星刻み
「星、創り終えたのです」
星を創り、双子神は神殿に戻って来た。〈光の女神〉が生まれてから、約一年が経過した頃である。
「おぉ~、お疲れ! 双子ちゃんっ」
「大義」
「まぁ、初めてですのにお早かったのですね。わたくしなんて、最初は失敗しましたもの……」
「……俺、上手く教えられたのかな」
深紅、天鵞絨、蒼穹、黄龍が口々にそう言った。
「あ、そうだ。名前は決めた?」
「何の名前です?」
「星の名前ですわ。後は……神も創りましたよね? 黄龍さまから教えられていると思うのですけれど」
蒼穹の言葉に、双子神は顔を見合わせた。
「神は創ったのです」
「でも、星の名前は決めてないのです」
「……そうか、ならば今決めよ」
天鵞絨の言葉に、双子神は頷いた。
だが、何がいいだろうか。〈光の女神〉の名は頭に浮かんだ姿から名前を付けたが、星の名前となると思いつかない。
「ちなみに、神の名前は?」
「〈光の女神〉シャルフェールです」
「おー、初めてにしてはいい名前!」
深紅はチラリと黄龍を見た。すると、黄龍はジト目で深紅を睨む。
「最高神の名前が決まっているのなら、そこから付けたらいいんじゃないか。俺みたいに……」
「お、黄龍が珍しくまともなこと言ってる!」
「五月蠅い、深紅」
深紅の反応に再び、黄龍は彼女を睨んだ。
「なら……シャ・ルーフェ星など、どうです?」
姉がそう言えば、妹は小さく顔を輝かせる。
「いいと思うのです。それでいいです?」
「うんうん! すっごくまともな名前!」
「おいっ、ちょくちょく俺を皮肉るのやめろ!」
「てへっ」
黄龍は叫び、何故か双子神を連れて深紅は神殿の外に出た。
「何、するのです?」
「何処に行くのです?」
双子神は戸惑いつつ、深紅に尋ねた。
「星に、名を刻むの」
ということで、深紅と双子神はシャ・ルーフェ星に向かった。
名前を刻む。とは言っても、物理的に何か彫ったりするわけではなく、神力を刻むらしい。
「創造神、赤を管理し深紅に神力を」
目を閉じた深紅が、目を開く。双子神は驚いた。全身真っ白のはずの彼女が、瞳が赤に染まっていた。
そして、指先を動かし文字を書く。
【双子神管理 シャ・ルーフェ星】
「これで終わり! じゃ、双子ちゃんは中に行って、ちゃんと管理できてるか見てきてね!」
目の色が白に戻った深紅は手を振って、神殿に戻って行った。




