双子神の星創り
出会いから、約百年と呼ばれるときが経った。
双子神は旅の話を、創造神は生まれてから神殿や星を創った話をして、それなりに打ち解けた。
特に、無口な双子神に話題を提供してくれる赤の管理者、深紅とは仲が良い。
双子神は旅をしつつ、星を巡ったり真っ暗な場所まで行ったりと自由に過ごしていた。
神殿に帰って来たある日のことである。神殿にいたのは天鵞絨だけだった。他の創造神はいつもの管理に行っているのだろう。
「……双子神よ。星を、創ってはくれぬか」
「……星、です?」
「あぁ、其方らは我らと同じくして生まれたわけではないとはいえ、創造神だからな」
天鵞絨によると、管理神の一部から、創造神である双子神も管理者として動くべきでは、という意見があるらしい。
「……なるほど、です」
双子神は考えた。
今まで、自由に動きすぎたのだろう。星を巡り、旅をして。
この世界には、創造神と管理神が存在する。
創造神である四柱は星を創造し、管理神を創る。管理神は星を管理しきれなくなったと同時に死亡し、次の管理神を創造神が創る。
働いていない者など、この世界にはいないのだ。
「分かったのです」
「星、創るのです」
「ありがとう……双子神よ」
天鵞絨はほんの少しだけ口角を上げてそう言った。
「でっ、何で、俺なんですか……?」
「存じないのです」
「知らないのです」
「いや、そういう答え求めてるんじゃなくて……」
黄龍は手をもじもじとさせて、フードを深く被った。
双子神と黄龍は黄の管理域に来ている。
「星創るなんて……想像するだけじゃないですか……」
フードを持った黄龍は、反対の手を無空間に出す。
みるみるうちに、星の原形ができ上がった。
「……!!」
双子神の白い目が、少しだけ輝いた。
「まぁ、そこから生物でも何でも想像して創造してください。大体は神創ったらどうにかなるんで……じゃあ」
黄龍は双子神を放って、星の中に入って行ってしまった。
「行くです?」
「行くのです」
双子神は頷いて、神殿の上層にやって来た。
そして、手を伸ばす。
想像して創造を開始した。
二人で創ったので、かなり早かったようだ。
星の原形ができ上がったところで、双子神は星の中に入った。
最初に創るのは、やはり神だろうか。
『〈光の女神〉シャルフェール』
想像すれば、勝手に出てきた。
金髪に金の瞳を持つ女性だ。何となく、神らしい──というか、神々しさがある。下手をすれば、双子神より神に見えるのではないだろうか。
彼女をこの星の一番目の神にする。
妹は彼女の目の前に立って、口を開いた。
「貴女に、この星を任せるのです」
「拝命いたしました。……双子神様?」
「やはり、呼称があった方が良いのです?」
妹が首を傾げると、〈光の女神〉は頷いた。
「そう、ですね。あった方が良いかと」
「では……貴女は女神。わたしは双子神と呼ぶのです」
姉がそう提案すると、妹も頷いた。
「……分かりました。管理に関しては?」
「好きにするが良いのです」
適当に管理を任せ、双子神は星を出た。
かくして、双子神の星創りは終了した。だが、彼女たちの管理はまだまだ始まったばかりである。




