「……イリス様は、お話がお上手ですね。とても、5歳のお子様とは思えません。午後の食事がまだとマルクスからも伺っておりましたので、共に昼食をしながらお話を出来ればと考えておりましたが、如何です?」
「いいです。先にお話し聞きたいです。おしえてください。」
「……。承知いたしました。大変恐縮ですが、こちらでは他の者も控えていますので、隣の部屋に移らせていただきたいのですが、いかがでしょう?」
「はい。どの部屋でもいいので、聞かせてください。」
そして、マルクスさんが隣の部屋を整えに席を立った。
「マルクスからお聞きしているかもしれません。貴女様はこれから王都に向かい、王城で王に謁見をしていただきます。ご足労をおかけすること、大変恐れ入りますが、王都から王は中々動くことが難しいのです。大変失礼ではございますが、我々が向かうことになります。また、知ってのとおりかもしれませんが、王都には一日では到着できません。これから数日、旅程を組むこととなりますので、マルクスとともに、事前準備をいたしましょう。そちらで、今後の貴女様のこれからが決まります。。。勇者となられたイリス様が、どこまで把握できているのか、存じ上げなく恐縮ですが、、、この後、太陽神フレア様の御心のままに、貴女様は月神ニクスの眷属である魔王と争うこととなります。旅立つ頃は決められております。貴女様の、15の年に、魔王国を目指していただきます。それまでには、貴女様に修行をつける者、お供をする者を決めること、など、あらゆる決めごとがいくつかございます。。。。さて、ここまでで何か気になることはございますか?」
教皇様は、私に言い聞かせるよう、一つ一つを、噛み砕いて説明してくれた。しかも、これから私がすべきことも教えてくれた。
だから王城にいくのを受け入れるってことではないんだけど、私に誠実な対応をして、丁寧な話し方をしてくれたことが嬉しい。だから私からも、一つだけ確認をする。
「一緒に戦う人って、絶対いる??」重要なこと。知らない人と寝食を共にして旅を続けるってとても恐怖。一人で行けるなら、行きたい。
「それは。。。ここでは結論を出せませんが、一人では厳しいかと、、、歴代の、どの勇者様も共を連れ、魔王との勝敗を決しております。。。勇者様のご要望としては極力応えたいところですが、、、何人かの優秀な者を控えさせるのは厳しいのでしょうか、、、」
「出来たらって思っただけです。無理ならいい。」
「恐れ入ります。イリス様の負担とならない人材を厳選いたします。それでご容赦ください。」
「じゃぁ、嫌な人だったら、ぜんぶ嫌だから、その人は皆んな外してください。嫌じゃない人だけ、選びます。」
「承知いたしました。。。」
やはり、神の愛し子には違いないから、これくらいの要望は通るのか。
「いつ出発するんですか?」
「イリス様の体力を優先致します。ただ、国民へのお披露目時期なども考えますと、遅くとも一ヶ月後には、こちらを発つ必要がございます。貴女様の、心身の状況次第ですので、医師もつけ確認の上、出発と致しましょう。」
そう言われて、やはり私の身体は普通とは違うみたいだった。マルクスさんたちから提供される3食栄養のある食事を続けていたら、2週間後には、出発の出来る状態になっていた。医師からも驚かれたけど、多分、半分人間を辞めている状態じゃないかとも思った。だけど早めに話が進むなら、問題ない。少しでも、魔王に会う時間が早められることに越したことは、ない。




