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変わらない隣の男の子

おはこんばんにちは投稿主です。

今回で六幕目、今回からは明日香視点です。


過去にあった零への気持ち、変わらない隣

そんなもどかしい距離の大元となった昔の話をお楽しみください

(今日は、ちょっとだけ静か)


電車の揺れの中で、そんなことを思う。


れいくんは隣に立ってる。

いつも通り、つり革を持って、少しだけ周りを見てる。


私は、その横。

少しだけ寄る。


気づかれないくらいに。


(……落ち着く)


理由は、たぶん知ってる。

でも、ちゃんと言葉にしたことはない。


電車を降りて、改札を抜けて、駅前で――


「じゃ、またね」


瑠璃が手を振る。


「うん、また」

「おつかれ」


そのまま別れて。

残るのは、いつもの帰り道。


私と、れいくん。


「寒くないか」

「ん、大丈夫」


並んで歩く。

足音が二つ分。

それだけなのに、ちょっと嬉しい。


(……なんでだっけ)


ふと、考える。

いつからだろう。

こうやって隣にいるのが、当たり前になったの。


――昔のこと、思い出す。


小さい頃。

私は、今よりもっと遅くて。

ぼーっとしてて。

気づいたら、みんなに置いていかれてた。


「……あ」


そんなとき。


「明日香、こっち」


手を引かれた。

れいくんだった。


そのまま、みんなのところに連れていってくれて。


「ほら、大丈夫」


って。

当たり前みたいに言ってた。

あの時。

ちょっとだけ、安心したのを覚えてる。


――別の日。


知らない人に声をかけられて。

どうしたらいいかわからなくて。

困ってたとき。


「何か用ですか」


間に入ってくれたのも、れいくんだった。

そのまま、何もなかったみたいに私の前に立って。


「行くぞ」


って。


手を引いてくれた。

――そんなのが、何回もあって。

気づいたら。


隣にいるのが当たり前で。

頼ってるのも当たり前で。


(……それで)


いつの間にか。

“お兄ちゃんみたいな人”じゃなくなってた。


(好き)


そう思うようになってた。

自然に。


ほんとに、気づいたら。


「……」


横を見る。

れいくんの横顔。

いつも通り。


ちょっと真面目そうで、でも優しくて。


(……やっぱり、好きだな)


少しだけ近づいて。

顔を、覗き込む。


「……?」


視線が合う。


「なんだ?明日香」


すぐに反応する。

当たり前みたいに。


「……んーん、なんでもない」


小さく首を振る。

でも本当は。


(なんでもなくない)


言いたいことは、ちゃんとある。

ずっと前から。


ただ――


(……まだ、いいかな)


今のままでも、あったかいから。

少しだけ、甘えていられるから。


でも、心の奥で。


「……」


小さく思う。


(早く)


(こっち、見てほしいな)


隣じゃなくて。

もっとちゃんと。


――私のこと。

好きな人として。

見てほしい。


「ほら、前見ろ。危ないぞ」

「ん」


また、少しだけ手を引かれる。

変わらない動き。

変わらない距離。


でも。


(……変わってほしい)


ほんの少しだけ。

そう思いながら、


私はそのまま、隣を歩いた。

今回はどうでしたか?


流石に帰り道まで瑠璃視点なのはな~と思い切って明日香視点にしてみました。

投稿主の帰り道は家まで7㎞のチャリンコ道なので一緒に帰る人は居なかったんですよね


花粉は飛んでないはずなのに止まらないくしゃみ、マジでしんどい   By投稿主

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